9日目
今日からロワールに突入
ロワールといえば、ワイン(サンセールなど)もチーズ(クロタンなど)も有名な産地であり、私の様な人間にはとっても有難い地域 。
実は、数ヶ月前にフランスで知り合ったKさんが、ロワールの古城で働いているということで、彼女を訪ねて今回ロワールにやって来たのだ。
Paris(Gare de Lyon)(7:13)
Gien
Aubigny Sur Nere (9:49)
パリからずんずんと田舎道を通過して、田舎っ子の私が落ち着くような小さな町に到着した。益々英語の通用しない世界だなぁ。。。
Gien駅から予定通りバスに乗ろうとバス停を探していると・・・想像していた普通の大きな市バスではなく、旅館の送迎バスみたいな(バスというよりは超大型ワゴン自動車って感じ)がやってきて、まずはビックリ。
バスには始発点(Gien駅)から終点(Aubigny駅)まで、私の他におじさんが1人乗っているだけで、貸し切り状態。
Aubigny駅に着いて友達が迎えに来てくれるのを待っている間、通りがかる地元の人たちが「なんでこんな田舎に日本人がいるんだ?」っていうようなちょっと驚きの目で私を見て一旦は通り過ぎて行くけど、すぐに折り返してきて「泊まるところはあるのかい?」「知り合いはいるのか?」と心配そうに話しかけてくる。田舎はいいねぇ。 Chateau de la Verrerie (ベルリー城)
駅からさらに車で約20分、木のトンネルをくぐって湖の向こうに出現したのが、お友達(Kさん)が住み込みで働くロワールの古城:ヴェルリー城。
パリから約190km南下した所に位置するヴェルリー城。「ヴェルリー」とはフランス語で「ガラス製造」という意味。
絵ハガキで見た通り、本当におとぎ話に出てきそうな、森と湖に囲まれた幻想的な空間。
おとぎ話風に城内ツアーも行われる廊下や歴代城主の肖像画など、至る所で歴史を感じる。
15世紀終盤から16世紀にかけてスコットランドのロバート・スチュワートによって造られたルネッサンス様式のシャトー。現在の城主:ベロー・ド・ヴォグエ伯爵は、今もなおこの城内に住んでいる。併設されているチャペルでは挙式も行われているよ。
当時の壁画が残されている回廊
荷物を置いて早速向かったのは、最近ご近所に引っ越してこられ、Kさんもお世話になっているという日仏ご夫婦(ひとみさん、ミシェルさん)のお家へ そこでランチをご馳走してくださるとのこと。
リビングには暖炉があり、窓からの眺めも最高!理想のお家
まずは暖炉の前で食前酒(泡)を頂き、テーブルに移ってひとみさん特製ランチを
おネギ with特製ソース じっくり煮込まれた特製カレーライス
この地域で有名なチーズ:「クロタン」 ぜんざい
和食を恋しがっている私達のことを思って、日本の懐かしい味をそろえてくださいました。美味しすぎてついついお代わりまでしてしまい、「あ~もう動けない」
愛犬タローちゃん。珍しい客に興奮してはしゃぎ過ぎ・・・(翌日吐いてしまったらしい・・・)
優雅に団欒をしていると、突然激しくミゾレが降ってきた!と思ったら次の瞬間には晴れて
、また次の瞬間には雪
。。。曇⇒雨⇒晴れ⇒ミゾレ⇒大雪⇒晴天・・・
一日のうちにこんなに激変する天気は初めて。フランスもやっぱり異常気象だね。
突然激しく降り始めた雪(ミシェル&ひとみさん邸のお庭)
お城の部屋からの眺め。まだ雪が降ってる
お城でお姫様の夢でも見ます
8日目
今日はパリでのんびりな一日。まずは・・・ Bercy Village
その昔、ワイン倉庫街だったところをショッピングモールにしたという、ちょっとオシャレなニュースポットへ。フランスならではのショップやカフェ・レストランが軒を連ねている。
オシャレな店が連なる Bercy Village ランチ
老舗ワイン専門店『NICOLAS』のレストランを発見したので、こちらでランチを
「ニコラス」のレストラン ランチコース(ワイン+前菜+メイン)19.8€
カモのフォワグラ 浸しカモ肉とレンズマメサラダ
『Verre Graves 2005』 Ch.Roquetaillade
さすがワイン専門店、鴨にピッタリくるワインでした。
さて、午後は達と待ち合わせ。友達といっても、実は先週参加したパリの試飲会(老舗ドメーヌの会)の時に知り合ったばかりの女の子(Junちゃん)。その時は少し話しただけだったけど、
「また来週、ボルドーからパリにもどってくるから・・・」といってメールアドレスを交換していた。それからすぐに連絡を取り合って、今日会うことになった。
パリ観光は未だにまともにしていないけど、自由な時間があればチーズやワイン情報のある場所を探し求めたり、人に会ったりしているほうがずっと楽しいしね。
今日はJunちゃんの彼氏(T君)もご一緒に。
2人ともフランス在住なので、Paris音痴の私も安心。待ち合わせてまず向かったのは・・・ボルドーセカンドワインの試飲会
。昨日まで散々ボルドーでワインにまみれていたのに、パリに帰ってもやっぱりワイン漬け(笑)。望むところだわ
ワイン専門店の外で試飲会
なぜか吐き出しバケツがなくて、ちょっとキツかったけど・・・セカンドワインをこんなにまとめて比較試飲できる(しかも無料)ことなんて滅多にないから、嬉しいわぁ
。
ところでJunちゃんT君カップル、ちょっと面白い。2人ともワイン好きでもあるけど、とにかく食好き!私と一緒じゃーん♪ しかも・・・ T君はパリの3つ星レストラン「ルドワイヤン」で、Junちゃんはフランスの日本料理店で初めて星を獲得した「あい田」で働いているのだ。すごいねー。
「ルドワイヤン」などの大きなレストランの厨房では、「魚料理専任」「肉料理専任」などと担当が決まっているらしい。料理人のT君は、自分の調理の出番が少ない日は物足りなさを感じて、仕事の帰りに「今日は帰ったらアレを作るぞ!」とか考えたり、仕事から夜中に帰っても、新しいメニューや調理法のアイディアが頭に浮かんでくると深夜から作り始めたりするらしい。本当に料理が好きなんだね。
パリのすっごい大きいワインブティック(SHOP)。有料でワインテイスティングができるコーナー(↑写真)
3人でパリのグランドホテル1階ロビーのカフェへ。高級ホテルに泊まることはできないけど、カフェ位なら入れるもんね~
。しかし天井が超高くてめっちゃ気持ちいい。ちょっとセレブな気分
。フフフ
すっかり夕方になって、そろそろ帰ろうかという時に、
「もしよかったら、今晩うちに食べに来ない?」
と2人が誘ってくれた。夜は1人でテキトーに食べるつもりでいたから超嬉しいぃ。なんて優しいの
という訳で、一緒に夕食の買い出しに行って、図々しくお邪魔させていただくことに。
2人が早速料理作りを。私は覗き込んでアレコレ質問しまくる邪魔係。。。
流石料理人!家の小さなキッチンでも、レストランの様に手際良く本格料理を次々と作っていくT君。食材もいいモノをお使いで・・・見ているだけでヨダレが・・・
(左)炙りサーモンとホワイトアスパラ with特製ソース 今日の試飲会の時に購入したシャンパン
(右)ブルスケッタ
盛り付けも流石!お魚~ グレフルの紅茶ゼリー ヨーグルトシャーベット添
時間を忘れてすっかりくつろいでしまい、終電間際に地下鉄でホテルへ。
それにしても、また素敵な友達ができて嬉し~わ~
2人は将来日本でお店を開きたいという夢をもっていて、現在修業中。
日本に帰って来たときには、私が応援隊長になるよ
7日目
ユニオン・デ・グランクリュのテイスティングマラソンも昨日で幕を閉じ、今日は有名シャトーをのんびり訪問 Chateau Margaux (シャトー・マルゴー)
1855年の公式格付けで第1級に選ばれた女王シャトー。重要文化財にも指定。
シャトーを囲むようにマルゴーの畑が。そこには透明な丸石がコロコロ。
表面の草花は葡萄の成長に直接影響はないが、作業の邪魔になる為、掘り起こして根を削ぐんだとか。
シャトーに向かって真っ直ぐ伸びる、気に囲まれた道。 Chateau Beychevelle (シャトー・ベイシュヴェル)
庭中央には、ベイシュヴェルのラベルにも描かれている「帆」を下げた船の像が
ゴルフ場の様な庭園にため息が出ますな・・・ Chateau Lagrange (シャトー・ラグランジュ)
日本企業による買収(1983年)で、名実共に飛躍的に向上を見せた名門シャトー。
数年前までは、ここの湖には「白鳥」が泳いでいたけれど・・・
無理を言って、椎名副社長に畑と製造工程をご案内していただきました。
椎名さんがワインのプロであることは言うまでもないけれど、日本側責任者として、ワインの本場:ボルドーで、現地のワインのプロと対等に意見を交わしながらこのBIGシャトーを作り上げていくということは、どれほど大変なことか・・・ 終始尊敬のまなざしで見てしまいました
グランクリュ最大の面積をもつブドウ畑 樽塾庫。樽腹部分もも美しくワイン色に染まって・・・
仕立てを以前より高くするなど、試行錯誤の上さらに技術向上し続ける・・・世界のトップシャトーという座に驕らず、努力を絶やさない姿が節々に見られた。
瓶詰め室。今まで見た中で最も衛生管理された最新設備!既に買い手が決まっている為、熟成される前に出荷梱包
製造されたワインのうち、なんと90%がプリマーで買い手が決まってしまうんだって。なんて理想的なビジネス!その為、瓶熟はここのシャトーではなく買われた先(ネゴシアン)で行われるという。だからすぐに出荷用の木箱へ入れられる(写真上右:倉庫)。
テイスティングルーム
<テイスティング>
① Les Fiefs de Lagrange 2007
② Chateau Lagrange 2007
③ Les Fiefs de Lagrange 2006
④ Chateau Lagrange 2006
⑤ Chateau Lagrange 1992
⑥ Chateau Lagrange 1991
⑤⑥は、古いヴィンテージの比較といして開けてくださった。
1991年は「霜の害が有り収穫量が少なかったけど、丁寧に作ったモノは濃縮感が出てよかった」、1992年は「腐敗率がとても高く、ここ25年間で最も難しい年(84年、87年、92年)の1年だった」とのこと。
ヴィンテージとしてはどちらとも難しい年だったようだけど、約16~17年経った今でも(果実由来ではなく)樽熟由来の美味しさが十分に楽しめるもので、ビックリした。
やっぱり、日本人の真面目らしさ、裏切らない質の高さがワインに純粋に表れているなぁ~と思わせるシャトーだったねぇ。
ちなみに・・・
フランスでは、普通の家でも地下CAVEが常設されてるんだって!(もちろん100%ではないよ!)
ワイン泥棒ってのもいて、高い値がつかないものには手もつけず、お高いワインだけを持って行っちゃうという。ワイン大国ならではだね。
プロに囲まれて過ごしたこの旅で、改めて、一つの物事を極めることの「難しさ」と「強さ」を身に沁みて感じた。プロフェッショナルって、仕事が絡むと当然大変そうだけど、それ以上に楽しそうでカッコいい。私もなりたいな~、チーズのプロフェッショナルに
。
ボルドーで過ごした超ディープで貴重な4日間を終えて、先生とはここでお別れ
めちゃくちゃお世話になりました 先生、来年も行きたいなぁ~~~
Bordeaux
Paris
私はひとり、パリへ戻りま~す。明日からはちょっと違う旅が続く予定。でも、いつも予定は未定。適当にやります、はい。
菜の花畑が続く、続く・・・(ボルドーからパリに向かう車窓から)
~ 続き ~
左岸
右岸
概してジロンド川左岸のシャトーは本当に大きな「お城」という感じだったけど、一方右岸は、一つ一つのシャトーが小さめで、左岸に比べて派手さもない。 Jean-Pierre Moueix (ジャン・ピエール・ムエックス)
ジャン・ピエール・ムエックス
右岸および北側にあるポムロール、サンテミリオン、カノン・フロンサック、フロンサックの赤ワインのみを専門的に扱っている、ジャン・ピエール・ムエックス社。
こちらの社長、クリスチャン・ムエックス氏。ワイン会では知らない人はいない、シャトー・ペトリュスのオーナー。『Man of the Year 2008』にも輝かれました。
クリスチャン・ムエックス氏。この笑顔、偽物ではありません!
このクリスチャン・ムエックス氏、なんと腰の低い謙虚なお方だこと!いい意味で、“有名社長”オーラは感じられず、終始朗らかに周囲に気を遣われていた。しまいには私達なんぞに社長自らワインを注いでくださる始末。恐縮です
今まで飲む機会などなかった、雲の上のワインを次々と試飲させていただき・・・
鳥肌が立ちました。
もう「美味しい」としか言葉が出ない・・・
冷静なテイスティングになってなくてスミマセン
<テイスティング>
Ch. LA SERRE
Ch. MAGDELAINE
Ch. BELAIR
Ch. PLINCE
Ch. LAFLEUR-GAZIN
Ch. LA GRAVE
Ch. BOURGNEUF
Ch. LATOUR
Ch. LA FLEUR-PETRUS
Ch. PROVIDENCE
Ch. HOSANNA
Ch. CERTAN DE MAY
Ch. TROTANOY
Ch. PETRUS
Ch.ペトリュス ペトリュスの畑でもつぼみが ディナー
ボルドー最後の夜。グルメな地元人、そしてワイン関係者が集まるというコチラへ
大通りから一本小道を入った、ちょっと隠れ家的レストラン
店を入ると、まず正面で鶏が暖炉の前でクルクル回りながら焼かれていて、いい香り。地下には大きなワインCAVEがあり、ワイン通をも満足させるワインが揃っているご様子。
暖炉でジリジリと焼かれている鶏さん。大きな鉄鍋も風情満点!
ソーテルヌとフォワグラを合わせていただきました。マジ、唸るのみ・・・
ホワイトアスパラガス フォワグラ(ココット風)
『CLOS DU MARQUIS』
『Ch. Leoville las Cases』(第2級)のセカンドラベル。私の思い出の一本になりました。
とろける子羊(ポイヤックは子羊が有名!これは違うけど。)
クレマカラタナ ナッツのアイス
このレストランは本当にお薦め
今度またボルドーに来る機会があれば、ちょっと奮発してでもまた来たいなぁ~。
La Tupina @Bordeaux
ボルドーの夜(教会)
6日目
今日はある方のご紹介で、なんとメドック第1級の「ラフィット」と「ムートン」のプリムールテースティングにも特別参加させていただけることに Chateau Lafite Rothschild (シャトー・ラフィット・ロートシルト)
Ch,ラフィット・ロートシルト
<テイスティング>
Carruades de Lafite 2007
メルロ44.5%+カベソー49.3%+カベルネフラン4.5%+プティベルド1.7% Chateau Duhart-Milon 2007
メルロ26.5%+カベソー73.5 Chateau Lafite Rothschild 2007
メルロ15%+カベソー84%+プティベルド1%
まず、全てはFirstブランド『ラフィット・ロートシルト』の為に。今年の配合比率からみて、カベルネソーヴィニョンがよく熟した年と言えるのかな。
私なんぞがコメントするのもおこがましいけど、一言で言うなら、素晴らしく奇麗なワイン。色も、香も、タンニンも、とってもエレガントで美しい。サラサラしているんだけど凝縮感がズバ抜けていて、飲んでいて“液体”ではないみたいな錯覚を覚えた。 Chateau Mouton Rothschild (シャトー・ムートン・トートシルト)
ムートンと言えば、このラベルでしょう↑ 美術館のように美しく並べられた樽
<テイスティング> Mouton Rothschild 2007
Le Petit Mouton de Mouton Rothschild 2007
Chateau Clerc Milon 2007
Chateau D'aemailhac 2007
あちこちに「ムートン(羊)」がいたよ 観光地化された庭・・・
比較して言われる、ラフィットは「エレガントで貴婦人の様」、ムートンは「着飾ったちょっとケバイ・・・」という表現がとてもしっくり呑み込めた(笑)ワインの味だけでなく、シャトーの雰囲気からも。。。ムートンさん、下品な表現でごめんなさい。どちらも「美味しい」では片付けられない偉大なワインだけど、ワインの味だけで言うと個人的にはケバいムートンの方が好みかなぁ。
コス・デストゥールネル(サンテステフ) 咲き始めてたよ~
ここから「サンテステフ」ですよの看板(ポイヤックとの境) 思った以上に川幅が広くてビックリしたジロンド川
沼地の様にドロドロ・・・釣り人も。 ランチ
プリムール・テイスティングマラソン 期間中、各シャトー会場ではランチが振舞われる。それぞれシャトーのイメージがかかっている為、どこも気合の入った食事が揃えられていた。本日はCh. ポンテ・カネで
メインは口の中でほどけるお肉 チーズもこんなに!好きなのを好きなだけ注文できるの!
折角の豪華ランチ、ゆっくり堪能したいところだったけど・・・午後のアポイント時間が迫っていた為、駆け足で掻き込む チーズなんて悠長に食べている暇はないところだったけど、皆さんが気を遣って「折角だから貰って来い
」と言ってくださったので、メインはそこそこにして、ダッシュでチーズを大量に貰ってきた
。
さて、お次は右岸へ大移動
つづく・・・
5日目
本日はCh.ラグランジュの副社長:椎名さんにご一緒していただきました。これまた恐縮です・・・
《会場④》 Ch. Petit-Village
〔試飲ワイン〕ポムロール
シャトー・プティ・ヴィラージュ
《会場⑤》 Ch. La Couspaude
〔試飲ワイン〕サンテミリオン
シャトー・ラ・クスポード 試飲会場の様子 まだ未熟のワインを試飲する時のチェックポイント
違和感の香がないか(もしあれば、数年後にいいものになる可能性はない)
今の段階(未熟成状態)を考慮した上で、バランスをチェック
飲み終わりのグラスを嗅いでみる・・・
すると、その“酸化香”で将来の姿を計ることができるんだって。
ここの会場で一番気に入った 「Ch. Canon-la-Gaffeliere」
もうひとつ、この試飲会に実際に参加することの意義・・・
先生:「飲むだけでなく、会場の雰囲気を感じることも重要」
ふむふむ 。
先生:「例えば、ブドウの出来が最高と言われた猛暑の年、2003年なんか、この試飲会場はどこも“試飲会”というより“お祭り騒ぎ”みたいな盛り上がりだったんだ。『いくらで買うんだい?』みたいな強気な感じでね。今年はもっと出来が悪くて暗い雰囲気かと思ったら、最後の挽回で、『意外に良かった』という声がとても強くて驚いたよ。」
一言では語れんねぇ。
《会場⑥》 Ch. Larrivet Haut-Brien
〔試飲ワイン〕グラーブ
ペサック・レオニャン
シャトー・ラリヴェ・オ・ブリオン ランチでこんなチーズサービスが!(注目ポイントが間違ってるって??)
この3日間の試飲会で口にするワインは、アドバイザーの試験で暗記したっきり「一生飲む機会はないかもしれない・・・」と思っていたTOP級のものばかり。こんな大物ワイン達をズラリと並べて口にすることができるなんて夢のよう。
と言いたいところだけど(夢のようであることには違いないけど)、「お食事と一緒に座って優雅に味わって・・・」というわけではなく、並べられてたワインをリスト片手に端からひたすら口に入れては吐き出すので、本当に“ワインマラソン”という言葉がピッタリなくらい、結構辛いものがある、実際は。何が辛いって、一日に100種類近くのワインを試飲していると、口の中が葡萄のタンニンに支配されて、何を飲んでも訳が分からなくなる。特にボルドーのワインはね。せっかく高級ワインを口に含んでも、口の中は既に渋々で判断不能
。残念無念。(ゴックンしないので、酔っぱらいはしないよ。勿体無くて吐き出したくない時も多々あるけど
)
《畑》 同じボルドーの畑でも、地区や所有者によって全然違うね!
Ch.ラ・クスポード向かいの畑(サンテミリオン) Chラリヴェ・オ・ブリオン 向かいの畑(ペサック・レオンヤン)
<おまけ>
2003年に開通したボルドーの トラム 巡礼の道マーク(道に埋め込まれている)
ここもサンティアゴ巡礼の道通過点なのよ!ここからレオンまで続きます。
ホテル近くの大型ショッピングモール内のスーパー(チーズ売り場)。
仏のスペイン国境が産地のA.O.C.チーズ「オッソー・イラティ・ブルビ・ピレネー」。
私の大好物。こんなにも沢山の種類!
夕暮れ @ボルドーの湖 新・世界遺産 ~月の港ボルドー(Port of the moon)~
ここボルドー、実は2007年に新たに『世界遺産』に認定されたばかりのホットなスポットなのだ!
詳しくはコチラ 『月の港 ボルドー』
ポン・ド・ピエール(ピエール橋):ナポレオンの命により造られたボルドー最古の橋
歴史をそのまま残した様な趣のあるガロンヌ川沿いの街 ディナー
ボルドー通の大先輩に連れて行って頂いたのが、ガロンヌ川沿いにある夜景も素晴らしいコチラのレストラン
新鮮な魚介類がドド~ンと!
フランスでこんなに新鮮な魚介が食べられるとは思わなかったよぉ。やるねぇ、ボルドー
FERNAND @Bordeaux


Paris



ボルドーに初めて踏み入ったよ~


生憎の曇り空ですが・・・どこまでも続くボルドーの畑感動!


本日から3日間、みっちりと挑むテースティング会は・・・





《会場①》 Ch. Pontet Canet
〔試飲ワイン〕





ポンテ・カネのシャトー ディズニーランドの様な熟成庫・・・


階の試飲会場 試飲の様子(部屋を囲むようにブースがある)
私:「どれも美味しくて、こんなにも多くの大物ワインをどうやって試飲して
いけばいいか分かりません

先生:「今の時点ではまだ香りも味も開いていないから、そこは気にしなくていい。
それよりテイスティングの経験の絶対数が少ないから、今日はとにかく数を
こなして、段々上がっていくランクの変化を感じなさい。」
私:「ははぁー

ワインの生き字引である先生が私に専属で付いてくださって、「ブドウ」「土壌や気候」「シャトーの特徴」などなど、色々なことを説明してくださりながら、さらに質問すれば何でも即答で答えて下さるという、贅沢極まりないテイスティング訓練。
《会場②》 Ch. Lascombes
〔試飲ワイン〕


ラスコンブの樽熟室
《会場③》 Ch. Desmirail
〔試飲ワイン〕



Ch.Desmirail 黄金に輝くソーテルヌが勢ぞろい!
ソーテルヌを1日でこんなに試飲したのは初めて。
造り手何人かに2007年の出来をインタビューしてみると(もちろん私じゃなく通訳さんがね・・・)、口をそろえて「難しい年だったけど、最終的には盛り返してよく出来た」と言っていた。つまり、夏の天気が悪く一時はとても悲観的な目もあったけど、秋に天候のよい日が続き「インディアンサマー」が訪れたため、収穫期は結果良好だったという。
先生の評価は、
先生:「作り手の実力の差が顕著に表れている」
と。
先生は毎年このテースティング会に参加されているので、この多くのワイン全てについて前年との比較が出来るのだ。その経験と勉強の蓄積といったら・・・計り知れない。

ボルドーの大聖堂




シェーブルサラダ 半生馬肉(?)のハンバーグ風・・・



Beaune





信じられない程、スゴイ経験をさせていただいております

今日参加させていただいた「老舗ドメーヌの会」というのは、1901年創立という古い歴史を誇る協会:Les Domaines Familiaux de Tradition主催のブルゴーニュワインのプロ向けテイスティング会。会場はパリの3つ星レストラン『ルドワイヤン』。
毎年この時期に、3年前のミレジム(つまり今年は2005年vin)のテイスティングを行っている。何が凄いって、28の参加ドメーヌの顔ぶれ。ワイン好きが聞いたら、きっと驚く・・・
ワインは大好きだけど、超高級ワインには全く疎い私には、勿体無い・・・


会場の「ルドワイヤン」
昨日訪問させて頂いた「ドメーヌ・シモン・ビーズ」のパトリックさん(旦那様・醸造家)がこの会の発起人でもいらっしゃり、千砂さん(奥様)もお手伝いに来られていた。黒いスーツに赤い靴が似合う千沙さんに、また惚れた(笑)。
ここで何が分かったかというと・・・「自分がいかにワインのことを分かっていないか」ということ







マドレーヌ寺院 ワイン専門店「NICOLAS」本店

ガール・ド・リヨン駅(1900年万国博覧会の時に建設された)

~ 続き ~
続いて向かったのは・・・ Alex Gambal (アレックス・ガンバル)
橋本さんのお勤め先に特別潜入!
橋本さんも10数年前にワインに魅せられ渡仏。そして猛勉強の後、こちらのワイナリーに入られました。
こちらはネゴシアンで、午前中に訪問したドメーヌ「シモン・ビーズ」とはまた違って面白い。 ネゴシアンとは・・・
沢山の農家からブドウやワインを買い集めてそれぞれをブレンドし、一つのブランドとして輸出・国内販売しているワイン商社。 ドメーヌとは・・・
ぶどう畑の所有者が、栽培・醸造・瓶詰まで一貫して行う。
『アレックス・ガンバル』 ピカピカに光るほど掃除の行きとどいた醸造所
CAVEへ・・・ 橋本さんのおススメを比較試飲
畑違いのワインを、こんなに沢山同時に比較試飲できるなんてとても貴重な経験!
それから、プロのお3人さんのコメントを聞くのがとても興味深いのよ~
「これはまだマロ中だけど、1年後は・・・ウンヌンカンヌン」
プロは、まだ製造・熟成中の未熟なワインを利いて、将来の完成品の姿を見極めなければならない。一方、私は、出来上がった完全なワインを飲んでも、まともな評価が出来ない 先が長いね・・・その方が楽しみも長いってことで。
それにしてもこの橋本さん、さり気無くトークが超面白くて、一緒にいるだけで腹筋が鍛えられるのよ。とっても頭の回転が早い天才肌の方だとお見受けしました
。
続いて、ボーヌの街から約20分走ったところにある、橋本邸(新居!)へ
幼稚園生のアリスちゃんと、3才のエドワード君、そして奥様が出迎えてくださった。エドワード君は、珍しい来訪者に大興奮で、走ったり
とび跳ねたり
しながら終始満面の笑顔。
設計から始められ2年前に完成したというこの新居には、橋本パパがワインの樽材を使って作った素敵な家具も沢山あり、広いお庭には家庭菜園も。温かい雰囲気の家に、家族皆が「楽しく思いっきり人生を楽しんでいる!」という感じで、見ていてとても気持ちのいい家庭だった。いいね~こんな家族
樽をぶつ切りにした台に、コルクの縁取りにあしらったコルク板のテーブル
樽板と樽の特大コルクを使ったコートハンガー こちらも樽を分解して作ったさり気無い靴棚
ホワイト&グリーンアスパラ (全員の好みに合わせて、色々な茹で加減で熱々をサービスしてくださった)
数日前から煮込み始めて下さっていたという「オックステール煮込み」 味が染み込みまくっている劇旨野菜
(左)私の為にわざわざ揃えてくださった豪快なチーズさんたち「モンドール」・「コンテ29ヶ月」・「エポワス」
(右)バニラアイスを添えて、カリカリ感がとっても美味しい「アップル・クランブル」
Charmes-Chambertin Grand Cru 2000
Clos de Vougeot 2001
「シモン・ビーズ」の秘密のCAVEから持ち出された謎の1本。本日到達せず。(次回にお預け?)
橋本さん:「腹が減ったり、喉が渇いたら来てくれ」
と仰ってくださったので、お言葉に甘えて本当本当ににまたお邪魔しますよ~。(私に社交辞令は通用しませんから!)
ボーヌにまた、とっても素敵で超強力な頼れる人が出来て大感激。
素晴らしい方々を紹介してくださった先生に心から感謝
2日目
朝、ホテルまでお迎えに来てくださったのは、フランス在住歴10年の橋本さん。実は前職場の先輩です(期間は被ってないけど)。
ボーヌ
サビニー・レ・ボーヌ村
そして、なんと、本日訪問するのは・・・ Simo Bize et Fils (ドメーヌ・シモン・ビーズ)
こちらのドメーヌにはちょっとした思い入れがあった。 1年半前にサチとボーヌに来た時、レストランで「折角だからいいモノを飲もう!」と言って頼んだのが、このシモン・ビーズの“プルミエクリュ”だった。
それから、東京で慕っていた悦子さん(チーズとワインの専門家。東京でワインバーをOPEN。元々旦那さんが根津でBARをされていて、チーズ好きの私に奥様:悦子さんを紹介してくださったのがきっかけ。)がシモン・ビーズの品質の高さを絶賛されていて、収穫期にはわざわざボーヌにまでお手伝いにも行かれている程だと聞いたのだ。
知る人ぞ知るこのシモン・ビーズの醸造家はパトリック・ビーズさん、そして奥様はなんと日本人(千砂さん)なのだ。
元々外資系の銀行でお勤めだった千砂さんも、ワインに魅せられて渡仏したという経緯でした。大学の先輩ということで(千砂さんは大学のミスに選ばれた程の才色兼備!私とは雲泥の差ですが・・・笑)、さらに勝手に親近感が
と言うわけで、憧れのドメーヌ、憧れの千砂さんに会えてちょっと興奮気味の私。
(左)立派な製造・熟成所(地下はCAVE)
(右)お隣さんの敷地には、(軍)飛行機コレクションなんてものが無造作に(笑)
早速CAVEに行って比較試飲。3人の大プロに囲まれて、私はひたすら飲んて、飲んで、聞いて、飲んで・・・
先生:「まずは経験だ」
トンチンカンな質問をしても、先輩方が優しく教えてくれるのであります
CAVE内で千沙さんにエスコートしていただき試飲
(左)噂の美人女将:千砂さん (右)昔使っていた農具。パトリック博物館行きになることでしょう
(真中)ピジャージュのお手伝い、いつか来たいな~
ちなみに、宇宙の実験に持って行かれたワインも、ここのワインなんだって!(宇宙飛行の実験模様の写真があった)
家に戻ってランチ
ムース・ド・フォア・ド・カナル 【ブルゴーニュ名物】ジャンボン・ペルシエ
(カモレバーのムース) (ハムのアリゴテ煮 パセリ寄せ)
合せていただいたのは2006年vin のこちら
Savigny-les Beaune 2006
Savigny-les Beaune 1er Cru ~Aux Vergelesses~ 2006
Savigny-les Beaune 1er Cru ~Les Marconnets~ 2006
私、改めて、「シモン・ビーズ」の白が大大大好き ブルゴーニュの数ある大物ワインの中でも、多分一番好きだなぁ。
千砂さんの手料理が食べられるなんて、なんと贅沢な
千砂さん特製キッシュ わざわざ用意してくださったチーズ「シトー」、「ブリー」
驚いたことに、こちらのおうち、なんと築1850年だと
お庭にさり気無くこんなものが↑
何が楽しい、嬉しい、面白いって、千砂さんの人生話。個人情報なのでここでは割愛しま~す 千砂さんの著書
『ブルゴーニュワイン村で見つけた世界でいちばん贅沢な生活』
つづく・・・