マーブリングファインアーツのブログ

マーブリングの製作物や作品の紹介と解説、時にはスタッフのこぼれ話などを書いていきます。www.marbling.net

「夜叉ヶ池」ニュース/2021年1月28日

2021年01月28日 | 雑感

松竹映画100周年記念プロジェクトとして「夜叉ヶ池」(79年公開)が4Kデジタルリマスター版でよみがえるとのニュースが本日飛び込んで参りました。

 

今春、篠田正浩監督生誕90周年として、テレビでの放映から劇場公開、ブルーレイ化等、

予定されているとのこと、待ち遠しくワクワクします。

 

42年前の作品ですが(以前述べたように)故矢島信男特撮監督のスペクタクルシーンには、

誰もが圧倒されるはずです。

 

個人的には、特撮美術スタッフとして初めて参加した作品で思い入れも強いのですが、

何より、公開以来観ることのできなかった作品であります。

 

まさしく、劇場で観るべき生の特撮映像を、若い人にも共有して頂きたいと思います。

 

日本映画では珍しいファンタジー作品です。

劇場公開をとても、とても、楽しみにしています。

 

 

(株)マーブリングファインアーツ 岩崎憲彦  2021年1月28日


追悼:矢島信男特撮監督(享年91歳)

2019年12月19日 | お悔やみ

 

2019年11月28日、矢島監督が逝去されました。

 

私のキャリアは、アルバイトとして参加した松竹映画「夜叉ヶ池」(1979年)の

特撮美術助手から始まりました。今は亡き松竹の大船撮影所でした。

 

 

50歳前後であった監督の大声を思い出します。

試写室でハイスピードの洪水シーンを観て感動し、特撮への道が決定しました。

 

その後、大泉の東映撮影所での「スーパー戦隊シリーズ」でも矢島監督の作品に

参加させて頂きました。

 

晩年、特撮研究所の会長となられてから、所内でお会いすると当時の話を懐かしく

聞かせて頂きました。(伝説のような話が多々あり、ここでは書き尽くせないですが、、)

 

特撮の巨星がまたひとつ消えてしまいました。

ご冥福をお祈りいたします。

 

追記:上記映画「夜叉ヶ池」は諸事情により公開後ソフト化されていません。

   素晴らしい特撮シーンを、是非改めて観たいものです。

   (この作品のウラ話も語りつくせないほどあります、またの機会に)

 

株式会社マーブリングファインアーツ

代表取締役 岩崎憲彦

 


TSUBURAYA CONVENTON 2019

2019年12月12日 | 販売物のご案内

2019年12月14日・15日、

円谷プロが世界中のファンに贈るファンイベント「TSUBURAYA CONVENTION 2019」、通称ツブコンが開催されます。

かねてよりTwitterでお知らせしているように、この会場内にて弊社制作物も販売させていただけることになりました。

 

つきましては、販売物の情報を整理してお知らせいたします。

円谷プロダクションさんの作品作りに使用している技法で制作された物、

または撮影に実際に使用した実物というのが商品としてのコンセプトとなっております。

 

そのため弊社がいつも撮影用等にオーダーメイドで制作している造形物と同じ作業で制作しており

広範に販売される量産品と違い、販売数が少なく、また非常に高額となっております点をご理解いただけますと幸いです。

 

会場には現物の見本を展示いたしますので、ご関心をお持ちいただいた方はそこでじっくり検討していただくことも可能です。

 

場所は公式サイトにもございます通り、東京ドームシティ プリズムホール ギャラリーゾーンになります。

ご来場の際は是非、お立ち寄りください。

 

 

(な)

 

 

 


謹賀新年

2019年01月12日 | 日常。

正月早々、新文芸坐で「アラビアのロレンス」(1963年公開)観賞。
4時間近い超大作!
残念ながら70ミリではないが、約30年ぶりに劇場で観る大砂漠は圧巻!
と言うよりも(歳をとったせいか)恐怖さえ覚えました。
もちろん、記憶にあった美しいシーンは、今なお新鮮な感動を与えてくれます。
そんな中、何故、怖いと感じたのだろうか?(以前にはなかった感覚)

思えば、50年以上前にCGが使われているはずもなく、更に合成すらほぼ使わずに、実写にこだわった画(え)創り(づくり)がこの"恐怖"を生み出す原動力であったのではないか。

 最近は、IMAXの巨大スクリーンで広大な景色を見ることも少なくない。
そのスケール、大きさを認識することは出来るが、怖さは伝わってこない。

 ハイクオリティCG、高精細なマットペイントに麻痺した感覚が、久しぶりに観た実景の吸い込まれるような奥行きに圧倒され、当時感じることのなかった"恐怖"を覚えたのだろう。(70㍉でもないのに)

"恐怖"と書いた、このザワザワした感覚を放っておくわけにはいかず、メイキングやドキュメンタリーを見たら、数キロに渡ってテントを配置したり、街をつくったり、線路をひいたりトンデモナイ規模の実景を造っていた。
全てがカメラの前で起きているのです。

長きに渡ってアナログとCGの違いや、比較をしてきているが、実際に目の前にあると言う力強さを、改めて追いかけて行くことが必要なのだと実感したのです。

 新年の抱負:リアリティが生み出すザワザワした感覚を追求する!

 2019年新春 岩崎憲彦

:創業1974年(昭和49年) 先代高屋文治が踏み出した一歩から、昭和、平成をまたぎ、新年号への45周年!!

 お力添え頂きました皆様のお陰です。心より感謝いたします。

 この場を借りて、御礼申し上げます。

 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


ジブリ公式展覧会「World of GHIBLI in China」もうすぐ閉幕

2018年09月22日 | 新着情報

 7月1日から上海ワールド・フィナンシャルセンター(SWFC・上海環球金融中心)で行われておりますスタジオジブリ公式展覧会「World of GHIBLI in China」の閉幕が近づいてまいりました。

 

弊社は4F「となりのトトロ」上映30周年記念-ジブリのアートの世界では 造形エリアの企画・デザイン・設計・施工・監修を、

94F 天空の城-ジブリの飛行夢想では飛空艇エリアの設計・施工・監修をそれぞれ努めさせていただき、今回の展示に合わせ造形物のほとんどの製作を現地中国にて行いました。


 4F造形物エリアの目玉となる1/2の「サツキとメイの家」    

写真のように人の大きさと比較すると分かりやすいのですが

1/2のスケールは大きいようで小さく、なんだか不思議な感覚になります。

実際に住めそう、、



照明が暗転することによってまた違った表情を見せます。



 

お父さんの書斎。家具、大量の本、床や机に置かれた小物もちろんすべて1/2サイズ。

 

 

 

空き家としてかなり年月のたった家の再現の為細部に至るまでエイジング作業を行っております。





使い古されたパレットと描きかけのスケッチブック。

描いてる途中でどこか遊びに行っちゃったのかな?

奥に見えるのがメイちゃんの落書き。

 

 

おたまじゃくし!




 

 トトロが眠る樹。尻尾が動き、すやすや眠っている姿が可愛い。

 

 

 

 

 

 

今回の展覧会の為にスケールアップして製作された94Fの全長8mの飛空艇。機体が上下し、プロペラや尾翼も動く様になっています。

 

この角度から見る飛空艇もなかなか迫力が、、

 

上海の上空に飛空艇が!!

 

 

 

 中国大陸初のジブリさんの展覧会であり、待ちに待った大勢の中国のファンの方々が目を輝かせなから展示物をご覧になる姿が見られました。


やはりアニメが国と国を繋ぐ大きな力を持っていると感じました。

Fでは造形物エリアの他に繊細なタッチの原画と共にジブリさんのこれまでの歩みを振り返ることが出来、とても充実した展覧会になっております。 


会期は10月7日までで残りわずかな日数ですが是非会場で体感していただければ幸いです。

 

 

映像制作企画部 ()