
一時期、『カレー』に凝っていたことがあります。
結婚するまで実家暮らしで、自分で料理などしたことのなかった私は、得意料理と呼べるものは一つも無く、自分ながら情けないと思っていました。
何でもいい、「これがお母さんの料理よ!」と誇れる物があれば・・・。
そして、思いついたのが『カレー』でした。
『カレー』ならば、食べ盛りの息子達のお腹も満足するはず・・・と。
もちろん、市販のカレールーもありましたが、『自分のカレー』とするためには市販の物を使っていては意味がありません。
様々なスパイスを揃え、レシピ集を見ながら、自分なりに試行錯誤を重ねているうちに、少しずつ『自分のカレー』が出来上がっていきました。
タマネギを飴色になるまで、根気よく炒めるところから始まりますから、出来上がるまでには随分と時間がかかります。
「今日はカレーを作ろう・・・」と思った日は、それに専念しなければなりませんので、家族が出払って邪魔が入らない休日が多かったですね。
(*^_^*)
野球とバスケットと運動部に所属していた息子達は、休日でも部活動があり、しかも、いつもより練習時間が長いことから、お腹ペコペコで帰宅します。
私が一日がかりで作った大きな寸胴鍋のカレーも、彼らの旺盛な食欲の前にはひとたまりもありません。
でも私は、欠食児童のようにガツガツと食べる息子達の、そんな様子を見るのが好きでした。
息子達が成長して、『自分のカレー』を作ることは無くなりましたが、先週末、息子が来たときに昔の事を思い出し、久しぶりに挑戦してみました。
長いブランクで感覚が鈍ったのか、イマイチの出来でしたが、それでも息子は「懐かしいね!」と喜んでくれました。
40代も後半に入ったのに、食欲も衰えていないようです。
息子が結婚してからは、彼の全てを嫁に託し、私は「口も手も出さない」と心に決めていますが、それでも、こんな風に息子に食べさせてあげられることは、私のささやかな喜びになっています。
『ささやかな喜び』
『小さな幸せ』
そんなことを感じながら日々を過ごせれば・・・と思っている私です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます