賢いって
どういうことなのかな
知識があって
能力があって
そして…
理性を持って
判断して
行動できるのに
いざとなると
感情が裸になる
その瞬間
知識も能力も
理性も失せている
むきだしの憎悪が爆発
そして…
やがて私も歩む道
子供を思う心が強ければ
愛すればこそ
親子の距離は一定に
保ち続けたい
親子の絆は
遠く離れて保ちたい
いつまでも新鮮で
いつまでも恋しくて
時間の中で味わいたい
寿命が来たら
笑顔で別れたい
それまでは
一定の距離の中で
親子の絆を温めたい
般若心経を唱え
佛と向き合って
生きる修行をし
死を迎える安らぎが
見出だせないまま、醜い
そんな親子の同居生活
お互いに残された命を
精一杯生きたいのに
すがり粘り付く
そんな絆が疎ましい
人間は身勝手なもの
所詮自分が生きるだけで
精一杯なのかもしれない
親は故郷のようにありたい
遠くにありて、思いたい
人間の寿命は分からない
しかし、五十を過ぎると
親子とも高齢の世界で
寿命の争いがある
そんな気がして仕方がない
老いゆく者の世界
蝋燭の火が身を溶かし
すがりつくように
火の揺らめきが
妙に粘りつく
吐き気がするように
にじり寄ってくる
この距離の崩れが
理性で抑えきれず
むき出しの感情が怖い
人間、大人になるにつれて
親子であっても
一定の距離が欲しくなる
それが自然といえば
自然なのかもしれない
年老いてくると
全てに気弱になり
親子の一体の距離も
不安になって
寄り縋ろうとする
時々情けなく思う
この一定の距離
親に犯される時
親といえども煩わしい
やがて己も歩む道なのに