理想を貫こうとするとこうなりがちである。「多大な苦痛を与え非人道的」だとして、粘着シート式のネズミ捕りが購入・使用出来なくなる法律が、英国で成立したそうである。最終的には駆除するのであれば同じ事だと思ってしまうが、不倶戴天の敵でも動物愛護の観点からは安らかに眠って頂かないと辻褄が合わないものらしい。全生物の生殺与奪の権は神から委ねられていると云う思想が根底にある事も関係するのかも知れない。結局は「ちょっと大きめのゴキブリホイホイがバカ売れする」だけに終わると思うのだが、法案が通りさえすれば活動家の面目は立つのであり、それで十分なのだろう。社会を変革するのは理想であるが、それが現実と乖離し自己満足の空論に変質してしまうのもよくある話である。更には「非人道的な罠を使わない様にするにはネズミを根絶やしにするのが一番」と云う極論に突き抜ける可能性も有るので、理想の取り扱いには注意が必要なのである。
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