彷徨う叔母

先日見知らぬ携帯から電話があった。でてみたら、老人ホームからだった。その電話で妄想叔母がまた引っ越ししたときいて驚いた。いつかそんな日が来るかもと思ったことはあったが、93歳ではもう無理だろうと高をくくっていた。

そこは住宅型有料老人ホームだったが、県のサイトで確認したところホームページももたない10部屋ほどのこじんまりとした施設だった。かつて叔母が暮らした家の近所というのが気に入ったらしい。もちろんそれまでいたケアハウスでは盗難が多発するからだ。←叔母の妄想

叔母は荷物が多いからと二部屋契約したとのこと。年金が15万円ほどあるから払えるのだろうか。そのあたりは入居契約時に確認されているはずだと思うので大丈夫かと思うが。

電話は私の母宛だったが、母が施設入所ときいてガッカリしていた。でも姪ならという期待もあったようだ。と言うのも、認知症が進んで物忘れが激しく、貴重品の取扱に困っているという内容だったから。

私に保証人になってくれないかと言われたがお断りした。なら、後見人をつけたいが承諾してくれるかと聞かれ承諾した。預金が2000万円もあり、今のままでは管理が厳しいと判断したとのこと。介護度は要介護1らしい。本人からは要介護3ときいていたので笑ってしまった。

10/16に引っ越しして以来、毎日のようにあれがないこれがないと大騒ぎして振り回されているようだ。モノ盗られ妄想が激しいのでなんでも隠してしまい、その隠し場所を忘れるので大騒ぎになるようだ。携帯電話もやっとみつけて我が家の番号がわかったということだった。

保証人がいないのに入居できたのですかときいたら、身寄りがないと言っていたのでそのまま了承したと言っていた。田舎ならではの優しさか。都会では考えられない。母には弟と私の二人が保証人になっている。

叔母は田舎の優しさに支えられ、まだ悲惨な末路にはなっていない。でも妄想はなくならないのでいずれまた引っ越しすると言い出すだろう。京アニの青葉被告のニュースを見る度に叔母を思い出す。彼も妄想性障害と診断されている。若い男性で体力もあるから行動にでた。

叔母は逃げ惑うだけなので、他人に害を与えないだけマシなのだろうが、本人は真剣なので哀れでしかない。私が叔母のような末路を歩まないために今からしておくことを真剣に考えようと思う。