昨日病院で働く知り合いと、同様医者と話をした。コロナがひどいが、飲食店での感染は少ないようなので、ちょっとだけということで。
馬鹿話も多かったのだが、コロナで病院が大変だという話である。当然といえば当然だが、実際の話を聞けたので、報道等に新しい視点が持てたように思う。
当然発熱外来が大変だという話だが、電話予約の対応自体が大変と。予約時間前に電話をかけてくる者が実に多いらしい。8時30分かららしいが、その10分前ぐらいからひっきりなしに発熱外来希望の電話が鳴るらしい。「8時30分から」と伝えると、すぐ理解してもらえるらしいが、たまに面倒なことが。そこで「なぜ予約できない」と無理を言ってくる人がいると言う。
彼らが働く病院では、時間で電話が切り替わるらしいのだが、「もうチケットぴあ状態」と嘆く。それよりも問題なのが、時間に関係なく発熱外来予約として電話してくる人がいるらしい。朝の5時とか。「まあしょうがいない」と。
時間外救急自体は止まっている。というのは、コロナ入院は満床。救急も駆り出されているので、スタッフがいない。マンパワーが足りなくなっているし、辞めていく看護師等も多いらしい。医者からは専門家らしい意見も聞いたが、問題はマンパワーであるという認識。
そもそも総合病院だから、発熱外来以外の患者対応があるのだが、発熱外来にスタッフを取られてしまうので、通常外来や入院業務ができなくなる可能性があると漏らす。たまに「発熱外来をもっと増やせばいい」と主張する人がいるらしいが、病院はいろんな患者がいるので、そうとはいかない現実があるのに、理解されないらしい。
友人が言うには、ひどい電話もあるらしい。発熱で救急受診希望の電話で、救急対応していないことを伝えると、「コロナでみんな困っているのに、何で対応しない」と電話口でクレームだ。「病院も困っているよ」とは友人の言葉。
「他で時間外発熱外来がある病院を教えろ」とも。さすがに他病院の医療体制がどうなっているのか知らないので、素直に「わからない」旨伝えると、これまた怒られる。「そんな姿勢で病院はいいのか」などとまたクレーム。何だか怒りをぶつけられるらしい。大変だよ。
そういえば「医療従事者に感謝を」ってどこにいったのかねえと僕が言うと、「ずう〜とないよ。口先だけだよ」と。多分病院からサービスを受けられる消費者のような振る舞いが、ハビトゥス(意識されない習慣)になってるからなんだろうなと僕なりの感想。
印象的だったのは、当直の医者(病棟対応のため必要)が朝体調悪かったのでPCRをやったら陽性。その医者前日外来に出ていたり、その日も外来担当日だと。そこで濃厚接触を想定できる病院スタッフ全員にPCR。その日は急遽休診。ついでにその医者をしばらくの間、当直の部屋から一歩も出ないようにして待機させ、彼が移動していた場所をアルコール消毒したりしたらしい。ちなみに病棟にも行っていたらしく、その対応も大変なんだそうだ。
医者も看護師も技師も事務もコロナになったり、濃厚接触ばかり。そんな中「どうにか医療体制を維持していかないとなあ」と医者がポツンと。ここにちゃんと職業倫理があると感嘆。