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英語の美貌録。

さとうひろしの受験英語ブログです。文字通りの備忘録で、よくいえば独自研究、悪し様に言えば妄想の類いです。

See to it thatなどでは、that節中の動詞はなぜ現在形なのか

2017-05-03 12:09:06 | その他
See to it that, make sure that, make certain that, take care that, hope thatなどのイディオム的表現は、that節中の述語動詞は、未来を表すとしても現在形を使う。

See to it that this letter is handed to her.

この例文では、命令文だからthat節中は未来のことを表すはずなのにもかかわらず、that this letter will be handed to her. とはならない。以下も同様である。

Make sure that you put the cap back on that pen.
I’ll make certain that they meet you at the station.
Take care that you don’t drink too much!
I hope you enjoy it.

一説によると、hope thatなどではthat節中が未来であるとは自明なので、あえてwillを使う必要はない、ということらしい。表現を節約しているのである。

私の解釈は違う。現在形は確実なことを表す。これらの表現では、that節中の事態は確実に実現されるべきであるので、そこで「…だろう」という多少の曖昧さをもっているwillは、心理的に使用しづらいのである。例えば、ハリウッドの映画俳優が自作の映画を宣伝する際に、I hope you will enjoy it.と言えば、「皆さんはエンジョイするだろう」となり、推量の助動詞が使われているので、観客が本当にエンジョイするかどうかはよくわからない。映画俳優は強く映画の面白さを訴えたいはずなのに、これではいまひとつ、その気持ちが出ていない。

そこで、映画俳優は未来のことにもかかわらず、強く現在形を使うのである。I hope you enjoy it.と。そうすれば、現在形は一般には確実な事態を示すので、「みなさんは絶対確実にエンジョイしますよ」というふうな意味合いとなって、強く映画の楽しさを訴える表現となる。そのほうが、映画宣伝の趣旨にあうというものである。See to it that, make sure that, make certain that, take care thatなども同じであって、だからこれらの表現は命令文であったり、あるいは意志表現であったりすることが多い。

では、make sure that ではなくてbe sure thatの場合は、どうなのであろうか。Makeはbeよりも意味合いが強いので、that節中は強く現在形を使うのもわかる。となると、be sure thatの場合には、beはmakeよりも意味合いが弱いので、that節中は弱くwillなどを使うのだろうか。以下の例文で検討しよう。

I am sure that she will be accepted to the university of her choice.
I feel sure that he will succeed.
We must be sure that this does not leak out.
Be sure that you never tell this to anyone.

Be sure thatの場合は、命令文ではなく、またbeやそれよりも意味合いの弱いfeelなどを使う場合には、that節中はwillなどを伴う。それに対して、be sure thatを命令文で使う場合、あるいはbeよりも強くmust be sure thatなどとする場合には、that節中の述語動詞は現在形になる。

このようなことからして、that節中の実現を強く願う場合には現在形が使用され、そうではない場合にはthat節中の述語動詞は助動詞を伴う。と言えそうである。

クジラ構文(まとめ)

2017-02-21 17:21:09 | その他
クジラ構文とは、擬似的三段論法という推論形式を用いた、修辞的否定表現である。(「修辞的」というのは、論理的というよりは、多分に文学的、あえて言えば、言葉遊び的要素があるからである。)

その擬似的三段論法の形式には二種類あり(「擬似的」というのは、一見あの三段論法に見えるが、実際は異なるからである)、実際の表現形式には三種類ある(優劣比較、同等比較、条件)。

推論形式の一つは、「①甲ならば乙である②甲ではない③故に乙ではない」というものである。優劣比較と同等比較が用いられる。

A whale is no more a fish than a horse is.

この有名なクジラ文は、「①ウマがサカナである以上に、クジラがサカナであることはない②しかし、ウマはサカナではない③故に、クジラはサカナではない」となる。

He is as welcome as a fart in a lift.

このオナラ文では、「①エレベーター内のオナラが歓迎されるのと同程度に、彼は歓迎される②しかし、エレベーター内のオナラは歓迎されない③故に、彼は歓迎されない」となる。

もう一つの推論形式は、「①甲ならば乙である②乙ではない③故に、甲ではない」というものである。条件が使用される。

If he's Irish, I'm the Pope.

この法王文では、「①もし彼がアイルランド人ならば、私は法王である②しかし、私は法王ではない③故に、彼はアイルランド人ではない」となる。

いずれも、優劣比較であり、同等比較であり、あるいは条件であり、その表現形式は異なるものの、その深層においては意味が共通すると考えられる。

三段論法あれこれ  

2017-02-16 17:03:08 | その他

「マイペディア」によれば、三段論法とは、

(イ)「<すべての人間は死す。ソクラテスは人間である。ゆえにソクラテスは死す>のような、二つの前提から一つの結論を導き出す間接推理」をいう。

(ロ)そして「結論の主語を小概念、述語を大概念、両前提を媒介する概念(人間)を媒概念または中概念、大概念を含む前提を大前提、小概念を含む前提を小前提という」。

(一応紹介はしたが、以上の(ロ)は今後は触れない。論理学を論じているのではなく、三段論法を参考にクジラ構文などをより深く理解しようとしているからであるし、それに私は専門家でも何でもないので)

三段論法には三種類あり、「三つの命題が定言的命題からなるものを定言的三段論法、前提に仮言的命題または選言的命題を含むものを仮言的三段論法または選言的三段論法という」。

以下、「広辞苑」を頼りに簡潔に申せば、

1)定言的三段論法は「AはBである。XはAである。故に、XはBである」という形式をとる。定言的とは無条件に断言するの意で、「AはBである」の箇所が何ら条件もつけずに断言されている。冒頭で紹介したのが、定言的三段論法の例である。

「すべての人間は死す。ソクラテスは人間である。ゆえにソクラテスは死す」

2)仮言的三段論法は、「もしAならばBである。Aである。故にBである」という、仮定表現を交えた三段論法である。

「終電ならば午前様である。終電である。故に午前様である」といった具合か。

3)選言的三段論法は、「XはAかBかのどちらかである。XはAではない。故にXはBである」といった調子で、二つの選択肢から一つを選んで言うので選言的と言われる。例えば、次のようなものである。

「クジラは魚類であるか、ほ乳類であるかである。クジラは魚類ではない。故にクジラはほ乳類である」

私がここで論じているものは、何れにも三段論法的思考に沿って解釈しうる。かくも手の込んだものが、かくも多用に、かくも一般的に見受けられるのだから、あたかも三段論法的思考方法がネイティブ・スピーカーの遺伝子にしっかり組み込まれているが如し、である。

semicolon、colon 、single dash

2012-11-01 09:17:38 | その他
commaもperiodも文に間をつくり、commaはゆっくりした間を、periodは急な間を、つくる。commaとperiodの他にも間を調整するさまざまな句読点がある。

semicolonは二つの密接なつながりのある文をつなげ、FANBOYS(for, and, nor, but, or, yes, so)などの軽い結合語の代わりになる。二つの完全文はcommaと接続詞でつなげられる。

1)William and his friends ate the apple, but my aunt Tina refused even a ringle bite.

2)William and his friends ate the apple; my aunt Tina refused even a ringle bite.

1)は、二つの完全文をcommaと接続詞でつなげたものである。対して、2)は、代わりにsemicolonを使っていて、wait-until-you-see-what-aunt-Tina-did anticipationを持たせて、間をはっきりさせている。敏感な読者はその違いに気づく。

colonはsemicolonよりsingle dashに近く、どちらも同じ間をつくる機能を持つ。両者に後続するのは完全文、節、文の断片、リストであり、such as, for instance, for exampleなどの代わりになって具体例を提示する。

3)William, my aunt Tina, and all their friends ate some very strange food: clam pudding, pork souffle, and apple pizza, chased by a corn-dog shake.

この文では、colonは一般的記述に対する具体例が示される。具体例があまりに長く、for exampleなどでは間延びするが、colonを用いれば緊張感が保たれる。

colonやsingle dashを使ってより劇的効果を狙うなら、気の聞いた言い直しや要約、鋭い詳述、皮肉な観察などを加えるとよい。

William, my aunt Tina, and all their friends ate clam pudding, pork souffle, and apple pizza, chased by a corn-dog shake: an awful buffet.



From Adios, Strunk and White:A Handbook for the New Academic Essay by Gary Hoffman and Glys Hoffman, Verve Press

2011年度、東京外語大、前期より。