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かんたんクッキングEX 

信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」2007~2010年連載。
〔食育エトセトラ……料理の言葉を知ろう〕

松風

2008-12-28 | かんたんクッキングEX
                      信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2008. 12/25号掲載>
料理で「松風」の名がつくものは、京都の和菓子、そして松風焼き、松風たまご、松風豆腐などがあります。
松風は“裏さびしい”という言葉がキーワード。片側の表面だけを芥子(けし)の実で飾って焼くことから「松風の吹く浦がさびしい=海辺の松風は裏さびしい」という語源があります。和歌では「待つ」の掛詞とされています。

芥子の実は、その栽培を悪用した使い方で問題になっていますが、昔からお菓子の飾りや薬効のある香辛料として使われています。
身近なものでは、七味唐辛子。善光寺の八幡屋磯五郎でおなじみですね。
1625年に始めて販売を始めた浅草寺門前の「やげん堀」(江戸)、そして清水寺門前の「七味屋」(京都)と共に、三大七味唐辛子として知られます。

七つの薬味は、風邪に効く漢方薬が多く、参拝者の旅の常備薬や土産として全国に広がりました。「あかごけのあさちんさん」といわれ、赤(唐辛子)、ご(胡麻)、け(芥子)、の(海苔)、麻(麻の実)、陳(陳皮)、山(山椒)がオリジナルブレンドされます。
来年は善光寺御開帳の年。初詣の帰りに七味唐辛子を、おせち料理には松風焼きを。芥子の実のプチプチ感を楽しみましょう


【鶏の松風焼き】
①玉ねぎ(大1/2玉)をみじん切りにしてサラダ油で炒め、粗熱をとる。

②鶏ひき肉(300g)、卵(小1個)、パン粉(150cc)、すりおろしたヤマイモまたはナガイモ(20g)、しょうゆ(大さじ2強)、みりん・砂糖(各大さじ2/3)、おろししょうが適宜をボウルで混ぜ合わせ、粘りが出るまでしっかり混ぜる。

③アルミの弁当や流し缶にアルミホイルやオーブンシートを貼り、②を均等に詰め2~3cmの高さにし、軽く何度か落とし空気を抜き、上に芥子の実をまんべんなく振りかけ、手で軽く実を押し付ける。

④200度に温めたオーブンで20分程度焼く。冷ましたら青のりを振り、扇型や長方形に切る。



メレンゲ

2008-12-28 | かんたんクッキングEX
                      信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2008. 12/11号掲載>


メレンゲは卵白を泡立てて砂糖を加えてたもので、オーブンの鉄板に搾り出して焼くと「メレンゲ」の名のお菓子になります。

卵白の泡立ては、空気の気泡を取り込む「気泡性」と、空気に触れると硬くなる「空気変性」のふたつの作用を利用した調理法。新鮮な卵を使い、最初は湯煎で泡立て、仕上げを冷して行うと上手にできます。
このとき、油が混ざらないように注意。砂糖を入れるタイミングは、卵白が泡立ってから少しずつ入れて泡立てますが、ハンドミキサーを使うときは最初から入れて泡立てます。

メレンゲの効果が生かされたシフォンケーキは、英語で“絹”の食感という意味のケーキ。あっさり、しっとり、ふんわりと米粉で作ってみませんか。


【米粉のシフォンケーキ】
①卵黄(3個分)を白っぽくなるまで泡立て、牛乳(大さじ4)とサラダ油(大さじ3)を少しずつ混ぜ、米粉(上新粉・60g)を振り入れて混ぜる。

②卵白(3個分)をメレンゲにする。砂糖は50g加える。

③①と②を3回くらいに分けてさっくりと混ぜ、型に流し込んで180℃に温めたオーブンで焼く。

④型を裏返して置き、冷めたら型から外す。








のっぺい

2008-12-28 | かんたんクッキングEX
                      信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2008. 11/20号掲載>


郷土料理として知られる「のっぺ」。島根、富山、奈良県など全国各地に伝わる田舎料理で、とろみをつけたものをいい、「のっぺい汁」で知られています。

佐久地域でものっぺい汁は古くから食されていたようで、岩村田宿(今宿)で中山道を往来した大名に食事や宿を提供していた篠澤佐五右衛門家が小諸城主青山因幡守へ献上した料理の献立表の中にあり、慶安元年(1648年)の文献に残されています。
当時ののっぺい汁は鴨肉を使った鍋仕立で、わさびが添えられていたようです。

現在一般には、鶏肉や豆腐、サトイモ、ダイコン、ニンジンなどの野菜をいれたしょうゆ味の汁にとろみをつけたものです。
汁が粘り餅のようになることから“濃餅”と書いたり、“ぬらり”という意味の「ぬっぺい」がなまって「のっぺい」になり、“能平”や“野平”の字を当てたともいわれます。

汁にとろみをつけると、冷めにくく、舌で味を長く感じることができるためコクを感じ、薄味仕立てにできます。また、高齢者も飲みやすく、冬は体が温まります。

片栗粉のとろみは、片栗粉と水1:1の割合で、料理を始める前に混ぜておきます。なめらかなとろみは、しっかりと火を通すのがポイントです。


【のっぺい汁】
①ダイコン、ニンジンは大きさを同じくらいにした半月切り、ゴボウはささがきにして水にさらし、サトイモは皮をむいて輪切りにし、塩もみして軽くゆでる。

②シイタケは石づきを取ってイチョウ切りにし、油揚げは短冊切り、豆腐をサイの目に切る。

③鍋にだし汁(一人分約1カップ)と材料を入れて強火にかけ、煮立ったら火を弱め、アクを丁寧に取りながら野菜がやわらかくなるまで煮る。

④塩、薄口しょうゆで味付けして(吸い物より少し濃いめ)、水溶き片栗粉を加えてから火を強くし、とろみをつけて煮上がりに斜め切りにした長ネギを加える。



ブーケガルニ

2008-12-28 | かんたんクッキングEX
                      信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2008. 11/6号掲載>
 

煮込み料理がおいしい季節ですね。ぐつぐつ煮込む香りで、わが家の食卓は温かさに包まれます。

香りはおいしさを引き立てる大切な要素。中でも香味野菜やスパイスの香りは、肉や魚の臭みを緩和し、おいしさ中枢を刺激する名脇役です。

洋風料理に使われるブーケガルニは、ブイオンをとる時に欠かせない香味。ブーケガルニは、“香りの束”といわれ、香りを引き出したら取り出しやすいように生の香味野菜を束にして入れます。
パセリの茎、タイム、セロリの茎などを束にしますが、乾燥した香味野菜を使うときは、ガーゼやお茶用のティーバッグで包みます。
香味素材は料理によって選びますが、クセのないのはパセリ、セロリ、ニンジン、ローリエ。そしてローズマリーやセージ、魚にはディルが合います。


【ポトフ】
①牛かたまり肉(または豚肉)に塩をすりこんでおきます。

②沸騰湯に①とブーケガルニを入れ、アクを取りながら煮込む。(スープの味を重視するときは水から煮込む)

③大きめに切った野菜を加えて塩コショウで味をつけ、70~75℃でコトコトやわらかくなるまで煮る。(ニンジン、ジャガイモ、カブ、キャベツなど)

※ポトフはフランスでは“火にかけた鍋”の意味。日本のおでん…。材料の量は適宜、ソーセージも美味。マスタードを添えていただく。






しんじょ

2008-12-28 | かんたんクッキングEX
                      信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2008. 10/23号掲載>


高級料理に登場する「しんじょ」。名前が調理法をあらわしている料理で、「真薯」「真上」などの漢字が当てられ、魚のすり身に薯蕷(じょうよ)つまりヤマイモを加え、練ってつくられます。
舌に触れる繊細な感覚は上品で、日本料理の真髄を感じさせます。

明治時代の刊行物の中には、“かまぼことはんぺい(はんぺん)の間のやわらかさのものをしんじょという”と記載され、その歴史は古く、「はんぺん」と共に室町時代から食べられていたようです。

現在は、魚や鶏肉のすり身にすりおろしたヤマイモ、卵白、塩を加えて練った“しんじょ地”を、ゆでる、蒸す、揚げるなどで目先を変えて楽しまれています。
手軽なはんぺんを使い、キノコ、ギンナン、定番のエビを入れて彩り良く…。旬の味覚を引き立てますので、四季折々の素材でしんじょをつくってみましょう。


【秋色しんじょ】
①エビ(中型・100g)の殻をむき、背ワタがあれば処理する。

②はんぺん(50g)、エビ(飾りの4尾を残した分)、ナガイモ(30g)、卵白(1/2個分)、酒(小さじ2)、片栗粉(大さじ1弱)をフードプロセッサーまたはすり鉢ですり混ぜる。

③②にキノコ、ギンナン、ナガイモ(小さな角切り)適宜を混ぜて4等分し、ラップで茶巾しぼりにして、上に丸めたエビをのせて蒸す。

④だし汁(100cc)、しょうゆ・みりん(各小さじ2)、片栗粉(小さじ1)であんを作り③にかける。