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放課後、部活に行く光希と別れ、僕は家へ帰ることにした。
なるべく人と関わらずに済むように僕が選んだ部活は、部員も少なく、ほとんど休眠状態になりつつある美術部だったから、その日の気分で帰る事も可能だった。
今日は辛い思いをした時の僕を思いだしてしまったせいか、とても絵なんて描く気分じゃなかった。
靴を履き替え校庭に出ると、サッカー部と野球部が練習をしていた。
グラウンドの両端で各々に声を上げ、汗を流しているその姿を見ても、僕の気持ちは冷めたままだった。
「ふ~ん。上矢くんって、挨拶が出来ないばかりか、高校生らしくスポーツに汗を流すなんて事も出来ないのね」
「なんだって? 」
思わず振り返ると、毎朝僕に執拗に声をかけてくるストーカー…水野優子が立っていた。
しまったと思いながらも、さっきの言葉は聞き捨てならない。
「お前に何が分かるっていうんだ」
関わりたくないという思いとは別に、僕の口は勝手にしゃべりだす。
「だってそうじゃない。挨拶なんて、人としての基本よ。毎朝毎朝、わたしがいくら声をかけても、上矢くんは逃げるばかり。顔を見ようともしないわ。
それにね、だいたい不健全よ。
高校生ならもっと、色々な事に一生懸命頑張るべきだわ」
優子も黙ってはいない。
「大きなお世話だって言ってるんだよ!
誰にも僕の気持ちなんて分かりはしないんだから! 」
そう言った僕の声に、グラウンドの生徒たちの動きが止まった。
そして、不思議そうな顔で僕を見たり、笑ったり、ひそひそと話し出した。
それを見て、僕は慌てて走り出した。
「ちょっとぉ、上矢くんってば! 」
遠くに聞こえる優子の声を振り切って、僕はとにかく走った。
ひとしきり走って、学校からだいぶ離れた河原のガード下まで来ると、僕はやっと足を止める事が出来た。
普段めったに走ったりしないせいか、心の動揺のせいか、僕の足はガタガタと震えていた。
失敗した。
ずっと誰にも気付かれないように、優子の存在を無視してきたというのに、思わず答えたばかりか、あんな大声を出してしまったせいで、皆に見られてしまった。
僕は怯える子どものように、しゃがみこんで小さくなった。
「あの子と話しちゃいけなかったのに…。またあの時と同じ思いなんてしたくない」
顔を伏せて呟く。
「どうして、あの子と話すと困るの? 」
僕の呟きに答える優しい声。
「だってあの子は…」
心地よいその声に、なぜか心に秘めている言葉を押し出してしまう。不思議に思いながらも、自然の成り行きに身を任せた。
はっきり言えば、僕にはかなりの負担がかかっていた。今までずっと、それに気付かない振りをしてきただけだ。
誰かに聞いて欲しかった。
だから、どこの誰かも知らないこの優しい声の持ち主に話したところで、ただ気味悪がられるか、むしろ信じないだろうと、僕は思った。
「あの子は…生きている人間じゃない。死んでるんだ。
周りの皆にあの子は見えていないんだ」
「…」
(ほら見ろ、やっぱりだ。僕の事を気味が悪いと思ったんだろ?
そう思ったのなら、さっさとどこかへ行ってくれ)
投げやりになる僕にその声が答えたのは、意外な言葉だった。
「なるほどね、やっぱりあなたにはその力あるのね。
合格よ、顔を上げなさい」
「合格…? 」
驚いて顔を上げた僕の目に映ったのは、僕を見降ろしている長身の女の人だった。
誰だろう?その女性は?
高校生になっても未だに葉介は辛い思いをしてるんだ。高校生になったらある程度割り切れるんじゃないかな?なんて僕は思ったりもするんだけど、葉介はミナモさんとダブるんだよな。だからそんなのを考えると、「そっか。簡単に割り切ることなんて出来ないんだよな」って思ったりもするんだわ。誰かに頼りたいんだよね。信じてくれる人が欲しいんだよね。その事で葉介の人生、性格もガラッと変わって良くなって行くんだろうね。
そこで行くと、この長身の女性ってのは葉介の人生を変える様な人なのかも?なぁんて思ったりもして、楽しみに読ませてもらったよ。
ってか、コレだけの記事を忙しい中サクサクと書いてるっちゃ、忙しくて書けないってだけでミナモさんの頭の中にはかなりの部分で構想は出来てるって事だね。
若しくは今月は日曜日って決めちまった?からアップしたくても出来ないのかな?(先月は階段状だったしね。カレンダー参照)
ってか、今回の小説はカテゴリーを細分化したほうが読みやすいんじゃないのかな?
まぁ、次の章?になったらでイイと思うけどそれのが読みに来た人の幅が広がるような気がするよ。参考にしてね。
そうそう。今回は、そんなアップ上のカレンダーなんかも意識したりして、遊び心を持って書いてたんだけど、さすがに忙しくって、ここのところは2週間に一回アップ出来れば…なんつー状態になっちゃった
確かに、頭の中では、かなり先まで話は出来てるよ♪
大抵、そんな感じで書いてるんだけどさ、なんせ私の場合は、映像で頭の中にストックされてるからさ、それを文章に起こすのが結構大変なのね。
で、文章にしてる間に、勝手にキャラが動き出したり…なんて事もあるからさ
でも実際から言えば、書きたくって書きたくって…って時間をより長く持って、何度も何度も頭の中で映像を巻き戻ししながらよくよく観て…なんてのが一番良い状態ではあるんだよね
なかなかアップ出来ないのは寂しいけど、それはそれでいいようにはなってるのかな?
なんて思ってるよ
葉介が、高校生になっても…ってなくだりはさ、やっぱその通りかもね。
あたしに似てるのかもね。ふふふ。
でも、そのくらい繊細でないと、この力は与えられなかったのかな?? なんて風にも思ってるけど、私に似てるかもなんて書いちゃった後だと、何とも書きづらいね
今後の展開をお楽しみにね♪