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ブロンテ姉妹の影に、知られざる兄弟がいた。その名は。

2018-09-09 15:53:43 | 日記

昨日は何年ぶりかに図書館に行って、

こういった本を借りてきたよ。

 

 

 

 

ブロンテ姉妹といえば、お馴染みですよね。

なんといってもこの肖像画。

右からシャーロット、エミリー、アン。

前から不思議に思っていた。

きら星のように、世界の文学史上に燦然と輝くブロンテ姉妹。

それなのに、この肖像画はいくらなんでもショボすぎませんか?

 

🌟🌟🌟


こんなのしか残ってないのかなあ。

まだ写真がなかったというのはわかるけど、

もう少しなんとか・・・・ねえ?

いかにも素人っぽい、あまり上手とはいえない絵なのだ。

 

 

折り目もヒドイ……しょうがないんです。現物がそうだから

 

 

しかし、今回の本を読んではじめて知った。

まだとてもとても全部は読んでいないけど~~

これって姉妹の兄弟(ん?いいのか?この言い方)である

ブランウェルの手によるものだったのだ。

 

🌟🌟🌟


しかも、シャーロットとエミリーの間に

ぼぉっと白い影が出てきているでしょう。

この影の部分にはブランウェルの姿が描き込まれており、
どういう理由だか知らないが、本人が自分で消してしまったんですって!

 

🌟🌟🌟



ブランウェルは絵が好きで、絵の勉強をするべく都会に出ていったが、

怖じ気づいて、すごすごと故郷に帰っている。

絵で身を立ててくれるものと、家族から期待されていたが、

これらの絵を見ると、正直、




「???」



・・・・って(笑)

そう思うのは私だけ?😅


🌟🌟🌟



失恋が引きがねとなって、酒と麻薬に溺れ、

それがもとでこの3人より先に死んでしまった。

 

🌟🌟🌟


家族が大好き、生まれ故郷が大好きで

がっちりした絆で結び付いていた、ブロンテ家の子どもたち。

 

 

 



晩年は家族のお荷物でしかなかったとはいえ、

ブランウェルが死んで、姉妹の悲しみはどれほどだったことか。

そのあとを追うように、その年、翌年と続けてエミリーもアンも死んでしまった。

妹たちよりも少しだけ長らえたが、シャーロットも38歳で一生を終えた。

 

🌟🌟🌟



シャーロット、エミリー、アン。

彼女たちだって、自らの才能を生かして人生を切り開こうと、

涙ぐましい努力のすえ、はかなく死んでしまったのであるが、

子どもたちの中では唯一の男の子。

自分が率先して家族を守り、引っ張っていかなければいけないのに・・・・

というような思いもあったのか、どうか。




姉妹たちの影に隠れ、失意のうちに一生を終えた、

パトリック・ブランウェル・ブロンテ。


🌟🌟🌟



だけど、自分の作品である肖像画が、これほど後世にまで残るとは、

夢にも思わなかったろうね。

それも、自分の姿はない、姉妹の姿を描いた絵。

自分の姿は抹消された、その絵だけが今も生き続けているなんて。




皮肉かな???





いや、それでもブランウェルは喜んでいるかもしれないと思う。

 

🌟🌟🌟



確かに素人臭い、あまり上手とはいえない絵だけど。

彼女たちの表情とか特徴とか、たぶんこれ以上はなく、

よく表されているんだろう。

固い絆で結ばれた兄弟だからこそ、描けた絵。


🌟🌟🌟


それ以外に彼女たちが肖像画を残さなかったのは、偶然か、故意か。

どちらにしろ、今となってはこの絵しか、

姉妹の様を推し量るものはないのだから。

そのことを、もしかしたら彼は喜んでいるかもしれないと思う。



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