仮題 ゴルフ場に犬を連れて行く

日常の取るに足りないこととか、、過去に某機関紙に投稿したエッセイを中心に掲載しています~~~◎

20 僕らの住宅デイズ

2021-11-17 | エッセイ

僕らの住宅デイズ

 住宅デー(*1)では住宅相談と兼ねて工作教室(*2)の受付をやっている。

工作教室に参加する児童には大抵熱心な、保護者が引率してきて工作風景をずっとスマホで動画撮影をされる方もいる。見ていて微笑ましい。また完成すると帰りがけにアンケートをお願いしているのだが「お父さん、お母さんの感想」欄にきちんと書き込んでくれる方が多い。

それから児童へのアンケートの中には「大人になったら建設のお仕事をしたいと思いますか?」という意地悪な質問がある。空気の読める彼らが (はい) に〇をつけたなら即座に 「それならオジさんが大工さんでも塗装屋さんでもどの職種でも君の就職の世話をするからなりたい職種が決まったらまたここに来てくださいね」と約束する。

また (いいえ) に〇をした子には「僕は建築士で家やお店の設計図を書いています。内緒だけど釘も打てないし板も切れません(本当はできます)でも職人さんに協力してもらい月に届くような建築を作ることができます。」と言う。

また女の子には「女性デザイナーはしなやかで現場で活躍する姿も理知的でカッコいい、それに資格を持っていれば一度家庭に入ってからも社会復帰し易い職業なのでこれから考えてみてね」と・・・そこから保護者からの進路相談に至ることもある。  工作教室は地道な拡大運動の場でもある。だから建設業界の未来はきっと明るい。

(*1 住宅デーとは筆者が所属している建設組合が毎年春秋に行うイベントです。 2020年以降、新型コロナの影響で開催中止が続いている)  

(*2 工作教室とは小学校の3,4年を対象にした木工製作コーナーで大工さんが指導し本棚や椅子などの製作をしている)

・写真イメージは世田谷美術館でのアアルト展で

(2019-11 機関紙に掲載)


19 ツレずれ雑文-1

2021-11-16 | エッセイ

ツレずれ雑文-1

・車のエンジンをかけたら、フロントワイパーがいきなり動き出すのは昨日の雨をひきずっているようで気持ちが悪い

・野球で塁に出たランナーが手袋をポケットにしまわず左手に握って走っているのを見たことある? スライディングの時の怪我を防ぐためです。何かを握っていると怪我をしにくいから

・Gの坂本が帰塁でケガをしてから他の選手も二本指のぼっこ(ミトン)のスキー手袋みたいのをするようになったがなんかプロっぽくなくて「雪かきかよ!」とツッコみたくなる 

・塁に出られなかったバッターが何度も後ろを振り返りどこかを睨んでいるのは見ていて不愉快。俯いてさっさとベンチに帰ってほしい

・外人はよく犬を触るときまず手の甲から出して噛み癖がないと知ったら手の平でなぜてきます。多分子供の時に犬の触り方を教わっている

・マックでフライドポテトは塩抜きでも揚げてくれますが混雑時は迷惑になるから遠慮したほうがいい

・「一本堂」を買ってバッグに詰めていたら、次の親子が「昨日の一本堂」を買いに来た。「昨日の一本堂」が「昨日の一本堂」といって売っているなんて・・・

・七五三は合計して15日なんだって未経験者は初めて知った。漠然と11月としか思っていなかった。

・ゴルフ友人は奥さんがクラブを買うのに付き合うために午前中半休して午後から出社したという。そんな買物、普通は夕方勤務後に待ち合せして買いに行くだろう。友人はト職員である

・電車のホームのエスカレーターで前に立っている女子学生がバックパックのファスナーが開いているのに気づき必死に上げようとしていたが上手くいかず 「すみません、あげてもらえませんか!」と僕に頼んできた。「はい」といって上げてやったがなんかいい年してドキドキしたなあ

(2021-1116 未発表)

 


18 日常的に使っている外来語

2021-11-15 | エッセイ

日常的に使っているよく考えると外来語

今更何? ですがみんなが日常的に使っている外来語を集めて解説してみました (順不同)

 

・スイッチが入る ~ やっとやる気になる、本気になること

・ギアを上げる ~ 入れ込む度合いを上げること

・ハードルが高い ~ 難しい、障害があること

・テンションが上がる ~ 興奮状態が高いこと

・リベンジする ~ 仕返しする、もう一度挑戦すること

・リスペクトする ~ 尊敬すること

・ミッションをこなす ~ 任務や使命に向けて行動すること

・コアな ~ 中心部の、熱狂的な

・クォリティーが高い ~ 質が高い、出来がいい

・レアもの ~ 珍しい、希少価値の高いもの   

・ウィンウィンな ~ お互い損をせず利益があること (勝つと勝つで)

・モチベーションが高い ~ 目的意識が高い

ステレオタイプ ~  ありふれたやり方。きまりきった型

(2021-1115 未発表) 


17 コロナ自粛中の街の風景

2021-11-12 | エッセイ

コロナ自粛中の街の風景

 外出自粛期間中の五月中旬のランチタイム。都下の牛丼チェーン店にて。 手際のよい牛丼店はすでに入口付近に券売機、壁には病院にあるような順番待ちの整理券ナンバーボードが設置されている。

 駐車場のワンボックスカーから小学校3,4年位の男の子が店内に入ってきた。持ち帰りで牛丼を買いに来たが券売機の操作の仕方がわからず、駐車場で待つ父親に助けを求める。父親がやってきた。40台前半か、まさに中堅リーマンでリモートワーク中の父親ぽい風貌である。 父親は手慣れた様子で券売機を操作し発券、ほぼ無言で駐車場へ戻る。子供はまた取り残される。ランチ時、店内の客席率80%、持ち帰り整理券待ち10人程度の店内の中で子供は順番を待つことになる。 

 これって自粛以前なら普通の光景だけど自粛期間中、いわゆる三密空間に子供を押し込んで買い物させる。 皆さんはどう思われますか? まあ、それぞれ家庭の教育上、こういう経験をさせるのもいいのかな・・・という方はdボタンの青、これはアウト! 親の怠慢と思った方はdボタンの赤を押してください。

(2020-11 機関紙に掲載)


16 滑舌のいい元八百屋の話

2021-11-11 | エッセイ

滑舌のいい元八百屋の話

 滑舌のいい元八百屋がいた。僕が会ったときは内装の仕事をしていたが元八百屋らしく江戸っ子弁で酒が入るとよく喋った。 趣味は休みがあるとひょっこり時刻表片手にあてもなく出かける旅行だった。 夕方になって「今どこどこにいる」とかなり遠方から家族に電話をし、数日後にひょっこり帰宅するということだった。

 ある日、旅行ではなく逗子の方面に釣りに行った先で頭痛に見舞われ救急車で運ばれた。 病名はくも膜下出血だったとか?  当地の病院で緊急開頭手術をしたらしかった。 回復してくると持ち前の滑舌で周囲を笑わせ看護士たちにも人気があったらしいが無断でタバコを買いに外出したり後輩にタバコ買ってくるように電話したり破天荒ぶりを発揮したらしい。

 退院してリハビリ中だったのか、小田急高架下の道を散歩中らしき彼と車ですれ違った。 僕に気づいて立ち止まってくれたが後続車がいて停車できず顔だけ見て手を上げた。  その数日後、元八百屋は自宅の浴槽で溺れて逝った。 

 通夜に参列した。棺の横に時刻表が添えられていた。 赤堤湯船駅(*)からの寝台特急に 赤線が引いてあった・・・なんて、それはない。なんせノープランなんだから

(*実際、赤堤湯船駅はありません、筆者想像の駅名です)

(2021-1111 未発表)