通貨発行権を握っていれば、国債は幾らでも発行出来る。MMT理論を日々実験中のニッポンである。インフレ率さえ制御出来れば、と云う但し書きは入るが、目標値すら達成困難な状況である。各国の通貨供給量はほぼ上限に近いのに、ハイパーインフレはおろか、2%の上昇も見込めないのは何故か。貯蓄志向とデフレマインド云々と国民に責任転嫁する以外の仮説として、「無限に生み出せるモノが経済の主体になったから」なるものを提唱したい。インフレはモノ不足とカネ余りで発生する。しかし、現在世界で最も売買されているのは金融商品である。これは原材料や工程に生産量が制約される事も無く、輸送も在庫も不要である。その気になれば「フンゲルモア価格が777円になったら10円で買える権利」すら売り出す事が出来る。そっちの利幅が良いならそっちに流れるのが道理であろう。金は天下の回り物と云うが、こっちの生活とは無関係な所でグルグルされても困るのである。