まあるい地球

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日記 蛇2

2019-04-15 09:23:49 | エッセイ
日記 蛇2


その蛇は絵画の中に佇んでおりました。
八重咲きの大輪の花に囲まれて、上目遣いにも微笑み、ふくよかに成長した体を誇らしげにくねらせ静止し、慈愛の眼差しでもって、私を愛おしくも見つめ返してくれるのでした。


数日前に寝入り端に頭の中へ突然に現れた遠い昔の蛇は、今こうして私に姿を見せようとし、呼びよせてくれたのでした。


タイミングというのは、実は繋がりをもって現れるのである。
勘が冴えるというのは、日頃の想いが目に見え現れる時なのである。



蛇は自らに近い姿の絵画を借りて、物理的に私の目の前に現れることで、私の心の底深く隠れていた罪悪感を、払拭してくれようとしてくれたのかもしれません。


おそらくは、私の親近者である人間に見つかったがために、殺されまいと半狂乱に牙をむき抵抗するも、戦い虚しく半殺しにされ、更にはアルコールによる壮絶な激痛を与えられつつ、最期まで生きることを諦めなかった蛇ちゃん…。

怨恨が生じないほうが、理不尽ではなかろうか。



真しく、グレーと黒と白色の、絵の中のその蛇ちゃんは、脱皮を繰り返す毎に、白蛇へと変貌を遂げているようにも見えました。

微かに割れた口先から、舌は描かれてはおりませんでしたが、今にもあの2つに割れた細長い舌を、ヒュルルル〜と伸ばして来そうなリアルさでした。



私は絵の前で時間を忘れ、その絵の中の蛇を抱きしめたい衝動を抑えておりました。
心の中でどれほどその蛇を褒め称え、感謝し、末長い幸せを願ったことでありましょうか。


ああ!
この時の私の嬉し様!
感動!
感謝が!
一体誰にわかるだろうか…
もはや変人に見られることも難とせずに、私はただただその絵画の中の蛇ちゃんと見つめ合うのでありました。


蛇ちゃん、ありがとう!
これからも幸せにね!


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