独・ミルテンベルクの町と装飾吊り看板・2(巨人亭)

2018-10-11 22:02:12 | 旅行 ・ 装飾吊り看板

 

  こんにちは

  今回は、ミルテンベルクの二回目で最終回です。

  下は、前回も見て頂いたドイツ地図ですけど、青い点の所がミルテンベルクです。

  ちなみに前回のゲンゲンバッハは黄緑色の地点でした。

                    

  ↑こうやって改めて地図を見ますと、ドイツって、地続きで9か国もの国に囲まれているんですね。

  世界最多ではないでしょうか。9つも国境があるなんて、日本からは想像もつきません。

   

  ドイツは統一が遅れましたので、ローカルな地方が分散して群雄割拠する時代が長く続きました。

  なので、町のセキュリティーがまず第一。

  他から侵略されないように常に監視を怠らず、入って来れないように町の周りを高い市壁で取り囲み、

  市民は見張りの塔が付いた門(塔門)から町の出入りをしていました。

  ドイツを旅行しますと、古い町にはみな市壁の跡や塔門が残っていて、それが観光スポットに

  なっていたりします。

  

  今回のミルテンベルクも中世から残っている町ですので、やはりそんな町の一つなのですけど、

  それに加えてマイン川のセキュリティーという問題がありました。

  敵に川を渡って侵攻されないように、この地方では長い間、橋を架けていなかったのです。

 

  川は渡し船で渡ったのですけど、ミルテンベルクは、マイン川の船着き場として重要な場所にあ

  り、近隣の土地の人々にも利用され、繁栄していました。

  ミルテンべルクに初めて橋が架かったのは、なんと1900年だったそうです。

 

  ↓下の建物は、かってのミルテンベルクの繁栄ぶりを物語っているルネサンス様式のホテル。

  ここは、前回途中で終わったハウプト通りの続きです。

  「Gasthaus Zum Riesen」(「巨人亭」)。ドイツ最古のホテルです。

                    

  ↑巨人亭は創業したのは12世紀半ばで、この建物はその後1590年に建て替えられたものです。

  古くて重厚で、威厳さえ感じさせる木組みの家でした。

 

  何百年にも渡り、神聖ローマ帝国の王侯貴族や宗教上の重要人物たちがここに泊まり、お酒を酌み

  交わし、宴会などをやっていたそうです。なので別名「王侯の宿」とも呼ばれていました。

  小さな田舎町ですけど、安全のために橋が架かっていなかったことで栄えた町でした。

                                        

  ↓屋根の天辺には、槍を構えた人が。

            

  ↓建物の奥行きは結構長くて。現在もホテルとして営業しているそうです。

  なかなか手の込んだ木組みの家です。

           

  嬉しいことに、吊り看板も掛かっていました。面白い絵柄の吊り看板です。

  巨人が戦っている姿の上にはビア樽に乗った人魚。

          

 

  ↓町で唯一の商店街であるハウプト通りをさらに進んで行きます。

  綺麗な木組み、と立ち止まったら、「ケイト・ウォルファルト」のお店でした。

  世界的に有名なクリスマス専門店で、あちこちにチェーン店があり、一年中クリスマス用品を

  売っています。お土産に買ってゆく旅行者も多くて。

           

  ↓ケイトウォルファルトのショーウインドー。

           

 

  ↓ミルテンベルクは木組みの家の町。次から次へと木組みの家が続きます。

           

 

  ↓さて、ハウプト通りの商店街が途切れ、広場に出ました。ここはエンゲル広場(天使広場)です。

  左の白い大きな建物は新市庁舎。旧市庁舎は前回のハウプト通りにありました。

  どうやら観光の旧市街地は終わり、この先は新市街地のようです。市民の住宅地になっています。  

                     

  ↑ハウプト通りは右手前からやってきて左の方向へまだ続き、町の外れまで行くようです。

  観光地はここまでなので、引き返すことにしました。

 

  ↓正面にちょっと素敵なカトリック教会と木組みの家がありました。   

           

           

  ↓エンゲル広場を挟んだ、新市庁舎の向かい側に、オレンジ色のベーカリーがありました。

  ホテルの角にかなり豪華な吊り看板が。                   

           

  ↓クリスマスのイルミネーションが被ってしまいました。いい吊り看板なのに残念です。

  看板には太陽を浴びている大麦や葡萄が装飾してありますので、美味しいビールとワインを用意

  しているレストランという意味のようです。下のほうにビールジョッキもぶら下がっていて。  

           

            

  ↓下の写真はさっきのオレンジ色のベーカリーです。お店の角に可愛い装飾の看板。

           

   

  小僧さんが持っている木枝の先にはドイツパンのプレッツエルが掛けられています。

            

 

  ↓そのレストラン(ホテル)とベーカリーの間の道に入りますと、正面に赤っぽいホルステン門

  が見えました。突き当たりはマイン川。川に架かるマイン橋の上に建てられた塔門です。

  橋を渡って町に攻め込まれないように、まず塔の上から見張り、万一の時には門を閉め、敵の

  侵入を防ぎます。出入り口も段差になっていて、すぐには入って来れない構造になっていました。 

            

  ↑このマイン橋とホルステン門が完成したのは1900年です。

  その頃はすでにドイツは統一され、ドイツ帝国ができていたのですけど、1918年に僅か47年弱

  で消滅。この年、ドイツ帝国は第一次世界大戦で敗北したのでした。

  

  ↓上の道の右側にまた吊り看板を見つけました。

  さっきのベーカリーの中に入っているベーカリーカフェの看板。これもまたクリスマス用の電線

  が入って残念。これはまだマシなほうで、全体にイルミネーションを絡ませていることもあります。

           

 

  以上で、マイン川沿岸にあるミルテンベルクの町を終わります。

           

 

                              

 

 

 

 

        


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