真如堂
金戒光明寺から真如堂、5分という看板を見て、歩く。道を間違えた?ようで、狭くて、誰も歩いていないお墓に囲まれたような道。急いで歩くと、たぶん、真如堂、と思える境内に入る。
いいお寺!と直感する。
三重塔。文化14年(1817年)に再建。多宝塔をまつった本瓦葺で高さは約30m。
7間4面総欅のどっしりとした本瓦葺の入母屋造の本堂。
真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)は、京都市左京区浄土寺真如町にある天台宗の寺院。山号は鈴聲山(れいしょうざん)。本尊は阿弥陀如来。通称は真如堂(しんにょどう)。
ハート形の葉。
本堂に入ると、お寺の方?が堂内の説明を詳しくしてくださる。今日から、東三條院 藤原詮子像と一条天皇像、そして戒算上人像の特別公開が始まったとのこと。東三條院 藤原詮子は藤壺のモデル。東三條院 藤原詮子の離宮にあった阿弥陀仏を、この真如堂に運んだそうだ。
本尊の阿弥陀如来は、最澄に師事していた慈覚大師円仁が苗鹿大明神で見つけた霊木でつくり、比叡山修行僧の本尊として白毫(びゃくごう)を入れて完成させようとしたところ、首を振って拒否。「では京に出てすべての人々、特に女性をお救いください」と頼むと如来は三度うなずいたという伝説から、「うなずきの弥陀」と呼ばれている。毎年11月15日に御本尊が鎮座する御厨子を開帳するとのこと。
庭に向かう。渡り廊下に感動しながら歩く。
涅槃の庭。造園家・曽根三郎氏が1988年に作庭した枯山水。入滅をモチーフに、北を枕にして横たわるお釈迦様とそれを取り囲む仏弟子や生類を石組みで表し、ガンジス川の流れを白砂で描き出している。稜線をなぞるような有機的な生け垣の向こうには、比叡山や大文字山を含む東山三十六峰を望める。
4つの石がお釈迦様。左が頭。背景の東山の連なりも同じように見える、という説明を聞きながら、自然と石は、相似形だと思った。涅槃図を示しながら、釈迦の母を表すのが、この右下の石だと聞く。
涅槃図では右上から釈迦に薬を投げたそうだ。そこから薬を投じる、投薬という言葉が生まれたそうだが、母の姿だと思うと、ぐっとくる。
燈明寺灯籠 京都府木津川市で興廃を繰り返した燈明寺にあった石灯籠
随縁の庭。重森三玲の流れを引く重森千青氏が2010年に設計した庭園。四つ目の家紋(三井家家紋)が配置されている。作庭にあたって、重森氏自ら境内を巡り歩いて見つけ出した石が再利用されている。「随縁」とは「随縁真如」の略で、「真理が縁に従って種々の相を生じる」という教えです。その本質は変わらずとも、季節や天候、時間帯など条件の違いによってさまざまな表情を見せることで随縁を体現している。パッチワークという表現がどこかにあったが、まさにそうかも、と思った。
真如堂の境内にある新長谷寺。本尊は十一面観音。。洛陽三十三所観音霊場第5番札所。
帰りは、赤門をくぐる。