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日本共産党 群馬・太田市議 水野正己のブログ
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防犯灯 全18000基を青色LED化-新設も170基-新設要望が後回しになってはなりません

2010年08月06日 | 公共事業・民間委託
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  太田市では、今年度中に市内のすべての防犯灯約18,000基を青色LED灯に交換する計画を進めています。

  昨日5日は、市危機管理室(防災・防犯担当)で、地域からあがっている防犯灯の新設要望を届け、防犯灯の青色LED化についても進捗状況を聞き取りました。

  担当者の話しでは、全防犯灯の青色LED化は、8月2日に工事業者の選定も終わり、現在、詳細を協議中で、工事着工は今年の10月下旬になる見込みです。

  今年度は、市内の17の防犯協会支部ごとに、おおむね10基程度、合計170基ほどの防犯灯(青色LED式)を新設する計画もあります。

  しかし、防犯灯の新設を求める市民要望は強く、地域から市に提出された陳情による防犯灯新設も、すべてが実現されてはいません。

  数年前から防犯灯の新設を要望してきた男性と、その地域の防犯委員の男性は、「全部を青色LEDに取り替えるのはいいが、その予算のために自分たちが要望してきた新設が遅れるのは困ります」と話します。

  青色LED灯は、青い光による犯罪抑止効果が期待できるとされ、蛍光灯に比べて、省電力・長寿命とされますが、まだまだ蛍光灯に比べて高価であり、すべてを交換するには多額の予算が必要になります。

  たしかに、いっせいにすべてを交換することで、維持費の節減効果は高まりますが、そのために新設を求める市民要望が後回しにされることがあってはなりません。

  先日はこの2~3年の間に市内に引っ越してきた人たちから、「防犯灯が少なく暗い」「うちは女の子ばっかりなので、部活動で帰りが遅いときや、とくに冬の下校が心配です」というお話しをうかがっています。 

  何のため、誰のための青色LED化なのか。
  今後も引き続き、市民要望実現のために働きかけを強めます。

※注~青い光の犯罪抑止効果について

  現段階で、青い光による犯罪抑止効果は、科学的にも統計学的にも、まだ証明されてはいません。

  ただし、防犯灯を青色灯に変更した自治体では、変更前より犯罪発生件数が減少したという事例が複数あるとされます。(世界で最初の青色街路灯の設置は、2000年のイギリス・グラスゴー市。国内最初の青色防犯灯の設置は、2005年6月の奈良県とされます)

  また2005年に国内のクイズ番組で、イギリス・グラスゴー市の事例が放映された際、「青色には人の副交感神経に作用して落ち着かせるという鎮静効果と心理的に人を冷静にさせる効果がある」という心理カウンセラーの解釈が紹介されたことも、国内での青色防犯灯の普及が広がった要因と考えられます。

  太田市では、こうした青色防犯灯を導入した自治体の犯罪発生件数の推移も参考にし、従来から市内17の防犯協会支部に配備されていた青色防犯パトロールカーに加えて、2007年10月より市内42カ所の小・中学校に青色
パトロールカーを配備しています。

  青色防犯灯の犯罪抑止効果については、「財団法人・都市防災研究所」客員研究員/防犯担当・須谷 修治氏による2008年7月14日の「青色防犯灯の導入背景と全国実態調査報告」(照明学会関西支部「青色防犯照明を含む防犯照明の現状と課題」講演報告書)でも、「グラスゴー警察当局へ聞いても、市全体で犯罪が激減したというが確かなデータは見当たらない」としています。

  同報告書では、青色防犯灯を設置した自治体での調査のまとめとして、「青色防犯灯は、2008年3月現在、37都道府県に設置」とし、「青色防犯灯の設置により、住民の防犯意識が高まったというのは共通した評価、肯定的な意見の反面、暗い・淋しい・気持ち悪いなどの感想も少なからずある」としています。

  また今後の課題として、「犯罪抑止効果の定義が不明確。各地で効果があったといっているが、罪種・比較対象期間とエリアの取り方・減少率の%を明確にし、照明の種別との関連をそこそこ明らかにする必要がある」としています。

  さらに、「青色防犯灯に犯罪抑止効果を求めるならば、地域住民の防犯意識の高揚と共に、防犯パトロール等の活動が必須である。ただランプを青色に替えるだけでは防犯効果は期待も出来ないとの認識が必要」としています。

  私が考えるには、先行して青色防犯灯を設置した自治体で、「犯罪発生件数が“減少”」したことによる住民の防犯意識の高まりや、それによる行政当局の防犯にたいする取り組みの充実という“効果”は“一定程度”は期待できるのではないかということです。

  先行自治体よりいくらか遅れて導入した太田市でも、青色パトロールカーの増車配備や青色防犯灯の設置は、やはり住民意識の高まりや行政当局の取り組みの充実につながる“効果”は、やはり“一定程度”期待できるということです。

  費用対効果の面では疑問が残りますが、防犯パトロールカーの増車配備や、蛍光灯に比べて長寿命・省電力の青色LED防犯灯の設置は、やはりムダとは言えないというのが、私の考えです。


青色(LED)防犯灯の整備事業について(公開:委員会・委員会協議会後)/2010年5月19日/太田市庁議資料(市ホームページ)
「太田市青色LED防犯灯ESCO事業」審査結果について/2010年8月4日/市ホームページ


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
防犯灯エスコ (防犯太郎)
2010-08-16 22:40:37
防犯灯エスコ事業の審査結果をはじめてみました。10年間防犯灯を守って下さる業者の公募と思いますが、今回選ばれた会社は10年間もつのでしょうか?
他に大手さんがいるのに、公募とは名ばかりという噂も聞きました。
ご存じでしょうか?
返信する
防犯灯は直営にすべき (mizuno)
2010-08-16 23:29:23
防犯太郎さんへ

コメントありがとうございます。

私は、防犯灯は今回の「エスコ事業」のように、民間に委託すべきではなく、直営にすべきと考えています。

市長は、「全18,000基を青色LED灯に交換する場合、初期費用が相当な額になるので、交換から維持・管理・修繕にいたるすべてを民間に委託することで、借金をすることなく経費を節減できる」としています。

しかし、それでも結局は、いままでどおり、日常の「電球切れ」などの点検は地域の力を借りることになります。

さらに、初期費用・維持管理費用を含めて、民間との10年契約ですから、10年間委託費を業者に支払い続けることになります。

これでは結局は借金と同じことになります。

そして、ご指摘の問題です。
委託契約した民間業者が、万一、倒産・廃業した場合、あるいはその業者に管理能力がないことが判明した、または管理能力を欠くことになった場合、防犯灯の管理をどこが担うのか、業者が管理責任を負えなくなった場合に、初期費用分は市が支払わなくてはならないとしても、管理費用分は市が支払う必要はなくなります。

そうした場合の費用負担はどうするのかなど、問題はたくさんあります。

いわばこの契約は、入札と同じですから、市の入札参加資格をクリアしている業者でなくてはなりません。

またご指摘の審査基準も問題になります。

通常の市と民間業者との契約は単年度か、指定管理委託でも3年間、水道の包括委託契約でも5年間です。

もちろん、水道の包括委託契約には、日本共産党は反対しました。

指定管理委託契約を行う元になる指定管理者条例にもやはり反対しています。

またご指摘のように、今回の防犯灯エスコ事業は契約期間が10年間という点でも、非常に問題があります。

契約までに、以上の点や契約業者の評価も含めて、問題をただすことを考えていました。

その結果は、このブログでお伝えしたいと思います。
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