久しぶりに、ハリー・ポッター以外のDVDを家で観ました。
3月に1年近くかかった家の改装工事が終わって、予算オーバーを補うため窓周り
(カーテン、ブラインド、etc.)は自分で何とかする事にしたため、
週に2日は帰宅してから2,3時間ミシンを持ち出して格闘しているのですが、
大抵は音楽を聴くか、本のCDを聞くか、ハリー・ポッターのDVDを観ながら縫い物をしています
(何十回も観ているので、画面を見なくてもいいのです …)。
けれど昨日はちょっと気が向いて、”My big fat Greek wedding”をDVDの棚から取り出しました。
結果、あまりにも面白くて縫い物はおろそかになりましたが、観てよかったなぁ~と思わせてくれる作品です。
縫い物をしながら観ている事ができず、ミシンを止めてテレビの前に座り込んでしまい、
大声を上げて笑ったり、涙がポロポロこぼれるほど泣いたり、ウンウンと頷いてしまったり、
完全にひきこまれてしまいました。
この映画は誰も有名な人が出ていないのに、その脚本の素晴らしさで大ヒットしました。
アメリカに住んでいるギリシャ人達のお話です。ギリシャ人は皆大家族で、
ギリシャ人が一番素晴らしいと思っていて、いつもたくさんの食べ物を料理して、
大人数で集まって、好きなことをしゃべりまくって … という中で、
アメリカ生まれのギリシャ人の女性が、ギリシャ人ではない男性と恋に落ちて
(親戚中でギリシャ人以外の人と結婚した人はいません …)、
父親の反対や習慣・仕来りの違い等様々な難題を乗り越えて幸せになるというラブ&ファミリー・コメディです。
ギリシャ人のお母さんはかなりの太っ腹で、男性至上主義のお父さんに従っているようで、
実は好きなように動かしているという女性なのですが、お父さんがあまりにも頑固に反対するので、
(ギリシャ人のお父さんは、自分が家族のHeadなんだから、自分の意見を聞けと言い張るのです … )
お父さんは自分がギリシャ人以外の男性と結婚したらそんなに悲しいいのだろうかと悩んでいる主人公の女性に、
男女の関係についてこう言います。
Man is the head and woman is the neck. The neck can move the head in the way the neck wants to.
男が頭なら女は首よ。首は頭を、首の思い通りに動かせるわ。
これって、凄い表現ですよね。
女は首って、考えて見た事もありませんでした。
ギリシャではよく言う事なのでしょうか …。
日本でも、アメリカでも、聞いた事がありません。
夫婦だけではなく、会社や学校や様々な人間関係が同じようなバランスで保たれているとは思いますけれど、
矢張り男女・夫婦の関係を表現するのに、これほど絶妙な言い方はないと思います。
それも、特に、威張っているだんな様と、おとなしく従順な奥様の関係って、
まさしく、頭と首”Head & Neck”です。
この表現を聞いてからは、これ以外にそういう関係を100%忠実に表せる表現は存在しないのではと思ってしまうほどです。
さすがはギリシャです。
私は大学の時ギリシャ語を3年間とりましたが、あまりに難しくてその後続けられませんでした。
基礎を習得するのがやっとで、当時目標としていたギリシャ神話を原語で読むなどという事は
、夢のまた夢で終わりました。
でも長くて複雑な新しい英単語に出会ったら、半分はギリシャ語の語源を辿って意味を想像できます。
ラテン語の語源だとまったくチンプンカンプンです。