僕らの住宅デイズ
住宅デー(*1)では住宅相談と兼ねて工作教室(*2)の受付をやっている。
工作教室に参加する児童には大抵熱心な、保護者が引率してきて工作風景をずっとスマホで動画撮影をされる方もいる。見ていて微笑ましい。また完成すると帰りがけにアンケートをお願いしているのだが「お父さん、お母さんの感想」欄にきちんと書き込んでくれる方が多い。
それから児童へのアンケートの中には「大人になったら建設のお仕事をしたいと思いますか?」という意地悪な質問がある。空気の読める彼らが (はい) に〇をつけたなら即座に 「それならオジさんが大工さんでも塗装屋さんでもどの職種でも君の就職の世話をするからなりたい職種が決まったらまたここに来てくださいね」と約束する。
また (いいえ) に〇をした子には「僕は建築士で家やお店の設計図を書いています。内緒だけど釘も打てないし板も切れません(本当はできます)でも職人さんに協力してもらい月に届くような建築を作ることができます。」と言う。
また女の子には「女性デザイナーはしなやかで現場で活躍する姿も理知的でカッコいい、それに資格を持っていれば一度家庭に入ってからも社会復帰し易い職業なのでこれから考えてみてね」と・・・そこから保護者からの進路相談に至ることもある。 工作教室は地道な拡大運動の場でもある。だから建設業界の未来はきっと明るい。
(*1 住宅デーとは筆者が所属している建設組合が毎年春秋に行うイベントです。 2020年以降、新型コロナの影響で開催中止が続いている)
(*2 工作教室とは小学校の3,4年を対象にした木工製作コーナーで大工さんが指導し本棚や椅子などの製作をしている)
・写真イメージは世田谷美術館でのアアルト展で
(2019-11 機関紙に掲載)