【ダーバン(南アフリカ)江連能弘】W杯日本代表は、19日に当地で1次リーグE組第2戦のオランダ戦を行う。試合前日の18日にチャーター機でダーバン入りした日本は、試合会場の芝生の状態が悪いとの理由から、同日午後からの公式練習は市内の別会場で約1時間実施。
オランダの攻撃力は出場チーム中、トップクラス。第1戦のカメルーン戦以上に、守備の踏ん張りが求められる。これまで、中盤の底に守備専門のMF、「アンカー」を置く形で守備が安定しており、その布陣を継続するものとみられる。
4日の強化試合、コートジボワール戦で右ひざを痛めたDF今野(FC東京)を含め、岡田監督は「(使える)めどが立っていない選手はいない」と話す。カメルーン戦でMF阿部(浦和)は警告を受けており、さらに警告を受ければ第3戦は出場停止となる。こうした要素も考慮されるため、初戦から先発や布陣が変わる可能性もある。
◇強豪オランダ攻略のポイントは…
オランダで警戒すべき選手を問われた岡田監督は「ファンペルシー、スナイダー、エリア……。言っていくと全員になっちゃう」と話した。それが大げさではないほど個々の選手の能力は高く、日本との実力差はかなり大きい。破壊力のある攻撃陣を、いかに封じるかが焦点となる。
遠藤(ガ大阪)が「間違いなくキーパーソン」と名前を挙げたのが、トップ下で攻撃陣を操る司令塔スナイダーだ。阿部(浦和)は「スナイダーはボールに触りたがる」と言う。実際、初戦のデンマーク戦ではチームのパス576本中、最多となる74本のパスを出しており、攻撃の起点となっている。スナイダー対策は欠かせないだろう。
守備だけではなく、攻撃もできなければ苦しくなる。初戦のカメルーン戦は勝ったとはいえ、シュート数はわずか5本にとどまり、CKは0本だった。日本の攻撃で武器となるセットプレーの機会を作れていない。大久保(神戸)は「今の日本はカウンターが武器。でも、そのカウンターができていない」と言う。相手陣内深くまで攻め込み、そこで仕掛けてセットプレーを得るような鋭い攻撃をするには、「守」から「攻」へ素早く切り替えることが求められる。
オランダとは大敗した昨年9月以来の対戦で、勝ち点が計算できる相手ではない。岡田監督は「選手が勝ち点3を取りに行こうと言っているのに、監督が得失点のことは言っていられない」と言うものの、建前と本音は別。打ち合いを避け、「損害」を最小限にする戦い方も状況によっては必要だろう。いずれにしても、初戦で見せたような球際の強さ、運動量が最低限必要なのは、言うまでもない。【江連能弘】
◇日本の1次リーグ突破が決まるケース
日本がオランダを破ると勝ち点6となり、カメルーンがデンマークに勝つか引き分けると、第3戦を待たずに日本のE組2位以上が決まり、16チームによる決勝トーナメントに進出する。
カメルーンとデンマークが引き分けると、ともに勝ち点1で日本を上回れない。カメルーンが勝てば、オランダとともに勝ち点3で第3戦を迎えるが、両チームは直接対決するため、そろって勝ち点6にはならない。
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