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時分の花 真の花

2008年02月09日 | フィギュアスケート
 全米女子シングルを見ましたが、やはり私はGirlよりLadyの演技が見たいです。
 「あどけない」とか「かわいらしい」って、フィギュアスケートでは褒め言葉でないと思います。
 実況、解説者を批判するわけではなく、確かにそう評したくなる演技だったと思いますけれど、14歳のミシェル・クワン選手が世界選手権で表彰台に乗れなかったとき、フランク・キャロルコーチが「ジャッジは、GirlではなくLadyの演技を求めている」と言ったことを思い出します。
 それであの「サロメ」が生まれたわけで。
 
 身体が軽くて、高難度のジャンプが跳べるだけでなく、新採点にしっかり対応して、スピンもスパイラルも、しっかりレベルの取れる彼女達が、そうなるまでにどれほどの練習をしているか、その才能と努力は賞賛と敬意に値します。
 けれど彼女達の演技が、これからの女子シングルチャンピオンのスタンダートだと思いたくありません。
 
 スポーツだからこそ、技術が進歩し、難しいことが出来る選手が評価されるのは良いことだ、という意見もあるでしょう。ですが、フィギュアスケートは音楽を表現する競技でもあるのです。
 それはただ単にリズムに合わせて踊れているとか、美しいポジションを取っているとか、そういうことではありません。
 選手が表現したいこと伝えたいことを、演技を通して解放させ、観客の心を震わせ、自然に涙が出るような演技が、これからも生まれることを祈りたい。
 
 今回表彰台に上った四人が健やかに成長し、今の能力を維持したままで、真の花を咲かせてくれる日を楽しみにしています。
 体型変化や思春期の感情の揺れを乗り越えて、美しく強く成長した彼女達が見られる日が来たら、それはどんなに幸せなことかと思います。