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私も観てきました、《THIS IS IT》永遠のマイケル。2009-12-22

2012-11-26 | 本・映画・ドラマのレビュー&気になる作品

昼過ぎまでなんとか時間が取れたので、
マイケル・ジャクソン《THIS IS IT》を観てきました。
大画面で観ておいてよかったです。
まだ観ていない人に私からもお奨め。
        (2009-12-22 )

私も観てきました、
《THIS IS IT》
  永遠のマイケル。

《THIS IS IT》、
一度は見に行きたいと思っていました。
時間がとれず、観ずじまいに終わるかと思っていたので、
今回の再上映、とても嬉しかったです。

昨日は月曜日で、レディスデーでもなんでもないのに、
見難い前から3列くらいを空席にしてあるほかは、正午の回、
ほぼ満席でした。中年のご婦人と30代くらいのリーマンが
多かったような(笑)

客席がしいんとしたまま、マイケルの登場を待ちわびているようでした。
冒頭の、世界中からオーディションのために集まってきた若いひとたちの
コメントを聞いているだけでもうだめでしたよ。
なんか意味のわからない涙があふれてきて・・・。
ダンサー達のコメントはお仕着せではなく、それぞれがどんなにマイケルに
観てもらえることを幸せに感じているかが伝わってきましたね。
最後の男性は、生きる実感をつかんだようなことを言われていませんでしたか?
「生きている実感、これがそうなんだ 《THIS IS IT》」って。
1回しか観ていないので勘違いだったらごめんなさい。

マイケルの急逝で彼らは絶望したのでしょうか。
私は映画を観て、そんなことはないだろうと思ったんです。
マイケルがダンサー達、スタッフ達に与えた時間は
まるで奇跡のような贈り物の時間だったのではないかと。
そしてそれは彼らだけにとどまらず、われわれすべてにとっても
そうだったのではないかと思うのです。

もしも、ロンドン公演が予定通りに行われていて、
マイケルが最後の公演と位置づけたコンサートが無事に開かれたら、
私達はマイケルの空前絶後に素晴らしいステージを
DVDなどであるいは見ることができたかもしれません。
だけど、そのときはマイケルとの距離がもっともっと開いて
いたにちがいありません、圧倒的な賞賛の拍手や嬌声のゆえに。
そしてマイケル・ジャクソンというひとの秘密のほんのすこしにも
触れさせてもらえなかったと思うのです。

マイケルのダンスが誰よりも音をリズムを正確に
刻んでいたと夏純さんがレビューなさっていらっしゃいましたよね。
私はそのことを確かめるのを楽しみにしていたんです。
ところが、
確かめるどころか、私の目はほかのダンサーをいっさい、
捉えられなかったんです、マイケル以外目に入らなくて。
そして、私が思ったのは、マイケルが生きながらにして、
すでに超存在であるということ。
何が超存在であるというのか・・それは彼の年齢を超えた
ダンスであり、年齢よりも遥かに若く、
ときには幼いとさえ言えるかもしれない
彼のピュアで繊細なこころづかいでした。

彼はひとつの指示を出すときにも、声を荒げることなく、
時には「LOVE」という言葉をはさんで、
自分がしたいことを説明していました。
マイケル・ジャクソンというひとは何者なのだろう、
このひとはキング・オブ・ロックと呼ばれたひとではないのか?
なのに、どうしてこんなに、優しく懇願できるのだろうと思いました。
あるいはマイケルが話していた相手は
音楽のミューズだったのかもしれません。

マイケル・ジャクソンは少年のようだと思いました。
どのダンスも素晴らしくて、搾り出す声だけでは
感情を表現しきれないから、からだがあふれ出る感情を動きに
変えているような気がしました。
マイケルは羽根よりも軽く動き、力強く歌い、
息のひとつの乱れさえ感じさせませんでしたよね。
でも、彼の肉体は当然50年の疲労を溜め込んでいました。
精神は少年のままなのに、肉体はどんどん老化してゆく、
たとえ誰一人そのことに気づかず、永遠の少年たるマイケルに
魅了されていたとしても、彼自身は知っていたに違いありません。
彼にはあの突然の死がなくても、時間がなかったのでしょう。
映画の最後のほうに、マイケルが地球環境を危惧し、
「みんな誰かがやってくれるだろうと思っている・・」と
語る場面があります。
そこで、私はマイケルの言葉の中に、
「誰もひとりで世界を変えることはできない」というメッセージを
読み取り、マイケルと私が愛してやまないLとのシンクロニシティを
感じたのでした。
無論、映画の最初から、ひとり、その細い肩に全責任を背負わされており、
出来て当たり前、出来なければそれは認められない、というような
共通点から、Lを重ねて観ていたのですが・・。

マイケルは当初、最後のカーテンコールだと話していました、
その幕引きに言いたかったのは、地球を愛しているということでしたね。
みんなに飛びきりの非日常の体験をさせてやりたいんだ・・
そのマイケルが最後に訴えたいのは誰かへの愛という、
限定されたものではなく、無限に通じるものだったのですね。
このあたりも私が愛してやまないひとに似ている・・

この映画は白鳥が最後に歌を歌うという《スワンソング》
みたいだと思いました。
でも、マイケルはずいぶん疲れすぎたからだという《いれもの》を脱いで、
ようやく自由になれたのかもしれません。
自由になったマイケルは彼が残したPVや曲たちを媒体に、
私達のそばに居てくれるのでしょう。
ずっと居てくれるのでしょう・・・

(追記)
マイケルとギターで共演を果たし、マイケルから
「もっと高い音はでない?君自身が輝いて」と言われていた、
金髪の女性ギタリスト、覚えていますか?
彼女がマイケルのDVDが出るのと日を同じくして、
アルバムを発表するそうです。ご興味のあるかたは是非!!

ギタリスト《オリアンティ》の記事はここから

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6 コメント

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Unknown (アイ)
2009-12-23 00:45:36
樹さんこんばんは♪
素晴らしいレビュー、ありがとうございます。
鑑賞してからかなり経ってしまいましたが、記事を読むうちに
感動がよみがえってきます。
冒頭のダンサーのインタビューから、涙が溢れ・・・。私もです!
マイケルは本当にピュアで、偉大だけど、真摯な姿をより多くの一般大衆に魅せてくれた映画です。

完成した素晴らしいステージを生で見たファンがいないのが残念です。
返信する
アイさんへ ()
2009-12-23 10:25:21
こんにちは、アイさん。
コメントありがとうございます。

そうなんですよ、再上映の機会がなければ、
観ずに終わるところでした。
私はUK寄りの音楽嗜好なので、
特別にマイケルへの想いがあったわけではないのですが、
映画を見てよかったなあと思います。
オーディションのところから泣いてしまいましたか?
そうですよね。涙がだーだーこぼれました。

リハーサルの現場、
そこにいるのは、
観客に最高のステージを見せようと、
細い肩に責任と期待をいっしんに背負っている孤独で優しくて
素晴らしい《少年》だったと思います。
ジョニデや松山さんも、同じ体系にいるひとだなあと思います。
もちろん、私が重ねて観たLもね。

私はマイケルの秘密を覗かせてもらって、幸せですけれど、
時間がないと自覚していたマイケルに、最後のステージを
用意してあげられなくて、神様もきっと不憫に思っていらっしゃるでしょう。
でも、もう愛しい子が苦しい思いをするのを
見ていられなかったのかもしれません。
明日、映画をご覧になるかたには
最高のクリスマスプレゼントになるでしょうね。
返信する
コメント5 (まろうさぎ)
2009-12-23 18:10:54
残念ながら、私は見られそうもないのですが、やっぱり素晴らしいんですね。

結果として彼はまさしく「伝説のスター」として永遠の存在になったのが皮肉です。このマイケル自ら最後と言ったツアーが行われたら、見に行ったのはファンだけで、一般の認識はゴシップまみれのままでした。
彼の突然の死は、神様が彼を永遠に残したかったからかもしれないなあと感じてます。
返信する
まろうさぎさんへ ()
2009-12-24 10:18:28
そう、素晴らしい映画です。
それはマイケルのステージングアクトもそうですけれど、
そのステージを準備していくうえでの、
マイケルのうそ偽りない姿に感動するゆえだと思うのです。
マイケルは白鷺のようなひとだったんですね
(拙作を出して恐縮ですが)

私も、ロンドン公演を楽しみにしていらした方々には悪いけど、
マイケルの真実を知る機会を神がおあたえになったのではないかと思います。
興味津々に、薄汚れたもののように見ていたマイケルは
名誉を回復しましたし、それ以上に尊敬され
ていますよね。
そのことをマイケルだけが知らないというのが、
悲しすぎます。
返信する
マイケル観てきました (海空)
2010-01-20 21:44:28
こんばんは!樹さん。
実は私、樹さんのマイケル ジャクソンの映画レビューをみて、いつかスクリーンで観たいとずっと願っていました。
幸いにまた再上映され、今日、念願かないました。

私は間違った認識を彼にもっていました。感動で震えました。
最後の方に少年のような語り方で…全力をつくそうとスタッフに話してた。
語りつくせないけど、心が広がりました!
樹さん、いろいろ教えて下さってありがとうございます。
返信する
海空さんへ ()
2010-01-21 06:24:54
おはようございます、海空さん。

マイケルの映画、やっぱり観るととても感動しますよね。
そして実際に自分が見ることでどこに感動するのか、
そこがこの映画はひとそれぞれで、
とっても興味深いところです。
海空さんは私のつたないレビューで《観たい》と思ってくださったとのこと、
ありがとうございます。
感じ入るところが似ているのかもしれません。
私はマイケルの少年性と繊細さに
感動しました。
全世界の警察を指揮下におけるLがあんなに飄々として、
孤独に耐えていたのと似ている・・とか、マイケルにLを
投影してしまいました。
LはLOVEとか言わないですけどね(笑)

>語りつくせないけど、心が広がりました!

素晴らしい!!!
こちらこそ、教えてくださってありがとうございます。
今年も素晴らしい映画にいろいろ出会いたいですね。

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