東京港もアイドリングストップへ…停泊中は陸から電力 : 環境 : YOMIURI
ONLINE(読売新聞)<http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090111-OYT1T00132.htm?ref=mag>
東京港もアイドリングストップへ…停泊中は陸から電力
<http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20090111-OYT9I00131.htm>
東京都は2009年度から、東京港に入港する大型船を対象に、停泊時にエンジン停止を促すアイドリングストップ事業を始める。
停泊中の船は通常、電源確保のためエンジンをかけたままだが、陸上から必要な電力を供給することで、二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質の排出ゼロを目指す。京都議定書の目標達成計画でも、接岸中の船舶への電源供給は検討課題になっており、都が先行的に実施する。
都は、新年度に日の出ふ頭(港区)で送電施設の整備を始め、早ければ11年度から有料で電源供給。当面、国内船に限定し、電力消費が大きいフェリーや観光船、貨物船など年間延べ約4000隻を対象とする計画だ。
都港湾局によると、東京港への入港船舶は、国内船は年間延べ約2万5000隻、外航船は同約6500隻。港に接岸した船は、船内のエアコンや照明などのため、重油を燃料にエンジンで発電している。このため、停泊中でも、大量のCO2が発生しているほか、硫黄分が多い船舶燃料などの影響で、酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)や、光化学スモッグの原因物質である窒素酸化物(NOx)も排出。東京湾岸では、NOxなどの濃度が区部平均より約3~2割高いという。
都は先月から、独立行政法人「航海訓練所」の船舶3隻を使って、CO2の削減効果などについて詳細な調査を開始。電源供給に必要な船舶側設備の補助も検討する。
国土交通省の試算では、全国の港に停泊する国内船がアイドリングストップを実施した場合、供給する電力の発電で生じる分を差し引いても、現在の約半分、年間100万トンのCO2の削減が可能という。
同省は「大気汚染物質も9割以上減らせるだろう」としている。
都は20年までに、都内のCO2排出量を00年比で25%減らす目標を掲げる。