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人生に乾杯!

3つの鍵

2024-09-05 | 映画

2021年製作/119分/R15+/イタリア・フランス合作                                       原題または英題:Tre piani

ローマの高級住宅地にあるアパートに暮らす、3つの家族。それぞれが顔見知り程度で、各家庭の扉の向こう側にある本当の顔は知らない。ある夜、3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアの運転する車が建物に衝突し、ひとりの女性が亡くなる。同じ夜、2階に住む妊婦のモニカは陣痛が始まり、夫が出張中のためひとりで病院に向かう。1階のルーチョとサラの夫婦は、仕事場で起こったトラブルのため娘を朝まで向かいの老夫婦に預けるが、認知症の老夫と娘が一緒に行方不明になってしまう。

イスラエルの作家エシュコル・ネボの「Three floors up」が原作。(映画ドットコムより)

原題の「Tre piani」は三つの階という意味。同じアパートに住む3つの家族のそれぞれの物語。不気味な表情をみせるモニカ。強い思い込みが生み出す妄想から逃れられないルーチョ。手に負えない息子に完敗する父親。正気と狂気がないまぜになっている姿が空恐ろしい。

ただ、ラストには、光が見える。この女優さんが素晴らしい。マルゲリータ・ブイ。

モレッティ監督のメッセージが紹介されている。「この作品は、同じ建物に暮らす3つの家族の物語です。登場人物たちは脆く、恐怖や強迫観念に駆られ、時に極端な行動をとってしまいます。選択と行動が、自分の人生や大切な人たちにどのように影響するかを描いています。私たちがいかに孤立した生活を送り、コミュニティから自分を疎外するようになってしまったのか――この映画は私たちを外の世界へと心を開くように誘っているのです」

なぜ、鍵と訳したのか。監督のメッセージからは、心の鍵を開けようと読めるような気もするが。

「サラの鍵」という映画が記憶に残る。これは、サラがもったままだった鍵のこと。開けるための鍵、閉めるための鍵。鍵の持つ意味、いろいろ考えてみた。映画では、鍵を預けるシーンがあった。

スタッフ

監督:ナンニ・モレッティ
原作:エシュコル・ネヴォ

キャスト

ヴィットリオ:ナンニ・モレッティ
エシュコル・ネヴォ
ドーラ:マルゲリータ・ブイ
アンドレア:アレッサンドロ・スペルドゥーティ
ルーチョ:リッカルド・スカマルチョ
サラ:エレナ・リエッティ
キアラ・アバルサルモ
ジュリア・コッパーリ
ジェア・ダッロールト
モニカ:アルバ・ロルヴァケル