終の棲家ストーリー

まさか!の還暦家つくり。しんどくならないように、ゆっくり書きとめながら・・・。

クリスマスツリー

2014-12-05 21:52:09 | 歳時記

母がお世話になっているケアハウス、2階にあるのは、

小さめのクリスマスツリー。

両横に肘掛け椅子が並び、入所者さんたちの談笑の場となっている。

エレベーターが2階に停まると、まず眼に飛び込んでくるのは、このツリー。

母が階段を用いたがるのは、下肢が比較的しっかりしているせい、

だけではない。

エレベーターは、押しボタンの意味することが理解できなくて、

それよりも自分の足で上ることの方を選ぶ。

しかし、これはこれで、転落の心配があってNG。

だから、階段には紙テープが張られ、“エレベーターを使って下さい”と貼り紙。

階段で上り下りするスタッフさんは、いちいち紙テープを外して出入りされる。

だから、母ひとりのためだけの、貼り紙。

ケアハウスを暇乞いするとき、一階へ見送りに下りてくれた母を、

どなたかの上りエレベーターに便乗させて、二階へ届けてもらう。

口だけは達者なのに、テレビのリモコンなど、デジタルな道具は、

まるで記憶から抜け落ちたように、欠落している。

挨拶など、アナログなツール(?)は、依然堅持しているのに、

ヒトの脳の衰え行く標本を見せられているようで、

言葉にならない哀しさ。

ありがたいことに、それにも少し慣れた、今日この頃です。

 

 

 

 



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