このところ寒いので、本を読んで過ごしてます。
さて、『明日の記憶』ですが、まずは映画になったってのを知ってたので、気になってたんですよ。主演が渡辺さんですし。
謙さんは同年代の俳優さんなので、というか、いい男なので好きだったんですよね。(ペットを吹く彼はカッコ良かったんだよ~)彼が一押しで、これは映画にしたいって、思った原作ってどんなのかなあと興味を持っていたわけです。
と、いいながら、映画は見ずじまい。
これは本を読まねば…。
読みすすめると、めちゃ恐くなった。
誰の身に起きるのか誰にもわからない。でも、誰かの身には起きるかもしれない。私にも黒い手は伸びているかもしれない…、っていう恐怖です。
主人公の設定は、50歳。私と同じ年。
で、痴呆症の早期発祥。若年性アルツハイマー。
徐々に抜け落ちる、短期記憶…。恐い、恐すぎる。
飲みすぎるとこの頃、短期記憶が抜けるっていう経験がある私は、その恐怖が身に迫る。
涙ぐましい努力、メモ、メモ、メモ。それでも仕事を失うことが黒塗りの未来に思えて、主人公は仕事にしがみつく。多分、娘のために。
もう、ラストは涙、涙です。妻の顔を忘れてしまうんですよ~。
でも忘れてしまう本人はやっぱり不幸とは言えないと思いました。本当に哀しいのは周りの人間なのですよね。
人間関係があまり良好に保てない私にとっては、薄れ行く記憶に苦悩する主人公がちょっと羨ましくもありましたが…。
いい本です。50代の貴方には勧めたい本です。