やらずに後悔するより、やって後悔した方が良い。よく言われるセリフである。人生の最大の財産が経験である以上、それを蓄積する為には何かやらねばならない。そう考えれば正しい様にも思える。しかし「サンバのコスチュームを着て国会議事堂にカチコミを入れる」とか「米国と中国に同時に宣戦布告する」とか「仕事上、嘘を吐かない」とか、やる前から結果が凡そ想像付くものまでやるべきとは思えない。挙げた例は恐らくやる人は居ない（過去には居た）極端な場合であるが、「絶対に無理な相手に告白」とか「絶対に赤字になる仕事を受注」とか「コンプライアンス遵守を約束」とか、線引きが難しい場合はどうか。当たって砕けた先例は枚挙に暇無く、またそう云う場合に限って「やって後悔」と云う言葉が用いられがちに思える。これらの場合「一か八か」と同義語だと思うのだが、失敗のプロセスを経験すると云う意味では、必要悪の様なものかも知れないのである。
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