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出ました《GANTZ》映画評!

2011-01-08 | 松山ケンイチ

真っ白な気持ちで映画をご覧になりたい方は、決して読まないでください。
《ノルウェイの森》よりは突っ込みやすい映画ってことなんだ、そうなんだと納得しました(笑)
と思ったら、ノル森のレビュー群はすさまじかった、ひええ。


出ました《GANTZ》映画評!

欧米でも高い人気を誇る奥浩哉の人気コミックを、前・後編の2部作で映像化したSFアクション超大作。『硫黄島からの手紙』の二宮和也、『ノルウェイの森』の松山ケンイチが初共演に臨み、謎の球体“GANTZ”に召喚され、異形の“星人”と呼ばれる敵との戦いを強いられた、若者の苦悩と究極の選択を体現する。監督は、『砂時計』の佐藤信介。生と死がテーマの深遠なドラマや、肉体を駆使した活劇の数々に圧倒される。

[出演] 二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子
[監督] 佐藤信介

死んだはずの人間が不可思議なミッションのために集められるというアイデアは面白い。ミッションを遂行させられる途中で登場人物たちが培っていく友情や信頼、経験する裏切りや醜いエゴを通して人命の尊さを実感する物語(らしい)というのもよくわかる。なのだが、誰にも共感しようがないという致命的欠点が……。強いて、心を寄り添わせられるとしたら松ケン演じる「心優しい正義漢」の勝なのだろうが、キャラが単純で浅過ぎる。子どもはだませても、大人は無理ね。2部作なので、本来ならば後編を観た後に評価したい作品だ。



カタルシスを感じていいはずのアクションに、まったく「ヌケ」がない。原作を読んでいないので、そこが真の魅力であるか否かはわからないが、躍動的な戦いを繰り広げているにもかかわらず、それをきちんと見せないのでは映像化する意義が見いだせない。クールなボディースーツも宝の持ち腐れというものだ。ヒロインのセクシー・ルックさえ、きちんと見せないのだから欲求不満が募る。もっとも後編を前提としているお話だから、覚醒(かくせい)しつつある主人公の活躍がそこで「ヌケ」になることを期待しつつ、1点おまけ。



理不尽なことに巻き込まれた当人たちは覚悟を決めるけれど、観ているわれらには受け入れ難い世界観で、その距離感が妙に心地良かった。映像的には瞬間移動のCG処理が何度も起こるので、それがクドく感じる程度で、3番目に登場するおこりんぼう星人との死闘では、初めて『スパイダーマン』を観たときのような興奮を覚えたと、取材の際に加藤役の松ケンに報告してしまったほど。続く後編への期待も大で、原作とは異なるストーリーに期待が高まる!



う~ん……、何を評すれば? 良く言えば壮大な序章だが、筆者には130分もかけた予告編にしか思えず。っていうか、果たして2部に分ける必要があったのかな。『20世紀少年』に続く日テレちゃん商法ってことで。しかし同局がかかわる映画は『カイジ 人生逆転ゲーム』とか『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』とかゲーム感覚で人殺しする話ばかり。そこに確固たる信念とか覚悟はあるのかい? 娯楽じゃん! とは割り切れないもので。頭が固くてごめんね、ごめんね~(by U字工事)。



コミックはちょっとかじった程度だが、原作の世界観を丁寧に再現しようとした映像は迫力があるし、主演2人も良いのではと思う。が、不条理な世界観を描くことに終始した感のある前編は、その世界観自体が筆者にはあまり面白いとは思えず、後編の方がドラマとしては楽しめそうな気がする。いわば導入編である前編だけを観て1本の映画として評価するのはなかなか難しい。3部作でも前後編でも結構だが、映画なのに思いっきり「次回へ続く」的なラストには食傷気味。
                                      (「私的映画宣言」/シネマトゥデイ)

そんなこと言ってるのはこの口か、と確かめたい方のために、記事リンク貼ります(笑)


GANTZはツッコミどころ満載なのでしょうけれど、
ずたずたに壊されていないと言うか、
《ノルウェイの森》より、冷静にレビューを受け入れられました^^

でも、公開前なので、見ていないこっちは、
そうなんですね、へえ・・程度で受け流せますよね。
後編に期待、的な意見は、
きっと「デスノート」でもさんざんっぱら言われたことでしょう。
で、後編があの素晴らしい「ラストネーム」ですよ。
GANTZもきっとそうなんでしょうね。
でもその後編を見る前にまずは前編を観なくては。
そういうことなんですね、きっと。





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8 コメント

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Unknown (ノンキ)
2011-01-08 08:34:24
新年の挨拶もせず 失礼しております。
まだぎりぎり『松の内』…本年もよろしくお願いいたします。

巻頭の加藤ビジュアル、すでに見たことあるはずなのに なんだか素敵に光って見えます。
「大きく見せるために7㎏筋肉増強」と雑誌に載ってましたが、←筋肉だけじゃないやろ?
と突っ込みたい。

「シネマトゥデイ」にこんな映画評コーナーがあるとはを知りませんでした。
原作はチラ見ですが、原作そのものが昭和の人間にはついていけないハチャメチャで、突っ込み所いっぱいですから。

「カムイ外伝」の頃知ったHN高田純子さん(当時は松山ファン)のブログにも「残念」と書いてありました。すでに見られていますか?

高田純子のいい加減シネマより 以下要約
「松ケン、ニノという演技派俳優の初共演作品なのでかなり前から楽しみにしていました
しかし、いざあけてみたら……CGがお粗末すぎる
主演二人の演技はいいんです!でも、CGがお粗末なのでなかなか入り込めない何とも残念な出来上がり

デスノートの実写版はその反対で予想を裏切るいい出来上がりだった。
GANTZもデスノートと同じく、松ケン×日本テレビなので期待してしまったが、見事な裏切りです

年末年始にかけての松ケン作品。
ノルウェイの森。GANTZ。どちらを見ようか迷ったら是非とも「ノルウェイ」を見てください!!」

だそうです。


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Unknown (まろうさぎ)
2011-01-08 17:50:59
前後編って、評価そのものが難しいと思います。どうしても「以下、後編を待て!」になるし、観客側は不満を持ってしまいますもの。

見に行くと決めているので、これらの評も「そうなんだ…」という程度です。あまりGANTZに思い入れがないせいもあるし、松山さんが出演しなければ絶対と言っていいほど見に行かないタイプの映画ですから、自分がいままで知らなかった世界を見せてもらえるというだけで十分かな。

この評の中では、「ゲーム感覚で人殺しをする話ばかり」という部分に共感。確かに究極の選択で、人間ドラマが描きやすいのですが、それにしても、主人公がいきなり理不尽な世界に入り込み、殺人ゲームに翻弄される…というのはなんだかなぁです。星人たちを殺すことに、何のためらいもないのなら、ハリウッドの地球外生物ものや、モンスターものと一緒になってしまいますね(殺すことが、何の引っ掛かりもなく「正義」になってしまう)
そのあたりを「加藤ケン」が描いてくれるといいのですが…。
返信する
ノンキさんへ ()
2011-01-09 12:42:30
こんにちは。
私こそ、今年もよろしくお願いします。

シネマシネマにも7キロ増強説が載っていましたが、
私たちったら、新作映画の話題で映像などが出るたびに、
このころは痩せてたなあと思ってませんか?
7キロ増強を痩せてたと思うのは、
ちょっときついものがあるような気がするんですけれど(笑)
「L」を基準として(相当ダイエットしてたと思うんですが)、
あの頃からどれくらいがたいが大きくなったんでしょうね?
役者さんってたいへんだなあ。
そのファンも^^

こういう映画評があるの、私も知らなかったんですが、たまたまみつけました。
それでGANTZを読んで、ノル森にさかのぼってびっくり。
けちょんけちょんじゃないですか?村上さんでなくても吼えたくなりますよ。

高田さんのレビュー要約、ありがとうございます。
CG批判、これはしんどいですよね。
(あの映画を思い出すなあ汗)
でもGANTZはCGと切り離せないわけだから、
そこはもうすこし頑張ってほしいという期待をもたれたんでしょうね。
今さらながら、デスノートの死神たちはよくできていたなあと思います。

GANTZとノル森を迷っているファン、っていう設定はやめてほしくないですか?
ファンは両方見るって!!(笑)
わざとGANTZを貶めないでよ、というか汗
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まろうさぎさんへ ()
2011-01-09 12:49:35
こんにちは。

私、GANTZの世界はすごく好きですよ。
いや、殺人は願い下げですけれど、
カフカに通じるというか。
グレゴール・ザムザの、ある日突然毒虫になっていたら?という設定と
星人を殺さなきゃいけないという設定の不条理は同じ?いや、近いと思うし、
「審判」だってそうですよね。
私はそこに放り込まれたらどうなるだろう、という興味があるので、
原作でひとを殺しまくりの「ノル森」よりむしろ、入ってゆきやすいです。
もちろん、ひとそれぞれなんですが。
松山さんが出ていなくても、この映画が紹介されたら観に行ったと思います、
ちょうどデスノートみたいに。

あの世界はなんだったんだろう、突拍子もないことだけれど、
地上で少年兵がたくさん戦場に駆り出されている、
その少年兵たちはいきなり誰かを殺せと命じられるわけで、・・・
そういう現実と虚構のシンクロする部分なんかを、
感じて考えさせてほしいと思っています。


でも、後編見てから、ですよね。
ラストネームみたいな結実の成功もありますよね、
あれは原作を凌駕して余りある名作でしたから。
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Unknown (カンナ)
2011-01-09 20:27:16
こんばんは。

ガンツ評、辛口が多いのですね…(汗)
(ついでにノル森も読みました^^;)
SF作品なのにCGが残念とか? 困りましたね~(汗)
ハリウッド大作と違って、掛けられる制作費が桁違いに差がありますからね。
最初からガンツのCGのクオリティについては期待していませんでしたが。
別板で、試写評を少し読んだのですけど、それなりに迫力あったようですよ。

気になったのは、キャラの人物像がよく分からないという感想。
原作漫画を読んでないのでどういう物語・設定かよく知らないのですが、
人物像、ドラマ部分が弱いのでは、
お客さんが感情移入しにくくなるかと危惧しました(汗)
人間ドラマが薄いと映画通の人は評価が辛くなりがちですものね。

正月明けにやっと、ノル森見ました。
事前にあらすじを掴んでの感想。
凛子さんの直子役、確かに20歳には見えないわ…(汗)
でも悪くは無かったし、私的にはホラーとは感じませんでした。
水原希子さんも魅力的で(台詞回しは置いといて^^;)良かったし、
ハツミさんレイコさんも良かった。
 
松山君のワタナベ、草食系男子ですか!?
アグレシップなキャラじゃないのですね。
モテる役柄ですけど、常に受身的な役回り?(原作もそうなのですか?)
あと、原作にあるらしい卑猥なセリフをそのまま使っているのには
多少違和感を感じました(提案した松山君には
悪いですけど)
女性が観るには共感しづらいかと思いました。

映像は綺麗。
松山君はやっぱりスタイル良いし、全身像は絵になるなぁ・・(^^)
佇まいが良い。
観終わった直後の心のつぶやき…3人の女性に思い寄られるなんて
『松山君、役得だったわね~』(笑)



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追加です (カンナ)
2011-01-09 20:36:16
ガンツ、原作ファンの間では加藤役の松山君のビジュアルが
イメージに合わないというのが結構あったのですが、
試写評だと違和感は無かったということで、一安心。

佐藤P、
デスノートを超えたいとピクトでコメントしてましたけど、
『大丈夫かぁ~~』というところです。
返信する
連投すみません (カンナ)
2011-01-10 21:05:19
少し修正。

>人間ドラマが薄いと映画通の人は評価が辛くなりがちですものね。
  
これ、ガンツを指しているわけではありません。
観て無いので。

映画誌等の批評を読んでいて、一般的にそういう風に思うということです。
悪しからず…(汗;)
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カンナさんへ ()
2011-01-11 00:47:52
こんばんは。

>ハリウッド大作と違って、掛けられる制作費が桁違いに差がありますからね。

そうそう、批評家はバカじゃないの?とか思うんですが、
でも映画って、お金をどれだけしかかけられなかったから仕方ないか、
と思いながら見るわけではないので、難しいところですね^^

>人間ドラマが薄いと映画通の人は評価が辛くなりがちですものね。

この部分、ちゃんと一般論として読めましたよ。
ごていねいにありがとうございます。

前後編に分かれた映画は前編だけの批評はきついですよね。
「デスノート」もそうだったんじゃないのかなあ^^
配役もみんなが納得したのはワタリ役の藤村俊二さんだけだったと
聞いたことがありますよ^^
松山さんが加藤役と発表された時に、
男子からかなり「また松山か」と声があがったのは聞きました^^
たしかに男子に人気の漫画に多く出演してますもんね^^
でも試写会で違和感がなかったと聞いてうれしいです(でも試写会なら女子??)

《ノルウェイの森》の感想もありがとうございます。
原作は一読しただけで、(村上作品のなかではあまり好きではなくて)、
さらっと読んだだけなんですが、
草食系と言うより、いつでも受動態って感じがしましたね。
直子は20歳に見えなかったし、でもホラーとは思わなかったんですが、
ミドリが好評不評と分かれるのが興味深かったです。

>『松山君、役得だったわね~』(笑)

ははは。
松山さんだけが胸を見せてましたが(笑)、
一番グラマー???で色っぽかったですね!

GANTZ,
悪いけど、デスノート超えは口にしないほうがいいかと思われ←すみません(笑)
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