動物病院の一週間のお休みが明けました。
この日を待っていたとんちゃんは、診療時間になると早速 をしていました。
次の日の午後4時過ぎの予約が取れました。
甥っ子くんが遊びに来ることになっていましたが、に行くことを伝え少し早めのサヨナラです。
一夜明け、へ行く日です。
4時過ぎ、として使用中のキャリーバッグにライムを入れてマンションを出ました。
キャリーバッグは日々寝起きに使っているものの、扉を閉めることはありません。
なので、両手の平で包む様にして奥に入れても手を引っ込める時に一緒に出て来てしまいます。
ライムくんが出るのが先か、扉を閉めるのが先か、かなり手間取りました。
身体が小さすぎてまだ合う首輪もハーネスもないのでリードが着けられません。
万が一の飛び出しがない様に扉をしっかりロックしました。
「出して~」と扉を前足でカリカリ、カリカリ引っ掻きます。
でも、それも玄関を出るまででした。
そこから先は未知の世界です。何が起きるのか様子を窺う感じでじっとしています。
家の中から見える外の風景は、ビルの群れと空だけです。
窓の向こうで鳴り響く音も今日はダイレクトに耳に入って来ます。
その音の正体が で、ライムの何百倍もの大きさというのも知ることになります。
蒸し暑さも直に感じます。
まではバス通りとそれより往来の激しい道路沿いを行くので、排気ガスの臭いも半端ないはずです。
エレベーターのウィーンという音とわずかな振動にも「なに?なに?」って思っているかもしれません。
ライムくんの心境やいかにって思います。
キャリーバッグを肩にかけて歩いているとしばらくしてバッグの重心が前へ後ろへと変わります。
慣れて来たのか、観察する余裕ができたのか、動き始めた様でした。
は地図で見るよりずっと近く、10分ほどで着きました。
に入ってキャリーバッグの扉を開けます。
ライムくん、今度は中から出ようとしません。
家とも外とも違う雰囲気と匂い。警戒しているのかな…?
まだ痛い思い(注射)はしていないから怖がってはいないけれど、とんちゃんの緊張が伝わったのかもしれません。
とんちゃん、脇汗がすごいです。
四人掛けのテーブルくらいの広さのステンレスの台が診察台です。
その上にライムくんを乗せました。
台の縁はフラットなのでトコトコ歩いて落ちる可能性があります。
「落ちないように押さえておいてくださいね」と言われるまま、とんちゃんはライムくんをしっかりホールドしていました。
白衣に聴診器を下げた先生が診察台に向かったところでライムくんを預けます。
人間を診るお医者様と見た目は変わりがありません。
まず体重測定。台そのものが体重計になっています。0.98と表示されました。
この2週間で200gの増加です。標準的といわれました。
聴診器を胸にあて、目と耳と歯は観察。
「食事は何ををどのくらい食べていますか?」
「ペットショップで食べていたのと同じドライフード55gを朝昼夕とふやかしてあげています」
「もう硬いままあげてもいいでしょう。うんちはどうですか?」
「小指大のをたいてい食事の前に。食欲旺盛でおなかは丈夫みたいです」
「今度持って来てくださいね。ほかに何かありますか?」
来た~~~
「あの、トイレと噛みつきが悩みの種で。先生に伺おうと思ってたんです。特に噛むのをどうしたらいいか…」
「そういう時は遊ぶのを止めて無視してください。あたまのいい子だからね。お座りなども今のうちからトレーニングして。
どうしても手に負えない時はトレーニング教室もありますよ。くれぐれも犬にしつけられないように」
やっぱり…。先生のアドバイスも “噛んだら無視” でした。
体罰は絶対ダメと言っていました。
トレーニング教室のプリントをもらい、ワクチン接種の予約をし、足裏の毛と爪を切ってもらって帰途に着きました。
昼間は甥っ子と遊び、夕方からは病院へ行き、今日もライムくんは良く眠ります。
先生含め周囲の人が「賢い子」と言ってくれます。ちゃんと導けばきっとうまく行く、よね?
ライムくんがスヤスヤと眠るハウスをながめながらとんちゃんは思いました。
一番小さなサイズの首輪です。外出に備えて着けてみたのですが、首の回りが気になって気になってしょうがありません。
ゴロゴロしているうちにずれて猿轡のようにはまってしまいました。 「あう、あう…」 言ってます。
ずれるかもと思っていましたが、まさか口にはまるとはです。のんきに撮影どころではなくなってしまいました。
(とんちゃん談)