国立大学の後期試験も終わり、いよいよ、4月に大学入学、専門学校入学を控えた青年達が大移動を始めていますね。この時期は、初々しい新1年生と思しき姿を眺めながら、親がどんな思いで愛する息子、娘を送り出したのか・・・と思い、胸がキュンとします。
そんな彼らの姿を見ていて、私は、1月のある日の出来事を思い出しています・・・
私は、近所の郵便局で、一人の高校生に出会いました。
彼は、束になった「大学の願書」を送る手続きをしていました。マスクをしたその高校生。神妙な顔つきで、けれど、明らかに世の中には楽しいことはないぞ、みたいな顔をして、郵便局員さんがたずねることに、言葉短い答え、うつむき加減に立っていました。きっと、彼の予想をはるかに超えて、その事務手続きは時間がかかったのだろうな・・・と、私は思いました。
私の用はすぐに済み、郵便局の出口に行った時には、まだ、彼は送付書の控えに見入っていました。大きなマスクのせいで、彼の表情ははっきりとは読み取れませんが、受験生である彼の胸が締め付けられるような思いは、十分に私にも伝わってきました。控えを眺めながら、彼は、近づいてくる受験期間を思い、さまざまなことを考えていたのでしょう。
私は彼に近づき・・・
「あなた、今週末はセンター試験も受けるの?」
と声をかけました。自分の世界に入っていた彼は、私の声で急に現実に引き戻され、明らかに、キッとした表情で私のほうを向き、半ば睨むような、半ば蔑むような顔をして、「えっ?」と言いました。彼の心の声がきこえてくるようでした。
「おばさん、オレ、あんたのことを知らないよ。気安くオレに声をかけんなよ。センター受けんの?あんたに何か、関係ある??」
私は、その彼の表情を見て、よけいに私の心を伝えたくなりました。
「ごめんね、知らないオバザンに突然声かけられて、びっくりしたでしょ?オバサンね、あなたの後ろにいたから、大学の願書、見えちゃったのよ。今は大学生だけど、オバサンにも二人の子どもがいてねえ。それで思わず声をかけてしまったのよ。あなた、今週末、センター試験も受験するの?」
すると、みるみるうちに彼の表情が軟らかくなるのが見えました。
「はい!センター試験、受けます。」
「そう。じゃあ、がんばってね。」
私はそう言って、彼のほうに向けて小さく両手でガッツポーズをしました。私は満面の笑顔でそう言ったのですが、急に感情が激してしまい、泣き顔のようになってしまいました。
そのとき、私は見ず知らずの彼に、本当に大きな大きな愛情を感じたのです。 「がんばれ!がんばれ!」
人の心には、色も重さもありません。でも、得体の知れないその心というものは、確かに人と人との間に見えない「気」となって生まれ、熱を伴って相手に伝わるものだと私は確信しています。
きっと彼は、家ではお母さんの心配や、優しい言葉には上手く反応せず、ぶっきらぼうにしか対応していないかもしれません。でも、彼には、間違いなく、私の「心」は伝わった・・・
相手が子どもでも、わが子でも、夫でも、妻でも、友人でも。そこに「組織的な意図」等、しがらみがない限り、必ず伝わるものですよ。知っていてください。
付録
母親は、一生懸命に子どもを見つめ、愛しています。けれど、成長とともに、息子も娘も、時には宇宙人のように理解しがたい存在になる・・・でもね、その責任が一方的に子ども達にあるわけではないのです。
母親の心が柔らかくなれば、きっと違うものが見えてきますよ。
でも、どうしても気分の晴れない時は、いつでもどうぞ!子どもの年齢、受験云々に関係なく、まどか先生の相談室はいつでもオープンしています
話すと楽になる・・・そんなこともあるものです
「まどか先生の相談室」は、こちらから。
そんな彼らの姿を見ていて、私は、1月のある日の出来事を思い出しています・・・
私は、近所の郵便局で、一人の高校生に出会いました。
彼は、束になった「大学の願書」を送る手続きをしていました。マスクをしたその高校生。神妙な顔つきで、けれど、明らかに世の中には楽しいことはないぞ、みたいな顔をして、郵便局員さんがたずねることに、言葉短い答え、うつむき加減に立っていました。きっと、彼の予想をはるかに超えて、その事務手続きは時間がかかったのだろうな・・・と、私は思いました。
私の用はすぐに済み、郵便局の出口に行った時には、まだ、彼は送付書の控えに見入っていました。大きなマスクのせいで、彼の表情ははっきりとは読み取れませんが、受験生である彼の胸が締め付けられるような思いは、十分に私にも伝わってきました。控えを眺めながら、彼は、近づいてくる受験期間を思い、さまざまなことを考えていたのでしょう。
私は彼に近づき・・・
「あなた、今週末はセンター試験も受けるの?」
と声をかけました。自分の世界に入っていた彼は、私の声で急に現実に引き戻され、明らかに、キッとした表情で私のほうを向き、半ば睨むような、半ば蔑むような顔をして、「えっ?」と言いました。彼の心の声がきこえてくるようでした。
「おばさん、オレ、あんたのことを知らないよ。気安くオレに声をかけんなよ。センター受けんの?あんたに何か、関係ある??」
私は、その彼の表情を見て、よけいに私の心を伝えたくなりました。
「ごめんね、知らないオバザンに突然声かけられて、びっくりしたでしょ?オバサンね、あなたの後ろにいたから、大学の願書、見えちゃったのよ。今は大学生だけど、オバサンにも二人の子どもがいてねえ。それで思わず声をかけてしまったのよ。あなた、今週末、センター試験も受験するの?」
すると、みるみるうちに彼の表情が軟らかくなるのが見えました。
「はい!センター試験、受けます。」
「そう。じゃあ、がんばってね。」
私はそう言って、彼のほうに向けて小さく両手でガッツポーズをしました。私は満面の笑顔でそう言ったのですが、急に感情が激してしまい、泣き顔のようになってしまいました。
そのとき、私は見ず知らずの彼に、本当に大きな大きな愛情を感じたのです。 「がんばれ!がんばれ!」
人の心には、色も重さもありません。でも、得体の知れないその心というものは、確かに人と人との間に見えない「気」となって生まれ、熱を伴って相手に伝わるものだと私は確信しています。
きっと彼は、家ではお母さんの心配や、優しい言葉には上手く反応せず、ぶっきらぼうにしか対応していないかもしれません。でも、彼には、間違いなく、私の「心」は伝わった・・・
相手が子どもでも、わが子でも、夫でも、妻でも、友人でも。そこに「組織的な意図」等、しがらみがない限り、必ず伝わるものですよ。知っていてください。
付録
母親は、一生懸命に子どもを見つめ、愛しています。けれど、成長とともに、息子も娘も、時には宇宙人のように理解しがたい存在になる・・・でもね、その責任が一方的に子ども達にあるわけではないのです。
母親の心が柔らかくなれば、きっと違うものが見えてきますよ。
でも、どうしても気分の晴れない時は、いつでもどうぞ!子どもの年齢、受験云々に関係なく、まどか先生の相談室はいつでもオープンしています
話すと楽になる・・・そんなこともあるものです
「まどか先生の相談室」は、こちらから。