どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 3606

統計は使い勝手の良い道具である。それ故に過信も招き易い。標本が人間である社会科学で、その傾向が顕著である。私は100万回で1人が死亡した事例が有る全身麻酔手術を2回、500万回で1人が死亡した大腸内視鏡検査を4回受けた事が有る。尻の穴にカメラを突っ込んだら死ぬ理由が今でも分からないのだが、そう云う体質だったと云う可能性が有り得るのが人間のややこしさである。統計的に99.9999%の安全が観測されていたとしても、その事実は個人の安全を担保する訳では無い。人体の構造は概ね似た様なものだから医学が成立するのだが、個体の独自性とか特異性とかの非統計的要素は除外せざるを得ない。要するに過去の実績がどうでも自分にやってみなけりゃ分からないのであり、それで大当たりを食らったら運が悪かったと思うしかない。より安全な選択をする上で統計は心強い味方になってくれるのだが、一定の閾値を超えてから先は神頼みと大して変わらないのである。

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