聖岳
ひじりだけ
日本百名山 no.85
<標高> 3013米
<緯度> 北緯35度25分22秒
<経度> 東経138度08分23秒
<所在地> 静岡県
<TOP写真> 南岳付近より
レポ作成日: 2008年4月20日
2007年のお盆休みは、春に新調しましたデカザックを背負い、
6泊7日の南アルプス縦走に挑戦しました。
全行程はこちら→ 2007年夏・南アルプス縦走
5日目の記録はこちら → 07’夏 南ア縦走 (5)
--- 6日目(07/8/17) ---
【天気】
曇のち晴れ
【行動時間】
10時間35分
【歩行時間】
9時間25分(小休憩含む)
【行程】
百間洞山の家(4:00)→ 兎岳(6:30)→ 前聖岳(8:30/8:50)→
聖平小屋(10:15/11:05)→ 上河内岳(13:05)→ 茶臼小屋テント場(14:35)
2時に起床し、空を見てみると、雲に覆われていた。
もちろん、大沢岳山頂に立ち寄るのはやめることにしたけど、
ひょっとして天気悪いのだろうか・・・(汗)
不安気な空模様のせいなのか、テント生活も6日目に入り慣れたからなのか、
3時半すぎにはテント撤収、小屋で水汲みとお手洗いを済ませ、
4時には歩きはじめることができた。
稜線に出るまではしばらく樹林帯の中を歩く。
もちろん、辺りはまだ真っ暗なので、ヘッデンの明かりを頼りに前へ進んでいく。
日ごとに、日の出の時間が遅くなっているのがわかる。
稜線に出たころ、ようやく日が昇った。
富士山が見える。
高曇なのだろうか?空が一面に赤く染まっており、遠望はきいていた。
この色が天候悪化の兆候な気がして、不安になる。
雲海をまとう赤石岳と荒川岳(奥)。ゾグゾグと寒気のする美しさ。
やがて、中盛丸山山頂に到着する(標識の写真はこちら)。
ここで中高年のグループと一緒になり、その中のリーダーっぽい男性に、
「この雲は明日には天気が崩れるよ。まっ、僕たちは今日中に下山しちゃうけどね。」
と言われる。ありがたい助言なんだか、なんなんだか・・・。
ともあれ、それを聞いて、ますます先を急がねば、と私は気持ちがあせってしまう。
なんとか、天候が安定しているうちに、聖岳を通過したい。
小兎岳の向こうに、兎岳の山頂が見えてきた。
左手にはどっしりと聖岳が待ち構えている。
日が昇るとともに、少しガスも出てきました。
小兎岳を越えて、また兎岳へのとりつく。
こんな感じのUP・DOWN,何度繰り返しただろう。
この頃には、何度もやってくる多少のUP・DOWNには動じなくなっていた。
兎岳山頂(2818M)
ここも携帯電話圏内ポイントだったけれど、
町(長野県)側のガスが濃かったせいか、通じませんでした(docomo MOVA)。
奥から、大沢岳、中盛丸山、小兎岳。ナミナミしてます。。
さらにその右手奥には、荒川岳からつづく南ア北部が見える。
この日は天気がいいんだか、わるいんだか???
兎岳山頂で少し休憩し、いよいよ聖岳へ。
聖岳の崩壊壁が目前に迫る。
南面の直下の兎岳避難小屋(石室)を右手に見ながら、聖兎コルへと下っていく。
(兎岳避難小屋の写真はこちらをクリック)
見た目ギザギザしているけれど、登山道は穏やかな雰囲気だった。
ただし、南側は大崩壊地なので、つまづき&よろけに注意。
(聖兎コル付近の写真はこちら)
標高が下がるとダケカンバの林に入るが、展望はよい。
赤石岳。この辺りからだと、すっきり見える。
光岳~加加森山など、深南部の山々も見える。
聖兎コルからは、今下ってきた兎岳よりも高いところに向う。
赤色の岩石を登る。これはラジオラリヤ盤岩と言うらしい。
タカネビランジに癒される
しばらく登って振り返ると、兎岳をはじめ、歩いてきた山々がよく見渡せる。
高雲で薄暗い天気ではあるが、ガスはとれてきたようだ。
ガレキの尾根となり、2796のピークを過ぎると、いよいよ山頂となる。
聖岳(前聖岳)山頂(3013M)に到着。
南部に入ってから、ようやく山頂からの展望に恵まれた。
『数える山が多すぎた。』
と深Q氏は、「日本百名山」の聖岳の章にて述べている。
で、本当にそのとおり。。。
赤石沢を隔てた向こうには、赤石岳。
そして、その奥には、荒川岳、小河内岳、塩見岳と歩いてきた稜線が続いている。
大沢岳の向こうには、御嶽山、中央アルプス、北アルプスがくっきり。
ここから見る富士山はおっきい。
そして、これから歩くであろう、上河内岳~茶臼岳。深南部の方まで見える。
山頂にいる人はみな、見渡す山々の同定を楽しんでいた。
しかし、実際は、この日の山頂、ものすごい強くて冷たい風が吹き荒れており・・・。
(写真だと風の強さってわからない~。)
ザックをおろして立っていると吹き飛ばされそうなくらい。しかも寒い。。
レインウェアをはおり、20分くらい粘ってみたけど、耐え切れず下ることにした。
むろん、奥聖岳までも足を延ばすこともできなかった。
砂礫の大斜面を下る。かなりの急斜面でした。スリップ注意ですね。
小聖岳付近より、前聖岳をふりかえる。下るのはあっという間です。
やがて、マルバダケブキやトリカブトのお花畑となり、
薊畑分岐を通過し、少し進むと、聖平小屋への分岐に到着する。
先に進むか進まないかを休憩しながら考えようということで、
まずは聖平小屋に立ち寄ることにした。
聖平小屋への木道
前方に立ちはだかっているのが、小聖岳と聖岳。
こっちからだとこんだけ登るのか・・・と改めてびびる。
聖平小屋に到着。テント場もいい感じ(写真はこちら)。
小屋でフルーツジュースと牛乳を購入したら、お茶と手作りクッキーを出してくれた。
聖平小屋の休憩場所で、昼食をとっていると、単独の青年と一緒になる。
両俣小屋から4日間でここまで縦走してきたらしい。ものすごい健脚だ・・・(汗)
この後、茶臼小屋までか、行けるなら光岳の方まで行くつもりだとのこと。ひゃ~。
笑顔が素敵な感じのよい青年(学生さん!)、¥さんも気に入ったみたいで、
しばらくおしゃべりを楽しんだ。そして、わたしたちも、
思ったより好天気がもちそうだったので、茶臼小屋まで進むことに決める。
すっかり、いいお天気に。向かう上河内岳が見える。
聖平小屋から南岳までも、なかなかの急登。
登っている途中で、聖平小屋で会った青年に抜かれる。
わたしたちより20~30分後に小屋を出発したみたいだけど、健脚だ~(^^;
南岳あたりまで来ると、聖岳~赤石岳~悪沢岳(荒川東岳)を3つ並んで見ることができる。
おととい、悪沢岳のピークに自分はいて、
あそこからここまで歩いてきたのだと思うと、感慨深い。
目指す上河内岳はとても立派な山容です。
上河内岳山頂(2803M)
山頂は登山道からはずれていて、15分ほど登ったところにある。
なので、登山道にデカザックを置き去りにして、山頂に向かった。
残念ながら、富士山を眺めることはできなかったけれど、展望のよい山頂だった。
聖岳~赤石岳~悪沢岳(荒川東岳)
さっきまで快晴だったのに、だいぶ雲が出てきていた。山の空模様は変化が激しいですね。
わたしたちが山頂から下りはじめたとき、単独の男性が登ってきた。
その男性は、山頂に誰もいないことを確認すると、
「大変申し訳ないのですが、山頂で写真撮ってもらえないでしょうか?」
とわたしたちに頼んできた。わたしたちはそれに応じて登りかえすことにする。
その男性は「信州百名山 百座登頂」を目指しているとのことで、
山頂写真はかなり重要とのこと。¥さんもその気持ちはよくわかるはず(^^)。
その男性も「今夜は茶臼小屋でテン泊する」とのことだったので、
「それでは後ほど」と挨拶をし、わたしたちは先に山頂を後にした。
そう、そして、その男性こそがこばさんなのでした(笑)。
奇岩竹内門を通過し、気持ちのよい草原の登山道を進んでいくと、
茶臼小屋に下る分岐があらわれ、そこを少し下っていくと、茶臼小屋に到着する。
展望のよい茶臼小屋のテント場
いやー、なんとか無事にここまで来ました。わたしの中では、ここまで来れれば、
100点満点と思っていたので、ここに到着したときのうれしさと言ったら、言葉にできないほど。
テントを設置しながら、「わたし、よく頑張ったー」と何度も言っていたような記憶がある。
一方で、¥さんは必ず光岳までと思っていたらしく、
ここで満足感にひたっているわたしにヒヤヒヤだったらしけど(笑)
茶臼小屋の外の炊事場を使うことができた。水場が側にあるし、使いやすかったです。
こんな感じで売っているトマト。迷わず購入しました(笑)
晩ごはんを食べていると、こばさんがやってきて、
写真のお礼にと缶ビールをご馳走して下さった。
こばさんはこの日、易老渡から1日でここまでやってきたとのこと。
そして、翌日のわたしたちの予定を話してみると、同じ行程で歩けば、
なんと易老渡から最寄の駅まで車に乗せてくれるとのこと。
ということで、翌日は、こばさんに同行させてもらって、
易老岳から光岳を往復し、易老渡まで下山することになった。
07’夏 南ア縦走 (7)へつづく。
【MEMO】
■茶臼小屋・テント場■
幕営料1人400円。トイレ・水場は茶臼小屋の反対側にある。
水は涌水でじゃんじゃん流れていて、とても美味しかった。
■食事メニュー■
朝: クリームパンとスープ
行動食: アルファ米と梅干
夜: チラシ寿司と味噌汁、トマト(小屋で購入)
食事メニューに関する記事はこちら→ デカザック怪人の餌
【百名山記録】
ダンナ:92座 まゆ太:88座
しかし、ほんと、まゆたん よくがんばったー。
そうなんですよ。こばさんとの出会いは、ほんと数分間での出来事でした。ちょっと時間がずれていたら、この出会いはなかったかもと思うと感慨深いですよね。
そして、まきさんやびすこさんとの出会いもね。
ありゃー、びっくりナリ。
だって、お互いがお互いのブログの存在すら、しらなかったわけだから(^^;
うん、これも運命だ!
山頂に立った時、越えて来た山並みを振り返って見ると、自分も捨てたもんじゃないな!って思いますよね☆
「雲海をまとう赤石岳と荒川岳」の画像、私もゾクゾクします。
こういうのって山の上で早起きした人の特権ですよねぇ~
私もいずれ使うだろう茶臼小屋の情報、有り難かったです。
コメントありがとうございます。超うれしいです。
>自分も捨てたもんじゃないな!って思いますよね☆
えへへ。そうかもしれませんね~。
偉いぞ、自分!みたいな?自己満足の世界ですけど(笑)
>「雲海をまとう赤石岳と荒川岳」の画像、私もゾクゾクします。
雲が作り出す山の景色って、同じ風景は2度とないですよね?
だから、ピーカンの天気も心に響くものがあります。1つの出会いみたいで。
茶臼小屋、ほんといいですよ。湧き水がとっても美味しいです。
テン場から天気がいいと富士山見えるみたいです。
スタッフの方も親切でした。1度、泊まってみたいかも。