365wedding オーダーメイドのウェディング(結婚式)と美しいウェディングドレスの選び方とデザインについて

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とっておきのお菓子から 『フルーツのマリアージュ イチゴとドライマンゴーのリキュール浸け』

2018-02-25 16:22:36 | 美味なデザート

とっておきのお菓子から 『フルーツのマリアージュ イチゴとドライマンゴーのリキュール浸け』

 

 

筆者が今回製作しているフルーツのリキュール浸けは、ジョエル・ロブションのレシピ本を見ていた時に、フルーツをキルシュ(さくらんぼのリキュール)に浸けたデザートというのが掲載されていて、砂糖も何も入れずに果物をリキュールに浸けるデザートなんてあるのか?と思い、ためしに桃のリキュール浸けを作ってみたのです。

 

そうしたら、最初に味見をした時よりも1日経った方が断然美味しくなっていることに気付いたのです。

言い換えると、フルーツの浅漬けみたいなものなのですが、以来、面白くなり、様々な果実を使って、様々なリキュール浸けを作っています。

 

 

今回作ったのは、イチゴとドライマンゴーのリキュール浸けです。

 

なぜ、これを作ったのか?というと、たまたま家に両方あったからです。(笑)

 

生のイチゴとドライマンゴーというのは、食べてみれば分かりますが、全く別の食べ物です。

相性も何もあったものではない。食感も味も香りも全くの別物。

 

けれど、この2つをリキュール浸けにしてみたら、意外なハーモニーが生まれるかもしれない。

過去の経験から、そう思いまして、作ってみました。

 

そうしたら、これが意外というか、やはりというか、ものすごく美味しかったのです。

 

最初にリキュールに合わせてみた時は、それほどでも無かったのですが、半日置いてみると、これが最高に美味しい。

 

このリキュール浸けには、リンゴのコンポート(オリジナルレシピ)の煮汁も使われているのですが、リンゴには、果物を追熟させる酵素が含まれているので、それを利用してみようと思ったわけです。

 

この煮汁も又リキュールと共に両者の媒介になって、素晴らしい味と香り、そして深みを出している。

 

イチゴも生で食べた時よりもフレッシュで活力があり、味が濃く、マンゴーの食感や味・香りがアクセントで効いており、これはハーモニーではなく、所謂『マリアージュ』なのだなと思いました。

 

もともとふたつで別々だった存在があたかもひとつの存在のように調和した状態になることを、「mariage マリアージュ」と言う そうです。

 

発酵というのは、このように、とても奥深く楽しいものです。

 

人類の進化には、主に2つの大きな要素があったのですが、その一つは『火を使うこと』もう一つは、『土器を使うようになったこと。』

 

土器を使うことによって、調理や発酵、様々な保存食などを作ることが可能になり、他の生物と全く違う食べ物を多く作り出せるようになったのです。

日本を含む東アジアは、土器の歴史の中で発見されているものが一番古く、およそ15000年前から17000年前推定の土器が発見されています。

そこから様々な料理が進化したわけですが、砂糖以前に最も使われた甘みって何だろう?と考えた時に出てきた答えが、『味醂』や『果実酒』と『干した果物』でした。

今回のデザートには、『味醂』と『干した果物』も加えていますし、果物のリキュールも入っています。

なので、人類が生み出してきた叡智の結晶とも言えますし、そうした進化の先に、このような料理があるのかと思うと、なんだかワクワクしますよね。

 

 

 

もう一つ、この日お出ししたデザートが、リンゴのコンポート(オリジナルレシピ)で、これは筆者の大定番お菓子で、毎日食べていても飽きない、それでいてスペシャルに美味しいお菓子です。

着色料など何も加えていないのに、見るからに美味しそうですし、良い香りがします。

そして美味しい。

 

正確なレシピは秘密なのですが(笑)、コツを言えば、『美味しそうな匂いがしてくるまで中強火で煮ること』

その後、弱火にして煮立たなくなったら、リンゴの色つやや煮汁の味を確認して適正になるまで味を調整することです。

 

 

レシピ通りに作るというのも、最初は必要ですが、果物にしろ野菜にしろ、そもそもの味や状態が違うわけですから、ちゃんと味を見て、適切になるまで調整すれば、必ず美味しくなります。

 

それを盲目的にレシピを信じてしまうと、目の前の現実に対応出来ず、美味しいものは作れません。

 

服も、必ず人間が着た状態で、適正になるまで調整します。

 それをしないと、良い服にはなりません。

 

オートクチュールの場合は、その人のために仕上げていきますので、この作業を突き詰めているのです。

 

ちなみに、ドレスをオーダーしていただくと、仮縫いの時などに筆者のお菓子を食べることが出来ますので、ぜひオーダーよろしくお願いします。

 

ドレスが出来上がると、必ずといってよいほど「ごちそうさまでした」という声が返ってくる『おかしな服屋』でした(笑)

 

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一生のうちで最も特別な場面の本当に特別な1着を お客様と共に創り上げていくデザイナーズ・ウェディングドレスの May&June

オートクチュール(オーダーメイド)のドレスを制作しておりますので、様々な人、場面に対応したドレスを提案します。


詳しくは
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ドレスについて綴っています。 mayjune365


吉祥寺大正通りのドレスのオーダーメイドとセレクトショップ
contemporary creation+
武蔵野市吉祥寺本町2-31-2-101
tel:0422-20-8101 
open 12:30-21:00((祝日を除く月・金は定休日)
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特別な日の一着、ピアニストが纏うローズ色のオーダードレス

2018-02-17 11:59:41 | May&June
本日は、特別な日の一着としてお仕立てしたローズ色のオーダードレスについて
May&Juneのデザイナー、田中が綴ってまいります。
 
唐突ですが、皆さまは手帳はお使いですか?
私は10年以上、同じ黒のMOLESKINの手帳を使っています。
荷物が詰まったバッグにやさしい、軽さとコンパクトさが気に入っています。
 
自宅では本棚に収納しているので、
黒い背表紙で埋め尽くされて異様な光景でもあり。
1冊取り出し、2年前の今日、5年前の今日は何していたかと
パラパラとめくると、発見や楽しさもあります。
 
さて一年前の今頃、
一人の若きピアニストの方よりドレスのご依頼を承りました。
 
素材は、
白いきめ細かな肌に似合うダスティピンクのレース、
スカートは会場の光に惹き立つ、鮮やかなローズ色のシフォンに。
 
ブライダルドレスの白に向き合う日々の中
久しぶりに色がアトリエにやってきました。
 
コンサートまでの真剣で大切な数週間の中、
動きを見るために練習の場所へ。
 
仮のドレスを着用し演奏して頂きながらの仮縫い。
仮縫いといえど、
同席したパタンナーと2人の前に、グランドピアノ。
美しい演奏。
なんて贅沢なこと。
 
修正点を書き留めながらも、ついつい曲に惹きこまれ、
うっとり聴きいってしまい、、いやいや、袖ぐりはもう少しゆったりとさせようと
自分との戦いでもあり。

ご一緒させて頂いたお食事では
今までに訪れた海外での演奏のこと、服と音楽について、
着心地はどうかをお話ししながら、
表情など自然な魅力も伝わってまいります。

ドレスにはスワロフスキーを1粒、1粒、レースに縫い付けて。
整列ではなく、リズミカルに。
 
頭の中では静かにピアノの音。

 
いよいよ本番、
ご招待頂いた客席で始まりを待つ間、緊張も高まります。
 
のびやかな空間に音楽と色彩が響き合って。
 
 

手帳から、はみ出したローズ色の生地の端切れが、
黒が並んだ本棚で見えるたび、あの日の音色が聞こえてきます。

 
ピアニストが纏うローズ色のオーダードレス、
私にとっても特別な一着。

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視覚的に作るお菓子と音楽的に作るお菓子

2018-02-12 17:59:27 | 美味なデザート

もうすぐバレンタインデーということで、街では華やかなお菓子が沢山並んでいます。

 筆者(男)の場合、バレンタインデーというと、実は父親の誕生日でして、父に「何が欲しい?」と聞くと、必ず「チョコレート」と答える甘党な父親のせいで、2月14日は、昔から1年で一番チョコレート菓子を買う確率が高い日です(笑)

 

なので「この時期にチョコ買うの嫌だよ、女の人しか居ないよ、格好悪いよ」という辛い少年期を送ったわけですが(笑)、現在は、あまりにもお菓子が増え過ぎて、男が買っていても全く違和感なくなったのは、ある意味良かったなあと思います。

 

写真は、奥左から、筆者自作の自家製柚子のリキュール浸けと自家製フレッシュチーズ(フロマージュフレ)と、ドライプルーンと干し柿・フレッシュな自家製金柑と柚子のリキュール浸け。

どれも、味や香りが立体的になるように様々な工夫がされています。

それから、日本産の紅茶と、プロが作ったチョコレートケーキ

 

 

 

 

お菓子には、視覚的に作る人と、音楽的に作る人が居るそうです。

最近『インスタ映え』という言葉をよく耳にするわけですが、美味しそうに見えるからと言って、美味しいとは限りません。

 

ある時、盛りつけの本を図書館で借りてきて、その本の通りに綺麗に盛りつけてみたところ、口に入れた時に、何もハーモニーを感じることが出来ず、「こりゃダメだ」となりました。

 

 

 

 

今回撮影したお菓子、美味しそうに見えますでしょうか?

 これは、視覚的に美味しそうに見えるように具材を重ねてみたのですが、実は、味はイマイチでした。

 

 チョコレートケーキ、自作のフレッシュチーズ(フロマージュフレ)、フルーツとドライフルーツのリキュール浸け、ユズのリキュール浸けという4つは、それぞれはとても美味しかったのですが、チョコレートケーキの濃厚な甘さとフロマージュフレの酸味が全く合わず、喧嘩してしまっていて、ダメだったのです。

 

それぞれを一つずつ食べると、ものすごく美味しいのにです。

そういうのは、写真では全く分かりませんよね。

 

 

実は、この前にスコーンの上に同じものを載せて食べたのですが、それは美味でした。

全てがバランス良く、互いを引き立てていて、奥行きと深み、酸味と甘みとコクのバランスも絶妙でした。

 

この日オーダーいただいていたお客様にお出ししたのは、スコーンに載せたもので、筆者やデザイナーも、これは美味しい!!となったのですが、つい美味しくて食べてしまい、写真を撮り忘れました。

そこで、急遽チョコレートケーキに乗せて撮影となったわけです。

そうしたら、なんだか、先ほどの美味しさと違うのです。

料理って難しいですよね。

 

この後、重めのパンに載せて食べた時も、やはり美味でした。

この組み合わせは、載せる土台が主張し過ぎない方が美味しいみたいなのです。

  

すごく美味しいものを組み合わせたからといって、必ずしも総合的に美味しくなるわけではありません。

筆者は、お菓子を作る際に、音楽的に作ります。

 

料理の世界も21世紀になてから、少々視覚的に凝り過ぎる傾向(スペインの伝説的なレストラン『エルブリ』が脚光を浴びたころから)にあり、インスタグラムの普及で、それは加速化しているような気がします。 

でも、写真で見て、なんとなく分かった気になっていても、実は何も分かっていない事って実は、ものすごく沢山あります。

 

 

音楽的に料理を作ることと、音楽的に服を作ること、コーディネートを作ることって、実はすごく良く似ています。

 

それは、経験的に、あれこれ試してみて、自分の引き出しを多くしていきながら、身につけていくものです。

当然のことながら、良い体験、良かったことを上手く当てはめて、全体のバランスをとりながら、素晴らしいバランスにもっていけるようにならないと、本当に良い仕事は出来ません。

 

当店で作ったりコーディネートしたりしている服は、視覚的に綺麗なだけではなく、音楽的なハーモニーが感じられることがあるのではないかと思います。

お客様に音楽をやっている方が多いのは、それが感覚的に分かるからなのではないかな?と思います。

ちなみにこの日のお客様も音楽関係の方でした。

 

オーダードレスの場合、その人に合うように、様々な提案をして、確実に良くなる方法で合わせていきます。

だから、仕上がりが確実に良くなるわけです。

 

だから、毎日が様々な修行です。

楽しい修行ですけどね^ ^

 

ちなみに、ドレスをオーダーしていただくと、仮縫いの時などに筆者のお菓子を食べることが出来ますので、ぜひオーダーよろしくお願いします。

 

ドレスが出来上がると、必ずといってよいほど「ごちそうさまでした」という声が返ってくる『おかしな服屋』でした(笑)

 

 

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静かに胸の熱くなる映画 ドリスヴァンノッテン -ファブリックと花を愛する男-

2018-02-02 19:29:26 | May&June
今回は、静かに胸の熱くなる映画
ドリスヴァンノッテン-ファブリックと花を愛する男-について
May&Juneのデザイナー、田中が綴ってまいります。
 
 
先週ドリス・ヴァンノッテンのドキュメンタリーを鑑賞後、
思わずデザイナーの友人へ、メールを送りました。
「アトリエの窓から街並みが見えて、きっと私たちが行った教会の屋根もあったと思う!」
 
学生時代にベルギーデザイナーが創り出す服への憧れが止まらない私たちは、
パリ研修の時、こっそり早朝ベルギー・アントワープへ脱出。
前夜に地図を広げ計画、相談し、パリ北駅から列車に乗り込みました。
 
初めて訪れたアントワープは、大きな建物といえば駅と教会と広場くらいという小さな街。
可愛らしく、穏やかな印象。当時は便利なGPS機能なんてなかったので
ドリスのブティックに辿り着いた時の嬉しさったらなく、
店員さんが服や香水を試させてくれました。
 
 
帰国後には、辞書を片手に拙い英語でラブレターを書きました。
アトリエで働きたいという意志も込めて。
場所がなく難しいとのことでしたが、丁寧な返事に感動したのを覚えています。
 
 
シーズンが終わるとメンテナンスをし、たんすにしまうドリスのニット。
ウエストのスラッシュに、同じくニットのリボンを通し結ぶもので、
コーディネートに合わせてシルエットを楽しめる一着です。
 
映画の中で、「味わい深くなる一着を作りたい、ファッションという言葉は好きではない。」
という一言がこのニットと共鳴します。
 
 
 
あの学生時代の憧れから20年近く、一日もクリエイションを休まずに
憧れ続けさせてくれる服に、活き活きとした気持ちとなります。
 
映画にて広大な庭から室内に飾る花々を詰むドリスの姿がありました。
畑から収穫した葉で自らお料理する場面も。
 
衣食住は生きる上で必要なもの、今は嬉しいことに選択肢がたくさんあるけれど
少し忙しくも感じます。
 
ファッションブランドのドキュメンタリーにありがちな
ドラマティックな展開や事件を追う内容ではなかったから
淡々としている印象でしたが、
それはより真実を帯びて、真摯な姿勢が伝わるものでした。
 
美味しい食事を作る、庭で摘んだ花、布を選び、刺繍を考え、仕上げる、
そしてまた仕上げたものの喜びに美味しい食事を作る、
澄んだ川の水が流れを止めないように、
呼吸をするように、
この循環をドリスは日々静かに。
 
とても良いドキュメンタリーでした。
 
後日、
さぁ、私も素敵な一着をお届けする!という気合いと共に
植物の植え替えを張り切ってしまったのでした。
 
春に向けての気分にもおすすめの一作です。
 
 
【上映中(2018年2月現在):東京都内シアター】
 
ドリスヴァンノッテン-ファブリックと花を愛する男ー
 

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