終の棲家ストーリー

まさか!の還暦家つくり。しんどくならないように、ゆっくり書きとめながら・・・。

日本工芸館へ

2009-02-25 22:40:03 | 美術展
織り仲間のニュースレターに、各地の竹や蔓細工展や阿波しじら織り、讃岐の嫁入りふとん展の開催案内が載っていた。

そうだ、久しぶりに日本工芸館へ行こう!と。

なんばパークスで食事してから、いつものように、おっちゃんとは現地解散。

春の雨に折りたたみ傘をひろげ、灰色のアスファルトを横断して向かった。

大相撲春場所の開かれていた府立体育館のすぐ西南に、日本工芸館はある。

先日の、貧困を浮かび上がらせた悲惨な事件、レンタルビデオ店火災の現場はすぐ近く。

昭和35年に建てられた、当時としては画期的な三階建ての名建築は、

まわりを高いビルに囲まれて、もはや簡単にはみつけられない。

力強く堂々とした簡素な建築美は、ステキな瓦屋根の門構えの正面に立つ時、やっと目にすることができる。

新築当時は、戦災後のバラックの町並みの中で、気高くそびえ立っていた、というが、

敷地いっぱいに競い合い無秩序に建つビル群に、囲い込まれ、すっかり埋没してしまっている。

遠慮がちに裏手に併設されたミュージアムショップには、見慣れた日本各地の民芸品が並んでいて、

見る度にホッとするのだけれど、正直、あまり流行っている風ではない。

それとは対照的に、帰路立ち寄った高島屋で始まった“細見美術館、日本の美と出会う”は、大盛況だった。

たしかに、あの若沖の鶏がいっぱい、北斎の“夜鷹図”や、大作ぞろいの展示は、迫力があった。

テレビの“なんでも鑑定団”のなせる技だろうか、日本画の名作(とくにその値打ち)が注目されるのは。

ただ黙々と、安価な民衆芸術を展示し続ける日本工芸館が、今の時代に顧みられないとしたら、

と、その行く末に、わたしはお節介な心配をしてしまうのです。






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