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まりもブログ!!

まりも動物病院スタッフによるブログです。

分離不安とは?その1

2014年06月08日 | 高橋

皆さん、こんにちは高橋です

いよいよ梅雨に入り、ジメジメとした季節になりましたね

季節の変わり目で、体調を崩しやすくなっていますが、いかかがお過ごしでしょうか!

 

本日は、悩みが多い「犬の分離不安」についてご紹介します。

このテーマは奥が深いのでシリーズとしてご紹介していきたいと思います

 

「犬の分離不安とは」

分離不安とは、「留守番時の不安や飼い主さんの不在や視界から消えた時に起こる困った行動」の事を言います

この行動は、そのワンちゃんが仲間と認識している対象(家族や主に世話をしてくれる特定の人物、同居動物など)

と離れた状況下のみで起きるのが大きな特徴です

簡単に言いますと、大好きな人と離れると大きな不安に心が押しつぶされ、異常な行動を自分で制御出来なくなる様子です

ものすごく意訳すると、お留守番が苦手な子の事です

注意して頂きたいのが、上記の対象と離れている時以外の時にも問題となる行動や症状がみられる場合は分離不安とは診断されません。

 

症状」    

主な症状は

・吠え

・鼻鳴らし(クゥーンなど)

・遠吠え

・破壊行動(ドアや窓、ゲージなどのワンちゃんと対象者を隔てるものが多い)

・排泄の失敗(そこら中でウンチやオシッコをしてしまう)

・食糞

・食欲不振

・嘔吐、下痢などの生理的症状

・抑鬱

・自律神経の興奮からくる瞳孔が大きくなってり、ヨダレがでたり、呼吸が荒くなる

・同じペースでウロウロと歩き回る

・同じペースでウロウロ歩き回りながら、同じ円を描いて歩く

・飛びつきなど興奮を示す行動

・四肢や尾を過剰に舐め、けをむしったりなどの病的な行動

などが主です

あくまでも上記の症状や行動は主な症状で、一例にすぎません。その子によって個体差があります

が、上記以外にも、飼い主さんが出掛ける準備をしている時に不安になって落ち込む様子だったり、

逆に動揺して興奮状態になったり、飼い主さんの外出を阻止しようと攻撃的になったりもするそうです。

飼い主さんの気を引こうとちょっかいかけてくるのは可愛くてついかまってしまうものです

しかしそれが分離不安を助長してしまうのです

分離不安は、「分離に対する不安」なので上記の症状は不安を示す行動や、その不安を解消しようとする行動なのです

なので、出掛ける直前にかまうと、不安は大きくなってしまうのです。

この中で多く問題視されることは、近隣からの苦情の原因となる、「吠え」と「破壊行動」です。

破壊行動によって爪が剥がれたり、自虐行為によりその子自身が傷ついてしまうことも大きな問題ですよね

ではなぜこれらがよくないのか、悩むのでしょう...

 

共存

人はワンちゃんと一緒に生活したくてワンちゃんを飼います。

しかし、人は生きるため、仕事や学校、買い物などしますよね。そんな時、ひとときも離れない事は至難です。

都心部ではお隣さんが至近であったり、集合住宅やマンションであったりするため、吠えるということが特に問題になるわけです。

飼い主さんがいない時の吠えは、飼い主さんがなかなか認識出来ないため、近隣とのトラブルになることが多いです。

更に、共働きや一人暮らしなどの人が飼育した場合、お留守番の時間が長くなりますよね。

また子供の代わりにワンちゃんを飼育している方は、ワンちゃんにより密接な関係を求めがちです。

普段飼い主さんと、密に接している子はお留守番中の問題のリスクが高くなります。

ワンちゃんは人とたやすく愛着を結び、飼い主さんと一緒に居ることに大きな喜びを示します。これは今も昔も犬が優れた仲間であり続ける最大の理由です。

しかし大きな愛情を与えられながらも独りきりにされることの多い現代社会は、ワンちゃんにとって矛盾で苦痛があるかもしれませんね

飼い主さんも、お留守番が苦手な子は大きな問題になりがちであり、ワンちゃんを手放す原因にもなりかねません。

他の病気同様に早期発見早期治療や予防がとても重要になるのです...

そういえば、、、分離不安ってワンちゃんだけなの、、、

 

そもそも犬は、、、?

犬は集団行動で生きている動物です。群れで生活する動物は、自然下では独りになることはそうそうありません。

しかし、猫は単独行動で生活をする動物です。独りでいること自体が動物種として当たり前なので、猫には分離不安は存在しません。

なので犬は生まれつき独りで生活することは備わっていません。なので、その練習自体が必要なのです

 

いかかでしたか

少し理解して頂けましたか

次回は原因と治療についてお話したいと思います