カナダにいらっしゃい!

カナダ留学・クリティカルシンキング専門家。Canadian Prairie/EcoCabin在住。 

カナダに出来てしまった『日本人留学生のステレオタイプ』

2023-05-20 03:28:27 | カナダ留学

カナダに留学すると『英語が出来るようになる!』

『自由なカナダで自分らしい人生を送りたい!』

などと、夢物語を期待している方は日本には相当多いと思います。

 

最初の『英語が出来るようになる!』は全くの夢物語です、そんなことは起こりません。

きれいさっぱり頭から消し去って下さい、そうでないと、エージェントにしこたま巻き上げられますよ。

 

しかし、懲りませんねぇ、日本の無知な高校生たちがどんどん送られて来ます。

カナダに出来てしまった『日本人高校留学生のステレオタイプ』があることも知らないで。

自分の力で剥がすことは難しいですよ、特に高校生には不可能です。

『カナダ留学のプラスを手に入れる』には、高い英語運用能力、勉強を続ける意欲、そして”Who I am”を知っていることなどが決定的な要因となります。

 

え!?そんなに厳しいんですか?

はい、そうです。

これがその理由です。

 

カナダは多民族の国、移民国家です。

カナダの国の方針として、異文化・異言語からの優秀な人を招待し、一緒に国を作っていこうとしています。

『永住権』という特別なカテゴリーがあり、例えば私の場合国籍は日本のままでしかもカナダ国民と同等の政府からのケアを受けることが出来るのは大きな魅力です。

現在の混沌たる世界情勢の中、自由主義をつらぬくカナダに魅力を持ち、2022年には437,180名の移民が新たに永住者となりました。

 

カナダには世界中からたくさんの留学生も集まって来ます。

2022年だけでも、551,405件の学生ビザが発行されています。

そのほとんどは、将来カナダで仕事をするための資格とスキルを取得し、永住権そして市民権へと進むのが目的です。

 

じゃぁ、そんなに魅力のあるカナダに住む移民や留学生たちはさぞかし自由に自分らしく生きているんでしょうねぇ。

と、考えてしまいますか?

 

残念ながら現実は相当厳しいです。

CBCがこんな記事を掲載しました。

 

How 4 Asian Canadians are dismantling the pervasive and harmful 'model minority' myth

 

カナダには、実は、移民の人間としての尊厳さえも損なうような「移民へのステレオタイプ神話」が蔓延しています。

「あ〜アジア人ね。(中国も韓国もベトナムもタイもフィリピンも、他のアジアの国も、日本も全部ごちゃまぜです。」「あ、イスラムか。(みんなテロリストみたいに見られます。」「あぁあぁインド人。。。(とにかく留学生も移民もインド系の方の数が多いので、その他大勢みたいな見方をされます。」「ブラックは。。(なぜか皮膚の黒い人はみんな十把一絡げです。よく知りもしないくせに勝手な黒人観があります。)」などのステレオタイプが存在します。

 

カナダの人は、まずその「ステレオタイプ」から移民や留学生を見ます。

それでも教育レベルの高い人達は、十分観察し、コミュニケーションを取ることから、間違ったステレオタイプを排除し、違う目で見始め、お互いにリスペクトし合う関係を築くことも多いですが、大多数のカナダの白人は、思い込んだステレオタイプでしか移民や留学生を見ることが出来ません。

従って、扱いかたも驚くほどワンパターンです。

 

また、カナダの白人の持つ有色人種へのステレオタイプに自分を合わせることで、カナダ社会で難なく生きて行け、周りに受け入れられるんだという 不健康な考えも存在します。

 

ね? 決して、自由で生きやすい国とは言い切れない理由がおわかりですか? 

________

さぁ、ここから本題です。 ふぅ、前置きがとても必要な本題ですから。

 

カナダにやって来るいわゆる『高校留学生』のステレオタイプ。 

・高校生のくせに精神年齢は悲劇的に幼い

・従って多くのルールを作らないと面倒みれない

(夜はWiFiを使わせないとか)

・空いた時間は、日本語でSNSやるか、日本語のビデオばかり見ている

・英語は出来ない

・学校での学力も低い

・文句を言わない(言えない。英語が出来ないので)

・移民になりたいわけでもなく、勉強したいわけでもなく、ただ遊んで帰っていく

・日本人の親はいくらでも言われるままお金を出す

・こんな未成年を平気で外国に送る日本の親は無責任

(カナダの親にとって、未成年をポンと知らない国に送るなど想像すら出来ない無責任な行動)

・従って高校留学生の親への評価は低い (高校生自体にも「実は親はそれほど大切に思っている子供ではないのかも。。。」)

 

これがカナダの高校留学生への一般的なステレオタイプです。

 

そして、この中に当てはまりさえすれば(ほぼ9割の留学生に当てはまりますけどね)カナダの学校もホストも「やっぱり」と結構納得し、それ相応の対応をするだけ。

これが高校留学の実態です。

「いえいえ、うちの子は違います。日本の学校での成績もいいし、英語エッセイも書けるし。。。。」

はい、残り1割ほどの日本からの高校留学生は「学力もあり、頑張れるし、マナーもいいし」だと思いますが、その子達がいくらカナダで頑張りたくても、こんなひどいステレオタイプから逃れることはほぼ不可能です。

 

「日本人留学生」というレッテルを貼られたが最後、その他大勢のひとりにしかなれません。

英語力も精神年齢も、経験も不足している高校生には、「いや、私は違います!」とステレオタイプから出る方法も知らないければ、主張する強さもありません。

 

これが、高校留学の一番残酷なところかも知れません。

どんなに優秀な日本人高校生がやって来ても、その9割に相当する日本にいても低いレベルの高校生と同じカテゴリーに入れられてしまうことです。

 

余談ですが、いわゆる日本の大学からのままごとのような短期交換留学にやって来る学生。

上の高校留学生とほぼ同じステレオタイプが存在します。

・英語が悲劇的に出来ない

・勉強する意欲はない

・カナダには遊びに来ている

・ちゃらちゃらしたデザイナー服を来てお金をたくさん持っている

・必死で遊んで、何も学ばず帰って行く(一体何して来たの?)

 

こんなステレオタイプの中に入れられるのは嫌ですか?

じゃぁ、せめてTOEFL90、IELTS6.5を超えてから、学部に交換留学出来る学力をつけてから来ること。

 

高校留学生の酷いStereotypeに戻ります。

そんなものが存在することも知らずに、優秀で将来が楽しみな中学生の親からも『高校留学相談』があります。

優秀だからうまく行きますよね、親が行き先を吟味したら大丈夫ですよね、と、相談を受けます。

私が言葉に窮するのはそんな時です。

 

その優秀な頭脳が、呆れた低レベルのステレオタイプの中に埋没してしまう様子が目に浮かぶからです。

 

親にも知識も経験もない外国に未成年を送ることの危険は、実は、ここにあります。

 

カナダには大学からいらっしゃい!

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