競馬最強馬列伝

日本競馬史上最強馬どの馬か?
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マルゼンスキー2 ~誕生~

2009-09-02 | 無敗馬列伝
「おしりの大きなメスはいい子を産む」

マルゼンスキーの生産者は、早来のマルゼン橋本牧場の橋本善吉で、馬主でもある。スピードスケート及び自転車競技の元オリンピック代表選手の橋本聖子はその娘である。

橋本善吉は『牛のハシモト』として海外でもその名が広く知られた牛の仲買商であった。この橋本が、故(ゆえ)あって、アメリカのキーンランドの競り市に行くこととなる。そこで見つけた馬がニジンスキーの子を身ごもっているシルであった。
バックパサー産駒の牝馬シルは不出走ながら、その母は米牝馬二冠を制し、繁殖牝馬としても愛米のビッグレースを勝ったコーカサスを出すなど大成功した名牝キル。もちろん、父親のニジンスキーは誰もが知っている世界最高の名馬である。

ただし、橋本自信は、このこのシルが実際にどのような良血馬かなどはセリが終わるまで一切知らなかったと言う。
橋本は、ただ今まで牛で培ってきたその目で、このシルの腰回りを気に入って競り落としたというのである。「おしりの大きなメスはいい子を産む」これは、牛の世界で言われている格言のようなものであるらしい。
とはいえ、このシルをセリ落としたのは、恐らく血統や知識云々ではなく、橋本氏自信の動物を見る先見眼そのものがもたらしたものなのであろう。

やがて、子を身ごもったシルが日本にやってきた。そうして生まれたのがマルゼンスキーなのである。


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