『夜明けの街で』 東野圭吾著 角川書店
いくら読んでも”殺人”が起こらない・・・なんて
なんだか読んでいて歯がゆい・・・感じ。(笑)
主題は、”不倫”と”家族”そして”殺人者であるかもしれない女(ひと)を
愛せるか?”でした。
”不倫”という定義が人それぞれ違うように”人を愛すること”の定義は、
それぞれが違うでしょう。それは、本人が”愛のカタチ”だと云えば
それがその人の”愛のカタチ”なのでしょう・・。
『容疑者Xの献身』の石神の”愛のカタチ”は、あのとおりだったし・・
この『夜明けの街で』の主人公は、”家族である妻への愛のカタチ”が
だんだん解からなくなってしまったところに新しい”秘密の愛のカタチ”を
知り夢と現実のハザマで揺れ動く・・・言ってしまえばその辺でよくある話
なのだ。
「こいつ、バカだな。」と思うか「うん、そう、わかるわかる」と思うか
立場によってかなり読み方が違ってきますね~。
どうしてこうなってしまうのかは、男と女、微妙なタイミングと駆け引き
で”恋愛”は、はじまる。気づかないうちに”恋心”が生まれている。
ただ、普通の恋愛不倫小説では、無いのが東野さんの”技”の見せ所でしょう。
愛する人が犯罪者だったらというまた新しい課題(!)です。
これまでの作風とは、違ってずっとずっと一人称の恋愛の話で物語は、進み
相手の出方は、主人公の目線でしか無いまま。
読んでいるこちらが極端に客観視してしまいますね。これは、、私が異性だからかもしれないけれど。
そ、冷静になっちゃう。
”夢中になる”ことが40歳前の男にとってこれはどうなんだか~仕事しろよ~と
つっこみたくなってしまった。
あえて、この不倫にのめりこんでしまったのは、渡部の自分探しの旅だったのかも、かも、かも・・・。ま、流行病みたいなものかな。秋葉がちょっとよく分からない人物だったな~。で、ラストがあっけなかった気もします。謎の部分(過去の事件)が際立ってこなかった気が・・・。やはり、再読が必要かな?そこが、東野さんの隠し技!(別に隠してないけど、私が最初に気づかないだけね、読むの急ぎすぎで、、、)
う~ん、そして、妻は、やはり、強かったデスね。
ところで・・・、2人がやりとりしていたメールは、会社のメールだったのかなぁ?そりゃ、外で会うときのメールは、携帯なんだろうけど・・・時々デスクでのやりとりが出ていたので気になった。社内不倫は、メールでやりとりって今の時代お手軽で良いとは、思うけど”証拠”がばっちり残るからドロドロで別れたら最後・・・社内中にCC:でお披露目されちゃうよ~。

感想文、ずっと保留にしていたのでUPするのが遅くなりました。再読しようとも思ってたのだけど・・『白夜行』また、読み始めちゃったのデス