リートリンの覚書

日本書紀 巻第十三 雄朝津間稚子宿禰天皇 六 ・禮事を言わない皇后


日本書紀 巻第十三 
雄朝津間稚子宿禰天皇 六

・禮事を言わない皇后



七年冬十二月一日、
新室(にいむろ)で
讌(さかも)りをしました。

天皇は自ら琴をひきました。
皇后が起きて舞いました。

舞は既に終わっていましたが、
禮事(いやごと)を言いませんでした。

当時の風俗(ひと)は、
宴会で舞う者は、
舞い終わると、

則ち、
自分で座長(くらかみ)に対して、
「娘子(おみな)を奉る」
というものでした。

この時、
天皇は皇后に話しかけ、
「なぜ常の禮を失せたのか」
といいました。

皇后は惶(おそ)れて、
また起きて舞いました。

舞い終えると、
「娘子を奉ります」
といいました。

天皇は即ち、
皇后に問うて、
「奉る娘子は誰だ。
姓字(かばねな)が知りたいと欲(おも)う」
といいました。

皇后はすでに獲ることができず、
奏言して、
「妾の妹で、名は弟姫(おとひめ)です」
といいました。

弟姫は容姿(かたち)が
絶妙(すぐれて)いて
比べるものがありませんでした。

その艶色(うるわしきいろ)は
衣を徹(とお)して
晃(ひか)っていました。

これをもって、
時の人は衣通郎姫(そとおしのいらつめ)
とよびました。

天皇の志は衣通郎姫に存(あ)りました。

故に、
皇后に強いて進めさせたのです。

皇后はこれを知っていて、
たやすく禮事を言わなかったのです。

天皇は歓喜して、
則ち、明日に使者を遣わして
弟姫を喚(よ)びました。



新室(にいむろ)
新しく作った家
・禮事(いやごと)
礼儀。礼儀にあった行為
・風俗(ひと)
通俗、風習
・姓字(かばねな)
姓名
・晃(ひか)
ひかる、輝く、あきらかなどの意味をもつ漢字



(感想)

允恭天皇7年冬12月1日、

新しくできた建物で宴会をしました。

天皇は自らで琴をひきました。
皇后が立ちあがり舞いました。

舞は既に終わっていましたが、
禮事(いやごと)を言いませんでした。

当時の風習では、
宴会で舞う者は、
舞い終えると、

自分で座長(くらかみ)に対して、
「娘子を献上する」
というものでした。

この時、天皇は皇后に話しかけ、
「なぜ常の礼を言わなかったのか?」
といいました。

皇后は畏れて、
また立ち上がり舞いました。

舞い終えると、
「娘子を献上いたします」
といいました。

天皇は即ち、皇后に問うて、
「奉る娘子は誰だ。
名前が知りたいと思う」
といいました。

😑

皇后はやもうえず、
奏言して、
「私の妹で、名は弟姫(おとひめ)です」
といいました。

弟姫は容姿が優れていて
比べるものがありませんでした。

その麗しい色は
衣を貫きして光輝いていました。

こういうわけで、
時の人は衣通郎姫(そとおしのいらつめ)
とよびました。

天皇の志は衣通郎姫にありました。

ですから、
皇后に強いて進めさせたのです。

😑

皇后はこれを知っていて、
たやすく禮事を言わなかったのです。

天皇は歓喜して、

翌日、
すぐに使者を遣わして
弟姫をよびました。

の極み😒

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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