時評が語るその時代

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それホント?ウソ?…真実はこうだ(31)

2023年01月06日 | 日記

賞与(ボーナス)は、支給されて当たり前で給与所得者の権利だ・・・ウソです。日本で働いている私たちは、夏冬賞与の存在に慣れていてあたりまえだと思うかもしれません。世界的には年俸制度(月極基本給や手当、賞与の区別はない)がほとんどです。給与と手当で構成された月極め報酬に夏と冬に決まって賞与を支給する給与方式は世界的に珍しいのです。そして月給基本給と手当(支給条件保有者のみ)は、事業所(会社等)が従業員(社員等)に法律上保障する義務が有りますが、事業所に賞与を支給する義務はありません。日本に賞与が根付いているのは、古くは終身雇用制度下の盆・正月のお手当の風習です。近年は、事業所がその利益を一時金として従業員に還元する方法として使われています。経営者からすれば業績が下がった際の安全弁として使える便利な報酬となったわけです。結局、事業所(会社等)に支払義務のあるのは月給の基本給だけで、手当は手当支給条件を満たした者だけ有限の期間支払われ、賞与については誰にどれだけ支給するかなど事業所の裁量で決められ、従業員個々に権利はなく支給されるか否かに何の保証もないのが現状です。

コロナ禍でホームワークが奨励され多くの人が、出社せず自宅で仕事をしていると云う。会社には出社せずそれ以外の所でインターネットなどを使ってリモートワークする人も増えているらしい。農業の私にはそんな事で仕事が出来る人が多くいるなんて信じられない・・・人間が生きていくために行うのが仕事です。他の動物で言えば餌を確保する行為です。したがって歴史的には元々全ての人が現場作業者でしたが・・ここ数百年の間に効率的効果的に仕事をするために分業が進んだ結果、現場作業をすると同時に全ての人が行っていた収穫した物の集計・保管・配送などを、現場で仕事をせず専門的に引き受け、現場作業者を補佐する事務職が生まれたのです。いわば現場作業者の補佐役です。時代が進むとより効率的効果的な収穫や効果を出すための方策や他業種との連携なども行うようになり、やがて事務職は現場作業者の成果を評価・統率・管理・運営する立場に変遷し、補佐役だった事務職は現場作業者を管理するようになったのです。代表例が農協でしょう。農協自身は現場で仕事をせず現場作業者の農業者を取り仕切っています。貴方は「そんな事で仕事が出来る人が多くいるなんて信じられない」と言いますが、現代は約50%の人がいわゆる事務職で、現場作業者とほぼ同じ人数なのです。どんな仕事も現場作業なしでは成り立たないと云うのに、ホームワークで仕事の出来る人が勤労者の半数だと云う事になります。その構成比は、業種によって大きな開きはあります。農林漁業畜産業者や公安治安、医療、運輸・交通、インフラ作業、医療・介護などいわゆるエッセンシャルワークをはじめ飲食・販売などのサービス業は現場作業なしには成り立たず、関連する業種も同じです。どんな職種も現場作業者が、それらのいわゆる事務職を養っていると云う事になりますが、社会的評価は必ずしもそうなっていないと云うのが現実です。変ですがホントです。でも、人間が生きていくには現場作業者は不可欠ですが、事務専門の職は不可欠な仕事でないのがほとんどでしょう。今後、自動化やロボットが、現場作業の身体的負担の軽減や効率化を促進するでしょう。そうなれば今まで通り現場作業者が事務的仕事も兼務出来ます。事務だけを行う職の歴史は短く、数十年先にはほとんどがAIに委ねられている可能性が大です。