競馬最強馬列伝

日本競馬史上最強馬どの馬か?
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マルゼンスキー3 ~悲運の持込馬~

2009-09-03 | 無敗馬列伝
マルゼンスキーの逸話として有名なのが、主戦騎手だった中野渡騎手が「賞金なんか貰わなくていい。28頭立ての大外枠でもいい。邪魔なんかしない。頼むから出してくれ。そうすれば、どれが日本一かわかる」と語ったことである。

今の競馬ファンには分からないかもしれないが、マルゼンスキーは当時持ち込み馬として、外国産馬(今ではかなり走れるレースも増えているが・・・)と同様の扱いをされていたのである。持込馬とは、お腹に子供のいる母馬が海外から輸入され、その母馬から生まれた子供のことである。

実際、古くはマンノウォーから始まり、ダービー馬ヒカルメイジや天皇賞馬タイテエムなど、マルゼンスキーの産まれる以前の持込馬は内国産馬として走っていた。しかし活馬(生きている馬)の輸入が自由化となった昭和46年、内国産馬保護政策により、輸入自由化以降の持込馬については外国産馬と同様の出走制限を受けることとなってしまうのである。
この政策は昭和59年にはなくなり、それ以降は内国産馬として走ることができるようになった。例えば、ダービー馬のフサイチコンコルドやキングカメハメハ、天皇賞馬のサクラローレルなどがその代表格と言えるのでは無いだろうか。

そんなこんなで、持込馬はダービーなど、日本の主要なレースには出られないと言う悲惨な目にあってしまうのである。

そこで出てきたのが、冒頭に紹介した

「賞金なんか貰わなくていい。28頭立ての大外枠でもいい。邪魔なんかしない。頼むから出してくれ。そうすれば、どれが日本一かわかる」

だったのである。



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