友達が『布草履』を作って送ってくれました。
古い着物を裂き、細いひも状にしたものを編んでいくようですが、図書館で借りた本を見ながら作ったとのこと。
手先が器用で、何にでも挑戦する彼女に感心をしながら、早速、履いてみると、柔らかい布地が足に優しく、とても気持ちがいい。
風呂上りなど、素足で履きたいときにはとても重宝しそうです。
そういえば・・・と、昔のことを想い出しました。
もう、半世紀以上も昔。。。。
私の幼い頃は、まだ、スリッパなどと言うしゃれたものはなく、母は、農家の人に貰った『稲わら』を、丹念にたたいて柔らかくし、それに端切れを混ぜ込んで、家族の草履を編んでいました。
大人用から、私達の小さな足に合う、子供用まで何足も何足も。
他の兄弟と間違えないように、その子が好きな色の布の切れ端を、鼻緒に編みこんで目印にしていました。
それは、母の 『夜なべ仕事』 でした。
『夜なべ仕事』・・・。
現代では、もう、死語に近いかもしれませんが、その言葉から、自分が幼かった頃の母の姿が鮮明に浮かび上がってきます。
背中を丸めて、家族の草履を編む母。。。。
繕い物をする母。。。。
母のことを想い出すたび、涙が出そうになります。
それは、自分が年老いてきたという証拠でしょう・・・ね。