ROUCHE’s ROOM

バイク乗りのKAORI(ROUGE)の日常記録です。
防忘録も兼ねております(^^;

麒麟がいる世界

2005-09-12 20:07:55 | ノンジャンル
「十二国記」という小説を知っていますか?
小野不由美の著作でTVアニメ化もされている作品です。

その世界には12の国があり十二の麒麟がいて
麒麟とは民意そのもの。
慈悲の霊獣であり天意を受けて王を選び、
王は国を統治し麒麟は王の僕として王を補佐する。
王の下には様々な官がいて政を行う。
麒麟は王を選ぶけれど、王の命令には絶対服従。
王の行う政治に従う代わりに
選んだ王が道を踏み外し民を虐げたならば
麒麟は「失道」という病に侵され死にいたる。
麒麟が死ねば天命を失い王も死ぬ・・・・

・・・と簡単に説明すれば、こんなシステムの世界のお話です。

長い物語の中に色んな国が出てきて色んな王がいて
色んな政治の仕方があって
まるで現世の縮図のよう。
ただ違うのは
その世界では、どんな悪政であっても
「麒麟さえいれば次は良い王を選んでくれる」と
民は希望が持てる。
たまに、前の麒麟が失道で亡くなっても
次の麒麟が生まれない事があって
それは国民が知ったら失意で死んでしまう程の不幸な事。
民意を象徴する者が無く、次に期待すべき王を
選ぶ者がいない(=未来が無い)という事。

(当たり前だけど)わが国にも麒麟がいない。

選挙でいくら代弁者を選んだ所で、
真意は伝わるワケじゃない。
政を行う人達が道を踏み外したとしても
失道なんて起こらないから
道を踏み外している事すら知らずに突っ走るだけ。

・・・なんて、宗教と政治の話はヤヤコシくなるので
あんまり話したく無いんですけど
国民の一人として関心が無いワケでも無いし、
勿論、選挙にも行ったケド
何処のチャンネルを合わせても
選挙関連の情報は浮かれてばかりで
この国の先行きが、ちょっぴり憂鬱に思えたりして(^^;

けれど十二国記の中の采国の前王が最後に言った言葉
「責難は成事にあらず」
人を責め、非難する事は何かを成す事ではない
非難する事は容易い。
ただ非難するだけじゃなく
(それが本当に正しいのかを見据えた上で)
正しい道を示し、自分が行えば良いだけのこと。
自分が出来ない事を人が出来ないからと言って
非難する資格は無い。

なので、正しい道を示せない、私のような人間は、
この国の先行きを、ただ見守るしか無いのでしょう。

最初は少女向けに出版された小説だけれど
是非是非、政治家の皆様に読んで頂きたい本です。
巷に溢れている政治評論文よりも、
ある意味、絶対ためになると思います。


※画像は講談社X文庫ホワイトハート版(全11冊)
他に講談社文庫(全9冊)があります。