2017年3月8日(水)
19:30 羽田発千歳行のフライトで北海道へ。
21:00に千歳空港に到着。今日は札幌まで行かずに千歳に泊まる。
千歳駅前は北海道らしく開放的で広々としているが、この時間で周辺でオープンしている飲食店はラーメン屋しかない。
北海道の都市の他の例にもれず、駅と市街地が離れているようである。市街地までは歩いて15分程度である。地元客相手の
居酒屋はちらほら営業しているが、酒を飲むほど気合いが入っていない、軽くラーメンでもという気分だが、生憎、ラーメン屋は
閉店している。とりたてて観光地でもなく、夜が早い町のようである。コンビニで夜食を買って、そのまま、ホテルに戻って寝る。
駅直結の千歳ステーションホテル。廉価なビジネスホテルだが、清潔で適切な室温で快適である。
1日目終了。
2017年3月9日(木)
廉価なビジネスホテルの無料朝食とは思えない充実した手作り感いっぱいの朝食をお腹いっぱい食べる。これだから、北海道の
食は侮れない。食に関していえば、いつでもどこでも、ボリューム満点である。北海道の人特有のホスピタリティである。
今日はまず、JR北海道の未乗区間となっている室蘭本線の乗りつぶしである。千歳から追分経由で岩見沢に行く。



追分から岩見沢は乗りつぶし完了。追分に戻り、夕張線で夕張へ行く。夕張線は乗ったような気もするが、念のため乗車する。
新夕張~夕張間は1日の運行本が4本しかない。JR北海道は近年、営業危機に陥る程の大規模赤字を計上しており、経営改善策として、
運行本数の大幅削減を行い、路線によっては廃止の意向も示している。まるで国鉄末期のような危機的状況である。



平日の日中、車内も閑散としている。。


夕張駅。かつては炭鉱で栄えたが、閉山後は見る影も無い。かつて車で来たことがあるので、駅前の様子は良く覚えている。
2009年か2010年頃だったと思うが、何も変わっていない。



新夕張から乗って来た列車、1両だから列車では無いか、、単車か、いや違う、これは汽車だ。で引き返す。
これを逃すと、何もない寒い駅前で夕方まで時間をつぶさないといけない。

北海道の旅は、数少ない列車の乗り継ぎに妙がある。まるで謎ときを楽しむミステリー小説のようだ。
今日は、室蘭経由で虎杖浜まで行く。
夕張を過ぎた後、しばらくして、列車が急ブレーキ、警笛を鳴らす。これは、踏切事故だと直感。身構える。
やがて、ガツンという衝撃音、大きなものがぶつかったような衝撃とともに列車が急停車。
やはり、踏切事故であった。遮断機が下りているのに、無理に線路内に入ってエンストしたのであろう。
本当に悪質な事故である。夕張線である。列車が来ることは滅多に無い。1日4本、待てばいいのだ。
このような悪質な運転手(地元のおばあさんであったが)は免許返納して欲しいと思うのだが、公共交通機関も不便な土地である。
通りすがりの旅人がとやかく言う事ではないであろう。


運転手からアナウンス。列車の運転再開はせず、運転打ち切り。この後に警察の現場検証もあるので、そのまま車内に留まるよう指示。
乗客は6-8名程度か、幸いけが人はいない。

しかし、これでは、この後の乗り継ぎもうまくいかなくなってしまう。困ったものだ。
警察、消防が続々と到着。大した事故でもなく、怪我人もいないのに、大げさである。にわかに雪も激しくなってきた。
まるで大惨事である。今となっては目立った産業もない人口の激減した田舎町なので、警察も消防も暇なのであろうか。




地元のテレビ局、新聞社も到着。のどかな夕張にとっては、年に数度もない、格好のニュースである。

列車の前の非常口を通り、ようやく脱出。JRがワゴンタクシーを用意、追分方面に戻る。手筈が良い。
乗客は2台のワゴンに分乗しており、JRが1台のワゴンにまとめるよう、途中の新夕張で待機させるが、こちらは被害者である。
他の旅行者らしき数名の乗客は大人しい為、怒りの詰問口調で駅員に抗議した結果、2台目のワゴンを待たずに南千歳へ高速道路で急行してくれる事になった。飛行機に乗る人もいたようだが、間に合って良かった。
予定していた列車には乗れず、室蘭本線の追分~苫小牧の未乗区間も残ってしまった。JR北海道には悪いが、特急に乗せてもらう。
車掌が来たら、事情を説明しよう。
特急すずらんに乗り、南千歳から終点の室蘭に到着。東室蘭~室蘭は乗った事があるような、無いような。しかし、これでスッキリした。

室蘭から登別へ移動。ようやく当初の予定の列車に乗れた。



虎杖浜ではなく、登別から自家用車で送迎してくれる。登別は有名な温泉地だが、アジア系の外国人観光客の姿が多い。
本日の宿泊は虎杖浜500マイル。東京から500マイルの距離があるから、このネーミングらしい。面白いし、教養を感じる。
安くてたらふく海鮮の幸が堪能できる、ネットで話題の民宿である。冬季燃料代と料理のグレードアップしても、8700円。

あたりは、国道沿いで大型車両の通行が多い、セイコーマートや安い温泉民宿があるが、国道沿いとはいえ寂しい場所である。

セイコーマートでビールやウイスキーを買い込んで、部屋に行く。何もない場所だから、酒を飲んで、温泉に入るしかない。
民宿はこの下宿感がたまらなく懐かしい。いくつになっても、一瞬で学生時代に戻れる場所が田舎の民宿である。


自慢の源泉かけ流し温泉。他の宿泊者もまだ来ておらず、ゆっくり入湯。目の前の絶景を独り占め。穏やかな海である。

自慢の夕食。今年の北海道の海産物は過去に例が無いほどの不漁で、カニも去年までは1パイ出していたのが、半身になってしまった
との事で残念である。この勢いだと、数年後、海産資源が枯渇しそうで、そうなった場合は、何も出せないとの事である。




おいしい食事をいただき、静かな環境で波の音を聞きながら、ゆっくりと休む。
2日目終了。
2017年3月10日(金)
今日もボリュームたっぷりの朝食。ホイル焼きは椎茸のバター焼き。朝から北海道らしい。

虎杖浜駅まで送迎してもらう。朝の通勤・通学時間である。しかし、通勤者はマイカーで通勤する。通学者、高校生が主な乗客である。





虎杖浜から、苫小牧の間の車窓を見ると、雪がほとんどない。北海道の湘南と呼ばれ、雪の少ない土地らしい。
駒大苫小牧が全国優勝できたのも、この温暖な環境があったからである。
香田監督の「勝ちすぎた監督」野球ノンフィクションの名作である。
南千歳から、快速で小樽まで行く。今回は札幌はスルー。小樽は日本海側らしく雪が降り積もる町である。



駅前の市場をぶらぶらする程度で、この寒さと吹雪では市街散策をする気にはならず、キオスクで酒とつまみを買い、車内へ。


倶知安に到着。ニセコの玄関口で外国人のスキー客が多い。




倶知安から長万部は極端に本数が少ない。小樽~長万部の未乗区間もこれで完了。


函館本線の山線は豪雪地帯である。

長万部は海側であり、雪がほとんどない。


今夜の宿は二股ラジウム温泉。長万部から8kmほど先の山の中にあり、送迎が来てくれる。1泊だけなのに親切である。
ひなびた山間の湯治場であるが、建物は新しく綺麗である。






効用確かな温泉として、有名である。泥のような温泉で成分が濃い。タオルが茶色くなり、色落ちしなさそうな感じである。





温泉の成分が堆積してできたドームが大迫力の温泉である。他に客もおらず、貸し切り。何とも贅沢である。





夕食は、質素なものである。他の湯治客と一緒に食べる。全部で6.7人くらいである。年寄からOL風まで幅広い。

夜は真っ暗な温泉に入る。湯治場はそういうものなのだが、水道のシャワーとかはなく、体を洗ったり、髪を洗うのには難儀する。
本当に誰もおらず、怖いくらいである。ここは数日泊まるのがいい。きっと効用が出てくるだろう。
3日目終了。
2017年3月11日(土)
長万部まで送迎してもらう。時間があるので、送迎の方のおススメの床屋にいき、髪を切ってもらう。話が面白い床屋さんであった。
東京の修業時代、二人の娘さんのお話(札幌と千葉に住んでおり、長万部にはいない)、長万部が鉄道で栄えていた時代の話を聞く。
クラスメートの半分が国鉄関係者の家族だった時期もあるらしい。
昼食はおススメの長万部名物金谷食堂のかにめしを食べる。

長万部は函館本線が山線と海戦とに分岐する地点で、機関車の付け替えをする必要があり機関区がある駅であった。
その為、大勢の国鉄職員で賑わった。
かつてを忍ばせる広大な側線が印象的である。今は数両の気動車が係留されているのみである。

駅の向こう側には長万部温泉があり、夕食はボリューム満点の海産物が出てくるらしい。次はここに泊まろう。

長万部から函館も本数削減の影響で極端に少ない。車内も閑散としている。





いか飯で有名な森までのんびり走る。キハ40は国鉄時代から生き残ってきた車両である。耐用年数も限界に違いが、今のJR北海道に
新たな車両を購入する余裕が無い為、だましだまし使用している。これが最後の乗車になるかもしれない。

森では停車時間が長いので、ホームに出る。特急列車がやってきた。鈍行列車の利用者は少ないが、都市間を結ぶ特急列車は
乗客がそれなりに多い。

森はのどかな駅で、海が近い。暖かい。


ふたたび車内の人となり、車窓を眺めての旅。ローカル線の旅の最高の時間である。

森から乗客も増え(といっても、10人程度だが)、のんびり函館を目指す。時速40-60kmくらい。これほどゆっくり進むのは
車両にガタが来ている為だろうか。この鈍足ぶりでは、地元の人は不便すぎて高速バスを利用するだろう。

函館に到着。




函館から、市電で湯の川温泉に向かう。結構、遠い。函館は駅前より、五稜郭周辺の方が繁華街という事が分かった。

今夜の宿はKKR函館。公務員の厚生施設だが、一般の人も利用できる。民営の旅館に比べると内容の割に安い。


湯の川温泉は湯温が高く熱い。今の時期には熱いくらいがちょうどいい。公務員の施設らしく、風呂の会話から察するに、
教師の集りがあり、宿泊者の多くは道南の教師らしい。皆さん公立高校の教師らしく素晴らしい方である。教育者、聖職と
呼ばれる職業にふさわしい方々であった。
旅館だけあって、手の込んだ料理が出てくる。大満足。

4日目終了。
2017年3月12日(日)
湯の川温泉は3度目である。中学3年、高校3年以来である。当時、修学旅行で泊まった古くて大きなホテルは取り壊され、
外国人相手のモダンな高級旅館に生まれ変わっていた。
空港行きの市バスを待つ間に海岸を散策。夜景で有名な函館山が見える。湯の川温泉からは反対側で遠い。

湯の川温泉から函館空港は近い。バスで10分程度である。函館空港は市街地から近い。市街地から近い空港といえば、函館、伊丹、松山、
福岡、宮崎、那覇が思い浮かぶ。他にもあるかもしれない。もっと旅をしないと、知らないことはたくさんある。
函館を10時に出ると昼前には羽田に着く。北海道とはいえ、道南だから近いものだ。

5日目終了。
終わり。
19:30 羽田発千歳行のフライトで北海道へ。
21:00に千歳空港に到着。今日は札幌まで行かずに千歳に泊まる。
千歳駅前は北海道らしく開放的で広々としているが、この時間で周辺でオープンしている飲食店はラーメン屋しかない。
北海道の都市の他の例にもれず、駅と市街地が離れているようである。市街地までは歩いて15分程度である。地元客相手の
居酒屋はちらほら営業しているが、酒を飲むほど気合いが入っていない、軽くラーメンでもという気分だが、生憎、ラーメン屋は
閉店している。とりたてて観光地でもなく、夜が早い町のようである。コンビニで夜食を買って、そのまま、ホテルに戻って寝る。
駅直結の千歳ステーションホテル。廉価なビジネスホテルだが、清潔で適切な室温で快適である。
1日目終了。
2017年3月9日(木)
廉価なビジネスホテルの無料朝食とは思えない充実した手作り感いっぱいの朝食をお腹いっぱい食べる。これだから、北海道の
食は侮れない。食に関していえば、いつでもどこでも、ボリューム満点である。北海道の人特有のホスピタリティである。
今日はまず、JR北海道の未乗区間となっている室蘭本線の乗りつぶしである。千歳から追分経由で岩見沢に行く。



追分から岩見沢は乗りつぶし完了。追分に戻り、夕張線で夕張へ行く。夕張線は乗ったような気もするが、念のため乗車する。
新夕張~夕張間は1日の運行本が4本しかない。JR北海道は近年、営業危機に陥る程の大規模赤字を計上しており、経営改善策として、
運行本数の大幅削減を行い、路線によっては廃止の意向も示している。まるで国鉄末期のような危機的状況である。



平日の日中、車内も閑散としている。。


夕張駅。かつては炭鉱で栄えたが、閉山後は見る影も無い。かつて車で来たことがあるので、駅前の様子は良く覚えている。
2009年か2010年頃だったと思うが、何も変わっていない。



新夕張から乗って来た列車、1両だから列車では無いか、、単車か、いや違う、これは汽車だ。で引き返す。
これを逃すと、何もない寒い駅前で夕方まで時間をつぶさないといけない。

北海道の旅は、数少ない列車の乗り継ぎに妙がある。まるで謎ときを楽しむミステリー小説のようだ。
今日は、室蘭経由で虎杖浜まで行く。
夕張を過ぎた後、しばらくして、列車が急ブレーキ、警笛を鳴らす。これは、踏切事故だと直感。身構える。
やがて、ガツンという衝撃音、大きなものがぶつかったような衝撃とともに列車が急停車。
やはり、踏切事故であった。遮断機が下りているのに、無理に線路内に入ってエンストしたのであろう。
本当に悪質な事故である。夕張線である。列車が来ることは滅多に無い。1日4本、待てばいいのだ。
このような悪質な運転手(地元のおばあさんであったが)は免許返納して欲しいと思うのだが、公共交通機関も不便な土地である。
通りすがりの旅人がとやかく言う事ではないであろう。


運転手からアナウンス。列車の運転再開はせず、運転打ち切り。この後に警察の現場検証もあるので、そのまま車内に留まるよう指示。
乗客は6-8名程度か、幸いけが人はいない。

しかし、これでは、この後の乗り継ぎもうまくいかなくなってしまう。困ったものだ。
警察、消防が続々と到着。大した事故でもなく、怪我人もいないのに、大げさである。にわかに雪も激しくなってきた。
まるで大惨事である。今となっては目立った産業もない人口の激減した田舎町なので、警察も消防も暇なのであろうか。




地元のテレビ局、新聞社も到着。のどかな夕張にとっては、年に数度もない、格好のニュースである。

列車の前の非常口を通り、ようやく脱出。JRがワゴンタクシーを用意、追分方面に戻る。手筈が良い。
乗客は2台のワゴンに分乗しており、JRが1台のワゴンにまとめるよう、途中の新夕張で待機させるが、こちらは被害者である。
他の旅行者らしき数名の乗客は大人しい為、怒りの詰問口調で駅員に抗議した結果、2台目のワゴンを待たずに南千歳へ高速道路で急行してくれる事になった。飛行機に乗る人もいたようだが、間に合って良かった。
予定していた列車には乗れず、室蘭本線の追分~苫小牧の未乗区間も残ってしまった。JR北海道には悪いが、特急に乗せてもらう。
車掌が来たら、事情を説明しよう。
特急すずらんに乗り、南千歳から終点の室蘭に到着。東室蘭~室蘭は乗った事があるような、無いような。しかし、これでスッキリした。

室蘭から登別へ移動。ようやく当初の予定の列車に乗れた。



虎杖浜ではなく、登別から自家用車で送迎してくれる。登別は有名な温泉地だが、アジア系の外国人観光客の姿が多い。
本日の宿泊は虎杖浜500マイル。東京から500マイルの距離があるから、このネーミングらしい。面白いし、教養を感じる。
安くてたらふく海鮮の幸が堪能できる、ネットで話題の民宿である。冬季燃料代と料理のグレードアップしても、8700円。

あたりは、国道沿いで大型車両の通行が多い、セイコーマートや安い温泉民宿があるが、国道沿いとはいえ寂しい場所である。

セイコーマートでビールやウイスキーを買い込んで、部屋に行く。何もない場所だから、酒を飲んで、温泉に入るしかない。
民宿はこの下宿感がたまらなく懐かしい。いくつになっても、一瞬で学生時代に戻れる場所が田舎の民宿である。


自慢の源泉かけ流し温泉。他の宿泊者もまだ来ておらず、ゆっくり入湯。目の前の絶景を独り占め。穏やかな海である。

自慢の夕食。今年の北海道の海産物は過去に例が無いほどの不漁で、カニも去年までは1パイ出していたのが、半身になってしまった
との事で残念である。この勢いだと、数年後、海産資源が枯渇しそうで、そうなった場合は、何も出せないとの事である。




おいしい食事をいただき、静かな環境で波の音を聞きながら、ゆっくりと休む。
2日目終了。
2017年3月10日(金)
今日もボリュームたっぷりの朝食。ホイル焼きは椎茸のバター焼き。朝から北海道らしい。

虎杖浜駅まで送迎してもらう。朝の通勤・通学時間である。しかし、通勤者はマイカーで通勤する。通学者、高校生が主な乗客である。





虎杖浜から、苫小牧の間の車窓を見ると、雪がほとんどない。北海道の湘南と呼ばれ、雪の少ない土地らしい。
駒大苫小牧が全国優勝できたのも、この温暖な環境があったからである。
香田監督の「勝ちすぎた監督」野球ノンフィクションの名作である。
南千歳から、快速で小樽まで行く。今回は札幌はスルー。小樽は日本海側らしく雪が降り積もる町である。



駅前の市場をぶらぶらする程度で、この寒さと吹雪では市街散策をする気にはならず、キオスクで酒とつまみを買い、車内へ。


倶知安に到着。ニセコの玄関口で外国人のスキー客が多い。




倶知安から長万部は極端に本数が少ない。小樽~長万部の未乗区間もこれで完了。


函館本線の山線は豪雪地帯である。

長万部は海側であり、雪がほとんどない。


今夜の宿は二股ラジウム温泉。長万部から8kmほど先の山の中にあり、送迎が来てくれる。1泊だけなのに親切である。
ひなびた山間の湯治場であるが、建物は新しく綺麗である。






効用確かな温泉として、有名である。泥のような温泉で成分が濃い。タオルが茶色くなり、色落ちしなさそうな感じである。





温泉の成分が堆積してできたドームが大迫力の温泉である。他に客もおらず、貸し切り。何とも贅沢である。





夕食は、質素なものである。他の湯治客と一緒に食べる。全部で6.7人くらいである。年寄からOL風まで幅広い。

夜は真っ暗な温泉に入る。湯治場はそういうものなのだが、水道のシャワーとかはなく、体を洗ったり、髪を洗うのには難儀する。
本当に誰もおらず、怖いくらいである。ここは数日泊まるのがいい。きっと効用が出てくるだろう。
3日目終了。
2017年3月11日(土)
長万部まで送迎してもらう。時間があるので、送迎の方のおススメの床屋にいき、髪を切ってもらう。話が面白い床屋さんであった。
東京の修業時代、二人の娘さんのお話(札幌と千葉に住んでおり、長万部にはいない)、長万部が鉄道で栄えていた時代の話を聞く。
クラスメートの半分が国鉄関係者の家族だった時期もあるらしい。
昼食はおススメの長万部名物金谷食堂のかにめしを食べる。

長万部は函館本線が山線と海戦とに分岐する地点で、機関車の付け替えをする必要があり機関区がある駅であった。
その為、大勢の国鉄職員で賑わった。
かつてを忍ばせる広大な側線が印象的である。今は数両の気動車が係留されているのみである。

駅の向こう側には長万部温泉があり、夕食はボリューム満点の海産物が出てくるらしい。次はここに泊まろう。

長万部から函館も本数削減の影響で極端に少ない。車内も閑散としている。





いか飯で有名な森までのんびり走る。キハ40は国鉄時代から生き残ってきた車両である。耐用年数も限界に違いが、今のJR北海道に
新たな車両を購入する余裕が無い為、だましだまし使用している。これが最後の乗車になるかもしれない。

森では停車時間が長いので、ホームに出る。特急列車がやってきた。鈍行列車の利用者は少ないが、都市間を結ぶ特急列車は
乗客がそれなりに多い。

森はのどかな駅で、海が近い。暖かい。


ふたたび車内の人となり、車窓を眺めての旅。ローカル線の旅の最高の時間である。

森から乗客も増え(といっても、10人程度だが)、のんびり函館を目指す。時速40-60kmくらい。これほどゆっくり進むのは
車両にガタが来ている為だろうか。この鈍足ぶりでは、地元の人は不便すぎて高速バスを利用するだろう。

函館に到着。




函館から、市電で湯の川温泉に向かう。結構、遠い。函館は駅前より、五稜郭周辺の方が繁華街という事が分かった。

今夜の宿はKKR函館。公務員の厚生施設だが、一般の人も利用できる。民営の旅館に比べると内容の割に安い。


湯の川温泉は湯温が高く熱い。今の時期には熱いくらいがちょうどいい。公務員の施設らしく、風呂の会話から察するに、
教師の集りがあり、宿泊者の多くは道南の教師らしい。皆さん公立高校の教師らしく素晴らしい方である。教育者、聖職と
呼ばれる職業にふさわしい方々であった。
旅館だけあって、手の込んだ料理が出てくる。大満足。

4日目終了。
2017年3月12日(日)
湯の川温泉は3度目である。中学3年、高校3年以来である。当時、修学旅行で泊まった古くて大きなホテルは取り壊され、
外国人相手のモダンな高級旅館に生まれ変わっていた。
空港行きの市バスを待つ間に海岸を散策。夜景で有名な函館山が見える。湯の川温泉からは反対側で遠い。

湯の川温泉から函館空港は近い。バスで10分程度である。函館空港は市街地から近い。市街地から近い空港といえば、函館、伊丹、松山、
福岡、宮崎、那覇が思い浮かぶ。他にもあるかもしれない。もっと旅をしないと、知らないことはたくさんある。
函館を10時に出ると昼前には羽田に着く。北海道とはいえ、道南だから近いものだ。

5日目終了。
終わり。