「ソーシャル」ではない日本のSNS |
米国で主流のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「マイスペース」や「フェイスブック」では、日本人利用者でも大半が本名で登録してプロフィールを公開しているのに対し、日本で主流の「ミクシィ」の利用者はほとんど本当の自分を公開していないと、AP通信が伝えている。日本のSNSは、純粋な「社交の場」ではなく、知り合い同士だけで情報をやり取りをする「閉じた場所」だと指摘している。 「Broadcast yourself(自分を広域発信)」がうたい文句のビデオ投稿サイト「ユーチューブ」でも、米国では自分を撮影した映像が多いのに対し、日本ではペットの動画が最も多いという。お見合いサイト「マッチ・コム」でも、米国では有料メンバーのほぼ全員が写真を公開しているのに対し、日本では半分以下だ。 2004年のミクシィ立ち上げ当初は、多くのメンバーが本名を登録し、写真を掲載していた。しかし、知名度が上がり招待状をむやみに送る利用者が増えたことで、それまでの「友だちの輪」が崩れた。既存ユーザーは偽名を使い、プロフィールを隠すようになった。 そうした日本人同士の仮想現実社会は、現実の日本をそのまま映しているといえる。日本ではよく知らない人には名字しか名乗らない。東京の地下鉄や通りでも、他人同士があいさつを交わすことはめったにない。 逆に、匿名なら何でもさらけ出すという特徴も目立っている。匿名掲示板「2ちゃんねる」の人気は非常に高く、事件発生の数分後にはその話題が取り上げられるほどで、ここでは「自分の意見は胸に秘めておく」日本人の姿はない。 |