こんにちは。
私は暑がりなので、カバンには季節を問わず扇子が入っております。
普段用、他所行き用、仏事用、結婚式用、茶席用と。
色々と持っております。
この中で扇子と言う物は扇ぐ、物ですが、扇がない扇子があるのです。
それは、茶席の扇子です。
ではなぜ、持つのか?
そのことを少々お話しいたしたいと思います。
私の習っていた遠州流では、「結界」の意味があるのです。
結界とは仏教用語で、日常性が流れるのを防ぐものを言います。
それが転じて物の仕切りと言う意味に使われるようになりました。
茶席に入る時扇子を置いて一礼をする。
扇子を神社仏閣の門に見立てていると考えれば、解りやすいと思います。
床の間の拝見や御道具の拝見にも扇子を使うのです。
これは、御道具に敬意を表し、自分を一歩控える意味があるのです。
亭主と客との挨拶にも扇子は使われます。親しき仲にもけじめを持つことの表れを表しているのです。
挨拶が終わり、扇子が引かれた時には、仕切りが解かれ了解しましたという意味になるのです。
扇子の歴史は古く、平安時代には朝廷で威儀を正す服飾品となっていたようです。
檜の薄板の一方を綴じた檜扇が使われ位により板の枚数が決められていたようです。
正月の床飾りに水仙の末広
重陽の節句に銀河の末広

祇園祭の7月には長刀鉾の末広
扇子とは呼ばず、末広を飾るというのです。
茶席で広げる事はめったになく、目上に方にお礼をさし上げる時などは、広げた扇子を仮の台にすることがあるのです。
使い慣れていない方が必ずすることがあります。
親骨を持ちバット開くのです。
必ず壊れます。
この間も、酒の席で、良い年した爺さんが、白檀の扇子をバット開いた瞬間に、糸が切れ、弁償するからと、京都の御扇子司に頼んだのです。
糸替えで8000円
手紙にこう書かれておりました。
男持ちの立派な本白檀、大事にお使いくださいと・・・