artのしおり

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セザンヌ―パリとプロヴァンス展

2012-04-27 | 展覧会感想

 画像は晩年のアトリエ内部写真、タブロイド判PR紙『ARTREVUE(アールルヴュ)』から

国立新美術館セザンヌ展を見た。

この展示は題名の通り、セザンヌが、芸術の都パリと出身地プロヴァンスにアトリエをかまえて制作していたことを確認できるようになっている。

それは、お金持ちのボンボンが、田舎を出て都会に行くものの、親から出資を受けるために時々帰郷しては、都会での研鑽の証明をして見せているということなのだろう。

いつまでもサロンに入賞できない息子が若いモデルを内妻としていたことを父親に隠していたことからも、そうと言えるのではないか。

などど、作品とは又別なことを考えながら見ていたのだが、

初期の作品はやっぱり美術学校に落ちるだけあって下手なんじゃないかと思った。

デッサンの上手い下手で言えばやはり下手な作家なんじゃないかと思う。

しかし一連の風景画を描き始めると、そういうこととは違う世界を持ち始めている。

その後の肖像画は人間を描くといういうよりも、背景と一体になった画面全体で迫ってくる。

こうなって来るとセザンヌの作品のすばらしさにもっと触れたくなるが、『カード遊びをする人々』のシリーズは一枚もなかった。

 

よくある作品のすばらしさに焦点を当てた展覧会とは違っていろいろな側面を想像する機会となったようには思う。

しかし、最近の企画展は予算の関係か高価な作品が少ないように思う。

大作のエスキースのような油絵で地方美術館からの貸し出しが多いのに驚いた。

これは借りる手間も大変だろうと想像する。

その表記がまちまちでどこの国の美術館なのか日本語表記では分からない。英語の表記では明記されていた。

又人件費も足りないのか、細かいところまで配慮されていない展示のようにも思えた。

会場内で「配慮が足りないよ!」と大きな声で文句を言っている方がいたのでビックリしたが、

なるほど、小さな作品も一律同じ柵で作品に寄れなくなっていてよく見えない。

その方は文句を言ったおかげで、特別に柵の中に入って作品に見入っていられた。

しかし、その後ろで係員がぴったりくっついて監視をしていて感じが悪かった。

 

 

 

 



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