どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 2477

共産主義が流行らなくなった理由は単純である。人間はそこまで合理的たり得ない。伴侶や子供の飢えや寒さを真っ先に解消したくなる生き物には、冷徹に過ぎるのである。生き残っている共産主義国家はそこら辺の問題に折り合いを付けるのを諦めたから存続していると云う、逆説的な存在である。だったら共産主義の看板を外しても良さそうなものだが、そんな合理的な判断すら下せない辺りが、人類の限界に思える。昨今ではそう云ういい加減さに業を煮やし、どうにか人間を数式の中に押し込もうとして行動経済学なる学問が発展し、それなりに成果を上げている(男性用小便器にハエの絵が描いてあると、合理的理由も無く皆がそれに当てたがる等)様である。ただ理論が美しければ美しい程、正しければ正しい程、その枠から確実にはみ出すのが人間の面白い所である。これからも新理論が提唱され続けるであろうが、どう合理的に考えても上手くいくとは思えないのである。

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