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空のkiroku 雑記帳@goo

by 日蝕貧乏知恵者猫
この前、空を見上げたのはいつですか?☆彡
すぐ目の前にも美しさと不思議が溢れています!

北極異変:アラスカ西部、凍る島削る温暖化の波

2006-08-09 22:45:28 | (旧)雑記帳/アラスカ
アラスカ西部、凍る島削る温暖化の波
 朝日新聞 2006年8月9日付

 米ロ国境のベーリング海峡に近いアラスカ西部の島シシュマレフで、海岸浸食が進み、家屋の倒壊が相次いでいる。温暖化の影響で、海が凍る期間が短くなり、次々と押し寄せる高波が永久凍土を削り、とかしているためだ。

 島には先住民のイヌピアット・エスキモーを中心に、約600人が暮らしているが、「いずれ沈む島では生きていけない」と、村ごとアラスカ本土へ移住することを決めている。しかし、移住費用の予算が確保できず、計画は暗礁に乗り上げたままだ。

 写真家の故星野道夫さんは73年に初めてこの島を訪れた。以来、アラスカの大自然を撮り続け、96年8月8日、ロシア・カムチャツカ半島でヒグマに襲われた。

 その死から丸10年。星野さんの思い出の島が温暖化で消えつつある。

・浸食で家の倒壊が始まったのは8年前からで、これまでに20軒が倒壊。

・海が凍る時期が例年よりも2ヶ月遅くなり、高潮が来襲。

・解氷時期は例年は6月。しかし、今年は2月には氷が姿を消してしまった。

・2009年までにシシュマレフは村ごとアラスカ本土へ移住することを住民投票で決定。
 しかし、移住費用は1世帯あたり約1億200万円もかかり、資金繰りが難航している。


▽Shishumarefで今、起こっていること
 Human and Economic Indicators - Shishmaref

▽どこにある、どんな場所?
 Shishmaref, Alaska

▽wikipedia
 Shishumaref, Alaska

▽拙ブログ内関連記事
 アラスカの片隅で:シシュマレフ村
 映画『ホワイト・プラネット』
 「生命の海・地球縦断! 深層大海流を追え!!」

北極異変:アラスカの森林、温暖化で?害虫北上

2006-08-07 22:53:02 | (旧)雑記帳/アラスカ
アラスカの森林、温暖化で?害虫北上 針葉樹狙う
 朝日新聞 2006年8月7日付

 ボロボロに朽ち果てた針葉樹が、地面に突き刺さった無数の針のように立ち尽くしている。米国アラスカ南部のキナイ半島上空を飛ぶと、虫害で立ち枯れた森が見渡す限り広がっていた。地球温暖化の影響によるのか、害虫の生活サイクルが変わったことが一因とする見方も出ている。

 「膨大な量のまきがあるようなもの。落雷で簡単に火がつき、あっという間に燃え広がります」

 本社機「あすか」から虫害の現場を見た財団法人リモート・センシング技術センター(東京)の上林徳久・主任研究員(森林科学)は話す。

・キナイ半島はアラスカの中でも虫害が深刻な地域で、原因はキクイムシの一種。
 同地域では、これまでに東京都の約2倍の広さにあたる4400平方kmが被害を受け、アラスカ全域では1万6千平方kmに及ぶ模様。

・キクイムシが成虫になるには通常2年かかるが、温暖化の影響か80年代後半から1年で成虫になるようになった。
 そして、活動期間が延びたために被害が広がる。

・虫害はアラスカ南部が中心だが、フェアバンクス近郊でも被害を確認。(キナイ半島とは別種のキクイムシ)
 付近では近年夏に大規模な山火事が発生しており、痛めつけられた樹木が標的になっているのか?
 火災で衰えた森林が虫害に遭い、さらなる火災を招く。温暖化を加速しかねない悪循環を断ち切る妙手は、今のところ見つかっていない。

キクイムシ wikipedia
 キクイムシはゾウムシの仲間なのですか?!
 意外な感じ…。
 どこかのマングローブに棲むキクイムシは、漁師達のスナック(オヤツ)になっている。
 そんな場面を何かのTV番組で見ましたが、あれは同じ名前の別の生き物なのだろうなぁ…。

Wood Boring Insects in Alaska
 ↑虫の画像がありますので、お嫌いな方はご注意を!
 キクイムシは英語でWood Borer。
 上記のサイトでは、樹木に害を与えるアラスカの代表的な昆虫を紹介。
 キクイムシは体長数ミリの小さな虫ですが、幹深くではなく樹皮のすぐ下でかなりの数が繁殖するらしく、被害が大きいようです。

Forest Helth Rrotection Alaska Region
 アラスカの森林のコンディション、病害虫の発生などの総合サイト?!

 話が逸れますが、侵略的な植物(日本で言うところの帰化植物?)として、Japanese Knotweedが挙がっていました。
 タデ科の植物のようですが、アメリカ北部、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の他、イギリスでも繁殖しており、アラスカ州では南東部で大きな群落(?)が確認されているとのこと。
 観賞用として持ち込まれたものがどんどん広がって野生化したようですが、日本原産なのかしらん?いくつかの似た種をまとめて"Japanese Knotweed"と呼んでいるとのこと。
 河畔などで茂るとサケの産卵場所に異変をもたらしたり、河川の流量を減らすなど(上流では溢れてしまう可能性あり?)、生態系などにも影響が出る可能性があるようです。

人工衛星から見たアラスカの山火事の様子 2005年8月

ALASKA SMOKEJUMPERS
 2005 ALASKA WILDFIRE PHOTO GALLERIES

北極異変:アラスカ上空で温室効果ガスを調査

2006-08-05 22:52:14 | (旧)雑記帳/アラスカ
アラスカ上空で温室効果ガスを調査 東北大
 朝日新聞 2006年8月5日付け
 北極域の針葉樹林(タイガ)やツンドラから放出される二酸化炭素やメタンは、地球温暖化にどの程度影響しているか。米国アラスカで東北大の研究者らが、こうした温室効果ガスの実態調査に乗り出した。大気の採取には朝日新聞社が協力、北海道大などのチームによる森林火災調査と併せ、北極域の植物の役割解明に迫る。

 調査はアラスカ州内のツンドラ湿地、森林火災現場などの8ヶ所を予定。
 朝日新聞社所有の小型飛行機に国立環境研究所の観測機器を搭載、上空500~5000mの空気を集め、試料を日本に持ち帰って分析するそうです。
 そして温室効果ガスの中で、二酸化炭素の約20倍の効果があるというメタンに注目。
 メタンは森林火災で不完全燃焼が起こったり、凍土地帯で細菌が土壌の有機物を分解すると産出されるもので、分析することによりその由来が分かるとのこと。
 大気中のメタン濃度は20年前頃から上昇しているものの、ここ数年は横ばい。
 しかし増加に転じる可能性もあるとのことで、今回の調査結果が待ち望まれます。

気象庁
 ・温室効果ガスに関する基礎知識
 ・増え続ける大気中の温室効果ガス ―世界気象機関(WMO)が温室効果ガス年報の刊行を開始しました― 2006年3月14日
 ・増え続ける大気中の温室効果ガス(PDF形式)

温室効果ガス wikipedia

電中研・環境科学研ニュースNo.2 2005年9月(PDF)
 ・超長期の地球温暖化予測を実施 -温室効果ガス濃度の安定化効果を把握-

愛の旅人 星野道夫と直子『風のような物語』

2006-07-25 06:33:12 | (旧)雑記帳/アラスカ
愛の旅人 星野道夫と直子『風のような物語』
 朝日新聞 be on Saturday 2006年7月22日付け

ぶらりアラスカ
 掲載紙では2ページ目にあたる部分。

 本紙には、星野道夫さんと奥様の直子さんの出会い・なれ初め、そして育まれた歳月と想いなどが、大きな写真を交えて2ページに渡って掲載されていました。
 オンライン版では画像サイズが小さいことやレイアウトが違いますが、本文内容は全文読むことが出来ます。
 もうあれから10年なのですねぇ…。

Fort Knoxの拡張と環境汚染

2006-07-17 12:30:23 | (旧)雑記帳/アラスカ
Fort Knox seeks change in operations
 Fairbanks Daily News-Miner 2006年7月16日付



 フェアバンクスから26マイルの郊外山中にFort Knoxという露天掘りの金鉱があります。
 2シフト制で24時間稼動しており、夜中にオーロラを撮影している間にも、鉱石運搬車がオレンジ色の線を引きながら往来していました。
 上の画像は小さくて分かりづらいですが、画面中央下には懐中電灯を持って立っているLeRoy(私が撮影しているのにライトをこちらに向けないで下さい、師匠!*_*;)、その後ろに右に向かって伸びているオレンジの線が運搬車の明かりです。
 通年休みなく操業されており、400人以上が就業。
 金の年間産出量は40万オンス以上だとか。
 …と言われても、サッパリ見当が付きませんが。

 記事によると、この金鉱の拡張計画があり、鉱石から金を回収する新しい方法の許可を行政に求めているそうです。
 クオリティの低い金鉱石から、シアン化ナトリウムを用いて金を漉し出す…と書いてあります。
 どんなシステムなのか、私には分からないのですが…。
 シアン化ナトリウムはNaCN=青酸ナトリウムとか青酸ソーダと呼ばれるもので、金属メッキにも使われるけれど、摂取すると、呼吸が出来なくなって窒息死…毒薬!!
 
 人間の経口致死量に関しては200~300mgとするもの、0.15~0.3gとするものがあるけれど、摂取すると最悪は死に至る物質。
 火気禁止で、燃焼すると有害な窒素酸化物を産出。
 二酸化炭素や酸性粉末消化剤の使用は不可、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性水溶液で中和後、次亜塩素酸ナトリウムやさらし粉などの酸化剤水溶液で酸化処理大量の水で洗い流す。(参照元
 漏えい時の処置と共に空気中では徐々に炭酸ガスと反応してシアン化水素を発生するので注意と書いてあります。

 厚い不透過・可塑性のライナーや同じく厚く敷いた砕石の上に鉱石を置くなどの措置が取られ、310エーカーの広さを計画中とのこと。
 このシステムを稼動させることにより、これまでの金回収システムよりも使用エネルギーは1/3のコストで済ませられるそうです。
 しかし、安全性は本当に大丈夫なのでしょうか?

 万が一、漏えいした時に、風向きによって濃厚な青酸ガスがフェアバンクスの街を襲うようなことにはならないのかと心配です。
 また、フェアバンクスの街からFort Knoxへ向かう途中には、ビールも作られている軟水の美味しい湧き水が出る場所がありますが、地下水や河川への影響を含めて、長期的視点に立った環境面への影響を考えて頂きたいと思います。