どうせやるなら、その位の勢いは欲しい。ワクチン接種証明書提示の義務化を巡り、仏国では案の定反対デモが多発し、全土で約16万人が参加したそうである。発表したのが主催者か警察かは知らないが、どちらにせよ結構な人数が動いた事には間違いない。イエローベスト運動との繋がりは分からないが、あれも発端は「車の燃料代の値上げ」と云う生活に密接に関わる問題だった事を考え合わせると、何かあったらすぐに街頭に繰り出すフットワークの軽さが仏国流なのかも知れない。経済のグローバル化による格差問題も、根底には有るのだろう。理由はどうあれ、国民が「デモ慣れ」しているのは為政者に対する一定の牽制となっているのは確かである。放置すれば暴徒化して国会議事堂になだれ込み革命政府の樹立を宣言する位の頭数が揃っていないデモは単なるセレモニーに過ぎないのであるが、この国にそう云う気風が根付くには少々内気な人が多い様にも思えるのである。