雨が降る前に、栴檀草で染める。
四国の友から教えてもらった染め草。
彼女は、子ども達の染め教室で、
木綿のハンカチをピンク色に染めて喜ばれているらしい。
ひっつき虫のトゲ草、嫌われ者の栴檀草は、
夏は普通の黄色系、でも冬には、赤系に染まる、
という興味深い報告を実行に移そうにも、
最近は空き地もよく手入れされていて、欲しい時ほど、
みつけられない。
で、小口切りして送っていただいた数年前のものを使用する。
媒染剤はミョウバン、実はこれがいつもの横着、で、失敗の原因だったのだが。
古いノートには、ちゃんと酢酸銅とあったのに。
常日頃、染め草の鮮度に神経質にこだわっているくせに、
古い栴檀草を煮た、のはなぜだろう。
煎液は、すぐに濃い紅茶色になる。
よっしゃ!と絹布を染めてみる。
欲しいのはピンク色だった。が、
抽出液の紅茶色は、布には乗り移らない。
やっぱり、ミョウバンは黄味が強い、のか。
植物の鮮度さえ、ないがしろにした。
というわけで、
雨が降る前の染色は、心余って、思うに任せず。